東雲結子:先生、ぽかぽか陽気が続いたので、冬のコートをクリーニングに出してきました! もう春ですね。

税理士石井:うーん、二月は三寒四温ですからね。寒の戻りが来たら、東雲さんが震えているあいだ、コートだけがクリーニング店のビニールの中で暖かく過ごすことになりますよ。

東雲結子:えっ、持ち主より先にコートが春休み……(汗)。でも先生、ビットコインにも季節があるんですよね? 半減期で春が来て、4年ごとに一回りする「4年サイクル」。

税理士石井:そうですね。過去3回は、半減期から371〜546日で天井、そこから364〜406日で底、という順番でめぐってきました。ただ、その季節が一回りしたのは、まだ3回だけなんです。

東雲結子:3回もあれば、もう立派な年中行事ですよ。で、今はどの季節なんですか?

税理士石井:2026年1月31日の終値は78,621ドル。2025年10月6日の最高値(暫定)から−36.98%、117日たったところです。

東雲結子:4割近くも……。それって真冬ですか? それとも、もう三寒四温の「寒」のほうですか?

税理士石井:いい質問ですね。実は、それがその場では分からないのが相場なんです。大家業でも、空室続きのあとに内見が一件入っただけで、繁忙期が来たとは決めませんよね。

東雲結子:一件の内見で家賃を上げたら、次の寒波で空室に逆戻りです。

税理士石井:ははは、まさにそれです。この回では、4年サイクルの仕組みと日数の物差しを確かめて、2026年1月末がその地図のどこにいるのかを、「続く派」と「崩れる派」の見方と一緒に整理します。

仮想通貨(暗号資産)の今後を考えるとき、多くの人がまず思い浮かべるのが、ビットコイン(BTC)の「4年サイクル」です。約4年ごとの半減期をきっかけに上がり、天井をつけ、そこから1年ほどかけて大きく下げる。完結した過去3回のサイクルは、たしかにそのリズムで動いてきました。

この連載では、2011年から2026年1月までのビットコインと主な仮想通貨の値動きを、天井と底、暴落、金利、新しい買い手の順に読み直し、そのうえで2025年の天井のあとの下げがどこで終わりうるのかを、当ブログのシナリオとして考えます。第1回は、その土台になる4年サイクルの仕組みと日数、そして2026年1月末の位置です。税理士で大家、そして株式アナリストとして、数字を投資の目線でも読んでいきます。

価格は、断りがなければデータ提供サイトの日足終値(Yahoo Finance、CoinMarketCapのデータ)で、日付は協定世界時です。数字はすべて2026年1月31日までに公表・観測されたもので、2025年10月6日の最高値は「暫定」、その後の底は「未確定」です。

この記事の要点 根拠となる数字
4年サイクルは「半減期→天井→底→次の半減期」の順にめぐってきた。ただし完結した記録は3回だけ 半減期→天井371〜546日、天井→底364〜406日、底→次の半減期513〜542日(終値)
2026年1月31日は、暫定の最高値から117日で−36.98%。ほぼ同じ日数の2021〜22年(112日で−36.07%)に近い 終値78,621.12ドル(最高値は2025年10月6日の124,752.53ドル)、円建ては−35.42%
「サイクルは続く」と「崩れる」で、名前のある見方は割れている Fidelityのティマー氏「Support is at $65-75k.」、Grayscale「2026 will mark the end of the apparent four-year cycle.」
投資の目線:日数は過去3回の記録で、約束ではない。先に確かめたいのは下落への耐性 過去3回の天井→底は−76.63%〜−84.53%、2025年の強気相場の途中でも−28.14%(いずれも終値)

半減期は、新しく生まれるビットコインを半分にする仕組み

ビットコインの取引の記録は、およそ10分ごとに「ブロック」というまとまりで台帳に書き足されます。ブロックを書き足す計算競争(マイニング)に勝った人には、新しく発行されるビットコインが報酬として支払われます。この報酬が、21万ブロックごとに半分になる。これが半減期です。

半減期 日時(協定世界時) ブロック高 1ブロックの報酬(新規発行分)
1回目 2012年11月28日 15:24 210,000 50BTC→25BTC
2回目 2016年7月9日 16:46 420,000 25BTC→12.5BTC
3回目 2020年5月11日 19:23 630,000 12.5BTC→6.25BTC
4回目 2024年4月20日 00:09 840,000 6.25BTC→3.125BTC
5回目(計算) 2028年4月ごろ 1,050,000 3.125BTC→1.5625BTC

※ブロックエクスプローラー(Blockchain.com)の記録。5回目の日付は、ブロック930,000(2025年12月29日)から当ブログが計算したもので、10分に1ブロックなら2028年4月10日、2024年4月〜2025年12月の実際のペース(1ブロック平均9.895分)なら2028年4月2日。予想ではない。

半減期と半減期の間隔は、1,319日、1,402日、1,440日でした。ほぼ4年に1度、新しく生まれるビットコインの量が半分になってきたわけです。

ブロックが10分に1つなら、1日に約144個。そこに1ブロックの報酬を掛けると、新規発行は4回目の半減期の前が1日約900BTC、後が約450BTCという計算になります(6.25BTC×144、3.125BTC×144。当ブログの計算)。

大家業でたとえるなら、半減期は新築の供給が半分になるようなものです。街に新しく建つ賃貸住宅が急に半分になれば、借りたい人の数が変わらない限り、家賃には上向きの力が働きます。

ただし、借りたい人そのものが減れば、供給が細っても家賃は上がりません。ビットコインも同じで、半減期は値上がりの約束ではなく、供給の側の条件が変わるだけだと私は考えています(当ブログの見方)。買う側の顔ぶれがどう変わってきたかは、ETF(上場投資信託)と企業の大量保有を取り上げる回で詳しく見ます。

用語メモ:半減期=ビットコインのマイニング報酬(新規発行分)が21万ブロックごとに半分になる仕組み。ブロック=一定の時間ごとの取引記録のまとまり。マイニング=ブロックを台帳に書き足す計算競争。協定世界時(UTC)=世界の基準になる時刻で、日本時間より9時間遅い。

ビットコインの4年サイクルは「半減期→天井→底→次の半減期」の順にめぐってきた

では、半減期のあと、ビットコインはどのくらいで天井をつけ、どのくらいで底を打ってきたのでしょうか。完結した3回のサイクル(2013〜15年、2017〜18年、2021〜22年)を、日足終値で数えたのが下の図と表です。

図は、左から「半減期(新規発行が半分に)」「天井」「底」「次の半減期」の四つの箱を並べ、矢印に過去3回の日数の幅を書き込んだものです。半減期から天井までが371〜546日、天井から底までが364〜406日、底から次の半減期までが513〜542日。上の点線は、半減期から次の半減期までの1,319〜1,440日(約4年)で、この輪がくり返されてきたことを表しています。

中央の枠が、2026年1月末の位置です。天井から底へ向かう矢印の上に▼を置き、終値78,621ドル(2026年1月31日、協定世界時)、暫定の最高値から−36.98%、117日経過と書きました。▼の位置は、天井→底の過去3回の平均382.67日に対する117日の目安で、道のりのおよそ3割の地点です。もちろん、今回の底が過去と同じ日数で来ると置いた場合の話です。

サイクル 半減期→天井 天井→底 底→次の半減期 天井→底の下落率(終値)
2013〜15年 371日 406日 542日 −84.53%
2017〜18年 525日 364日 513日 −83.40%
2021〜22年 546日 378日 516日 −76.63%
2025年〜(暫定) 534日(暫定) 117日経過(底は未確定) ― −36.98%(2026年1月31日)

※天井はサイクルの最高終値、底はその後の最安終値(日足、協定世界時)。日数は暦日の差。2013〜15年の天井(2013年12月4日、1,151.17ドル)は二次情報(StatMuseなど)で、取引所によって値が違う(2013年の天井は、マウントゴックス〔Mt.Gox〕では11月29日の1,242ドル)。2015年1月14日の底(178.10ドル)以降はYahoo Finance(CoinMarketCapのデータ)。

表を縦に読むと、天井から底までは、どの回もほぼ1年(364〜406日)でした。下落率は−84.53%、−83.40%、−76.63%で、3回とも天井の4分の1以下まで下げています。

天井と天井の間隔も、2013年12月4日から2017年12月16日までが1,473日、そこから2021年11月8日までが1,423日、さらに2025年10月6日(暫定)までが1,428日と、4年前後でそろっていました。2025年の天井は4回目の半減期から534日後で、過去の371〜546日の幅の中に収まっています。

なお、2011年にも大きな山と谷がありました(天井は6月9日の30.06ドル、底は11月18日の2.05ドルで−93.18%。二次情報の終値)。ただ、1回目の半減期より前で、市場もまだごく小さかったため、この表の日数の幅からは外しています。

もう一つ、今回のサイクルには過去と違う点がありました。前のサイクルの天井を終値で取り戻した日は、2013年の天井が2017年1月4日、2017年の天井が2020年11月30日と、どちらも次の半減期のあとでした(2013年の天井の回復日はデータ提供元が混在していて差は0.3%で、継続して上回ったのは2017年2月23日)。

ところが2021年の天井は、半減期より前の2024年3月4日に取り戻しています。米国で現物ビットコインETFの取引が始まった2024年1月11日から、2か月足らずのちのことです。この時期の重なりが何を意味するのかは、ETFと企業の大量保有を取り上げる回で、数字から考えます。

ここで、ぜひ立ち止まってほしいことがあります。この「リズム」は、たった3回の記録から見えているものです。大家業で、過去3人の入居者がそれぞれ4年前後住んだとしても、次の入居者が4年で出ていくとは誰にも約束できません。4年サイクルは、物理の法則のように毎回必ず再現されるものではない、と私は考えています(当ブログの見方)。

2026年1月31日は、暫定の天井から117日で−36.98%

では、2026年1月末はどこにいるのか。数字を並べます。

項目 値 日付・基準
最高値(終値、暫定) 124,752.53ドル 2025年10月6日
最高値(日中) 126,198.07ドル 2025年10月6日
2025年12月31日の終値 87,508.83ドル ―
1月の最高値(終値) 96,929.33ドル 2026年1月14日
1月31日の終値 78,621.12ドル 1月の最安の終値
1月31日の日中の安値 75,815.88ドル ―
最高値(終値)からの下落率 −36.98% 117日
1月の騰落率 −10.16% 12月31日の終値との比較
円建ての1月31日の終値 12,166,224円 円建ての最高値(2025年10月8日、18,838,562円)から−35.42%

※数値はYahoo Finance(CoinMarketCapのデータ)の日足(協定世界時)。円建てはYahoo Finance(BTC-JPY)によるCoinMarketCapの円換算で、日本の取引所の価格ではない。

2025年10月6日の終値124,752.53ドルが、2026年1月31日時点の史上最高値(暫定)です。そこから117日たった1月31日の終値は78,621.12ドルで、最高値からの下落率は−36.98%でした。1月だけでも−10.16%下げ、1月31日の終値はこの月でいちばん低い終値です。

日中の値で見ると、下げは少し深くなります。最高値の日の日中の高値126,198.07ドルから、1月31日の日中の安値75,815.88ドルまでで−39.92%。終値か日中かで、数字が約3%ポイント違います。この連載では、断りのない限り終値を使います。

報道によると、ビットコインが8万ドルを割ったのは2025年4月以来のことでした(The Block、2026年1月31日)。2025年の強気相場の途中の最大の下げは、1月21日の106,146.27ドルから4月8日の76,271.95ドルまでの−28.14%(終値)です。1月31日の終値は、その4月の安値の約3%上にあります(当ブログの計算)。

1月の動きを日を追って見ると、14日に終値96,929.33ドルまで戻したあと、月末にかけて下げ足を速めました。天井のあとの最安の終値は2025年11月22日の84,648.36ドルでしたが、1月29日の84,561.59ドル、30日の84,128.66ドルとこれを下回り、31日は1日だけで6.55%下げました(当ブログの計算)。

円建てで見ると、景色は少し違います。円建ての最高値は、ドルの天井の2日後の2025年10月8日の18,838,562円(終値)で、1月31日の12,166,224円はそこから−35.42%でした。

ドルでの下落率(−36.98%)より小さいのは、この間に円安が進んだためです。円の終値をドルの終値で割った暗黙のドル円は、10月6日の150.36円から1月31日の154.74円になっています(当ブログの計算)。日本で円で持っている人にとっては、為替がクッションになった形です。逆に円高に振れれば、円建ての下げはドル建てより大きくなります。

なお、国内の取引所のビットバンクも、10月8日に1,895万円まで上がって史上最高値を更新したと伝えています。同社の同じ日の終値18,828,001円と、Yahoo Financeの円換算の終値との差は0.06%でした。

天井から同じ日数で比べると、今回の下げ方は2021〜22年に近い

過去のサイクルでは、天井から同じくらいの日数がたった時点で、どこまで下げていたのでしょうか。

サイクル 天井(終値) 観測点(月末の終値) 天井からの日数 下落率
2013年 1,151.17ドル(2013年12月4日) 457.00ドル(2014年3月31日) 117日 −60.30%
2017年 19,497.40ドル(2017年12月16日) 6,973.53ドル(2018年3月31日) 105日 −64.23%
2017年 19,497.40ドル(2017年12月16日) 9,240.55ドル(2018年4月30日) 135日 −52.61%
2021年 67,566.83ドル(2021年11月8日) 43,193.23ドル(2022年2月28日) 112日 −36.07%
2025年 124,752.53ドル(2025年10月6日、暫定) 78,621.12ドル(2026年1月31日) 117日 −36.98%

※分母は天井の日足終値、観測点は月末の終値で、経過日数はそろわない(近似)。2014年1〜8月の月末値はStatMuse(二次情報)、2014年9月以降はYahoo Finance(CoinMarketCapのデータ)。

天井から3〜4か月の時点で、2013年は−60.30%、2017年は−64.23%(105日)〜−52.61%(135日)と、すでに半値以下まで下げていました。2021年は112日で−36.07%で、今回の117日で−36.98%は、このペースに近いことになります。

では、この先も2021〜22年と同じように進むのか。それは誰にも分かりません。2021年の天井のあとの1年には、2022年5月のテラ(LUNA/UST)の崩壊や、2022年11月のFTXトレーディングの破綻が起き、底をつけたのは2022年11月21日でした。どんな出来事がどう重なったかは、暴落の原因を年表で読む回で取り上げます。

過去の日数を当てはめた「底の時期」は、予想ではなく物差しの一つ

過去3回の天井→底の日数(364〜406日)を、2025年10月6日の暫定の天井にそのまま足すと、2026年10月5日〜11月16日という日付が出てきます(当ブログの試算)。2021〜22年の378日なら、10月19日です。1月31日から数えると、あと247〜289日という計算になります。

この日付から、2028年4月ごろと計算される次の半減期までは503〜553日です(当ブログの試算)。過去3回の「底→次の半減期」の513〜542日とほぼ重なり、日数の上では、4年の輪がきれいにつながる形になります。

ただし、これは過去3回の日数を機械的に当てはめた計算で、予想ではありません。前提が崩れる道筋は、いくつもあります。

まず、2025年10月6日の天井が本当の天井でなければ、出発点そのものが変わります。終値で124,752.53ドルを上回る日が来れば、この計算は振り出しです。次に、底の時期の根拠は3回の記録(364日、378日、406日)しかなく、2011年は162日でした。そして深さも、過去3回の8割前後の下げをそのまま当てはめるのか、もっと浅いと見るのかで、景色はまるで変わります。

底の深さと時期を、前提の違う3つのシナリオに分けて考えるのは、次の底を考える回です。そこでも、当ブログが一つの数字を予想として示すことはありません。

ビットコインの今後をめぐり、「4年サイクルは続く」派と「崩れる」派に見方が割れている

4年サイクルはこの先も続くのか。2025年12月から2026年1月にかけて公表された、名前のある見方を並べます。立場は当ブログが3つに分けたもので、原文の抜粋は英語のまま載せています。

機関・人物 公表日 立場(当ブログの整理) 原文の抜粋
Grayscale(グレースケール) 2025年12月15日 崩れる 「2026 will mark the end of the apparent four-year cycle.」
Standard Chartered(スタンダードチャータード) 2025年12月9日 崩れる 「With the advent of ETF buying, we think the BTC halving cycle is no longer a relevant price driver.」
Bitwise(ビットワイズ)のHougan氏 2025年12月16日 崩れる 2026年に最高値を更新し、4年サイクルに従わないとの見方(報道の要約)
VanEck(ヴァンエック) 2026年1月12日付のノート 崩れた 4年サイクルは崩れたとしつつ「more cautious near-term outlook over the next three to six months」(報道の要約)
Fidelity(フィデリティ)のTimmer(ティマー)氏 2025年12月18日 続く 「2026 could be a “year off”」「Support is at $65-75k.」
Galaxy Research(ギャラクシー) 2025年12月18日 明言なし 「2026 could be a boring year for Bitcoin.」

※立場は当ブログの整理。GrayscaleとGalaxy Researchは各社の公表資料、ほかは報道(The Block、Decrypt、Cointelegraph)による二次資料。ティマー氏はX(旧ツイッター)への投稿。

「崩れる」側が挙げるのは、主に新しい買い手の存在です。Standard Charteredは、ETFによる購入が始まったことで、半減期のサイクルはもはや価格を動かす要因ではないとの考えを示しました(英文を当ブログが訳出)。

The Blockの要約によると、BitwiseのHougan氏は、半減期の影響が小さくなったこと、2018年や2022年の利上げとは違って利下げが見込まれること、レバレッジ(借入れなどで元手より大きく張る取引)の破綻が減ったことを理由に挙げています。Grayscaleは、ビットコインの価格は2026年の前半に史上最高値を更新する可能性が高いとしています。

その新しい買い手の大きさも、数字で確かめておきます。SoSoValueの集計を報じた二次資料によると、米国の現物ビットコインETFへの累積の純流入は、2024年12月30日時点の352.4億ドルから、2025年12月31日時点の約566.1億ドル(当ブログの計算)へ増えました。ただ、2026年1月29日には555.16億ドルと、1月は減る側に回っています。

企業では、上場企業の上位100社が1,127,981BTCを持ち(2026年1月26日、BitcoinTreasuriesによる二次資料)、その63.2%をストラテジー(旧マイクロストラテジー)1社が占めています(計算)。買い手の顔ぶれが変わったのは事実ですが、その買い手が、過去のような8割前後の下げ相場でも買い続けるのかは、まだ確かめられていません(当ブログの見方)。

「続く」側の代表が、Fidelityでグローバル・マクロを担当するティマー氏です。2025年12月18日の投稿で、ビットコインはまた一つ4年サイクルの半減期の局面を終えたのかもしれない、という懸念を示し、2026年は「休みの年」になりうる、支持線は6.5万〜7.5万ドルだと書いています(Cointelegraphの報道による。英文を当ブログが訳出)。

サイクルには触れない見方もあります。JPMorganのアナリストは2025年11月6日、ビットコインの理論上の価格は17万ドル近くになるとの試算を示し、今後6〜12か月の大きな上昇余地を指摘したと報じられました(The Blockによる二次資料)。

Galaxy Researchも、サイクルについては明言していません。2026年はビットコインにとって退屈な年になりうるとしたうえで、10万〜10.5万ドルの上にしっかり戻るまでは、目先の下振れのリスクが残るとの見方です(英文を当ブログが訳出)。

2026年1月末の値動きは、結果だけ見れば「続く」側の想定に近い位置にあります。ただ、これは公表から1〜2か月の結果論にすぎず、どちらの見方が正しいかを決めるものではありません(当ブログの見方)。ここで紹介した見方は各機関のもので、当ブログの見方として採り入れるものでもありません。

連載の地図:過去の値動きから仮想通貨の今後を読む9つの回

この連載は、9つの回で一枚の地図を描いていきます。

まず、過去を数字で並べます。2011年から2025年までの5つのサイクルを、天井・底・下落率・前回の最高値を取り戻すまでの日数で並べる回。マウントゴックス、コインチェック、コロナ・ショック、テラ、FTX、2025年10月の大量清算といった暴落を年表にして、原因を資料の言葉で確かめる回。

そして、イーサリアム(ETH)、XRP、ソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)などのアルトコインが、ビットコインよりどれだけ深く落ちてきたかを見る回です。

次に、サイクルの外側の力を確かめます。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ・利下げの局面でビットコインがどう動いたかを見る回と、米国の現物ETFや企業の大量保有で値動きが変わったのかを考える回です。

そのうえで、今後を考えます。2025年の天井のあとの底がいつ、どこまでになりうるかを3つのシナリオで考える回と、2028年4月ごろの次の半減期をはさんで、その次の上昇の時期を考える回。最後に、暴落と回復の局面で知っておきたい仮想通貨の税金の回で締めくくります。

どの回も、時期と価格は当ブログのシナリオとして示し、一つの予想にはしません。それぞれのシナリオが何を前提にしていて、何が起きたら崩れるのかを、必ず一緒に書いていきます。

4年サイクルを投資の目線で読むと、日数より先に「下落への耐性」が問われる

ここからは、ビットコインや仮想通貨に関連する株を持っている人、これから持つかどうかを考えている人の目線で整理します。いずれも値動きの性格と確かめる点の話で、売買を勧めるものではありません。

最初に確かめたいのは、自分がどこまでの下落に耐えられるかです。完結した過去3回のサイクルでは、天井から底まで、終値で8割前後の下げが3回続きました(−76.63%〜−84.53%)。強気相場の途中でも、2025年1〜4月に−28.14%、2021年4〜7月に−53.06%の下げがありました(いずれも終値)。

値動きの大きさを表すボラティリティ(価格の変動の大きさ)は、日次の終値から計算した年率で、2017年の94.3%から2025年の41.9%へ小さくなっています。それでも、月次の騰落率から計算した年率で比べると、2025年はビットコインが37.4%、米国の株価指数S&P500が11.0%でした(いずれも当ブログの集計)。株式とは別の揺れ方をする資産です。

大家業でいえば、家賃相場が1年で8割下がることのある地域で物件を持つようなものです。そんな地域で、自己資金ゼロのフルローンを組む大家はまずいません。仮想通貨でも、借入れや証拠金取引で持つと、下げの途中で持ち高を強制的に手じまいさせられる(清算される)ことがあります。

二つ目は、今の価格が何を前提にしているかです。78,621ドルという1月31日の終値は、「4年サイクルどおりなら、まだ下げの途中」と見る人と、「サイクルは崩れ、新しい買い手が支える」と見る人の判断がぶつかった結果です(当ブログの見方)。どちらの前提に近い材料が出てくるかで、値動きの向きは大きく変わりえます。

大家の目線で、もう一つ付け加えます。賃貸物件には家賃という収入があり、価格が下がっても家賃の利回りが一つの支えになります。ビットコインは家賃のような収入を生まないため、価格は買い手と売り手の需給でほぼ決まり、下値の支えになる物差しが少ないと私は考えています(当ブログの見方)。過去に8割前後の下げが3回あったことは、その裏返しとも読めます。

仮想通貨に関連する株では、揺れがさらに大きくなりやすい点にも注意が要ります(当ブログの見方)。ビットコインを大量に持つストラテジーは、2026年1月25日時点で712,647BTCを持ち、平均取得単価は76,037ドルでした(同社が米国の証券取引委員会に提出した臨時報告書)。1月31日の終値はそのわずか3.40%上で、日中の安値は平均取得単価を下回りました。

メタプラネットのような日本の保有企業、コインベースのような取引所の株は、別の連載で詳しく読みます。

三つ目は、次に何を確かめるかです。2026年1月時点の数字と一緒に、四つに絞って並べます。

確かめる点 2026年1月時点の数字 当ブログの見方
米国の現物ビットコインETFの資金の出入り 1月は約16億ドルの純流出で、月間では過去3番目の大きさ(The Block、SoSoValueの集計) 新しい買い手が売る側に回っていないか
ストラテジーの購入と平均取得単価 1月1〜25日に40,147BTCを購入、平均取得単価76,037ドル(1月25日時点) 価格が平均取得単価を下回ったまま続いたときの動き
FRBの政策金利 1月28日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で3.50〜3.75%に据え置き 利下げが続くかどうか
次の半減期 2028年4月ごろ(ブロックの生成ペースからの計算) 日数の物差しが今回も通用するかどうか

※ETFの資金の流れは報道による二次資料。ストラテジーは同社の開示(2026年1月26日)、金利はFRBの声明による。

ETFの流出が続くのか、企業の購入が細るのか、それとも金利が支えになるのか。この三つは、「続く派」と「崩れる派」のどちらの前提が当てはまりそうかを確かめる材料になります。日数の物差しは、こうした材料と並べて使うもので、それだけで売買の時期を決める道具ではありません(当ブログの見方)。利益や損失が出たときの税金のルールは、税金を取り上げる回で詳しく扱います。

4年サイクルは「暦」ではなく「物差し」として持っておく

完結した過去3回、ビットコインは半減期から371〜546日で天井をつけ、そこから364〜406日で底を打ち、底から513〜542日で次の半減期を迎えました。2026年1月31日は、暫定の天井から117日、−36.98%の地点です。

三寒四温の二月に、暖かい日が一日あっただけで春と決めないように、相場の数日の反発で底と決める必要はありません。かといって、「4年サイクルだから、この先もこうなる」と決めてかかる必要もありません。大家業を長く続けていると、季節を当てることより、どの季節が来ても慌てない備えのほうがずっと役に立つと感じます。

これから確かめたいのは、ETFの資金の出入り、ストラテジーなど企業の購入、FRBの金利、そして米国と日本の規制の動きです。過去5つのサイクルを数字で並べる回、暴落の原因を年表で読む回とあわせて、この地図を少しずつ描き足していきます。

 

※本記事は公表資料をもとにした情報提供を目的としたもので、暗号資産(仮想通貨)や特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。価格の時期やシナリオは、過去のデータに当ブログが置いた前提を当てはめた試算で、将来の価格を予想・保証するものではありません。暗号資産は価格の変動が大きく、投資した金額を大きく下回ることがあります。

※価格は暗号資産のデータ提供サイトの日足終値(協定世界時)などの公表資料をもとに当ブログが集計・計算したもので、四捨五入の関係で合計が合わない場合があります。数値は2026年1月31日までに公表・観測されたもので、時点は本文・表に記載しています。税制は2026年1月31日時点の法令にもとづき、令和8年度税制改正大綱の内容は今後の法改正で決まります。

出典・参考

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  • Bitcoin USD (BTC-USD) 日足の価格データ 2026年1月(Yahoo Finance、CoinMarketCapのデータ、2026年1月31日まで)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-USD/history/?frequency=1d&period1=1767225600&period2=1769904000
  • Bitcoin USD (BTC-USD) 日足の価格データ 2025年(Yahoo Finance、CoinMarketCapのデータ)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-USD/history/?frequency=1d&period1=1735689600&period2=1767225600
  • Bitcoin USD (BTC-USD) 日足の価格データ 2024年(Yahoo Finance、CoinMarketCapのデータ)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-USD/history/?frequency=1d&period1=1704067200&period2=1735689600
  • Bitcoin USD (BTC-USD) 日足の価格データ 2020年11〜12月(Yahoo Finance、CoinMarketCapのデータ)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-USD/history/?frequency=1d&period1=1604188800&period2=1609459200
  • Bitcoin USD (BTC-USD) 日足の価格データ 2017年(Yahoo Finance、CoinMarketCapのデータ)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-USD/history/?frequency=1d&period1=1483228800&period2=1514764800
  • Bitcoin USD (BTC-USD) 日足の価格データ 2015年1月(Yahoo Finance、CoinMarketCapのデータ)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-USD/history/?frequency=1d&period1=1420070400&period2=1422748800
  • Bitcoin USD (BTC-USD) 日足の価格データ 2018年12月(Yahoo Finance、CoinMarketCapのデータ)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-USD/history/?frequency=1d&period1=1543622400&period2=1546300800
  • Bitcoin USD (BTC-USD) 日足の価格データ 2021年(Yahoo Finance、CoinMarketCapのデータ)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-USD/history/?frequency=1d&period1=1609459200&period2=1640995200
  • Bitcoin USD (BTC-USD) 日足の価格データ 2022年11月(Yahoo Finance、CoinMarketCapのデータ)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-USD/history/?frequency=1d&period1=1667260800&period2=1669852800
  • Bitcoin USD (BTC-USD) 月足の価格データ 2014年9月〜2025年12月(Yahoo Finance、CoinMarketCapのデータ)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-USD/history/?frequency=1mo&period1=1388534400&period2=1767225600
  • S&P 500 (^GSPC) 月足の価格データ(Yahoo Finance)https://finance.yahoo.com/quote/%5EGSPC/history/?frequency=1mo&period1=1385856000&period2=1769904000
  • Bitcoin JPY (BTC-JPY) 日足の価格データ 2026年1月(Yahoo Finance、CoinMarketCapの円換算)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-JPY/history/?frequency=1d&period1=1767225600&period2=1769904000
  • Bitcoin JPY (BTC-JPY) 日足の価格データ 2025年10月1〜16日(Yahoo Finance、CoinMarketCapの円換算)https://finance.yahoo.com/quote/BTC-JPY/history/?frequency=1d&period1=1759276800&period2=1760572800
  • BTC対円はまた史上最高値を更新 1900万円を試す展開(ビットバンク、2025年10月9日)https://bitbank.cc/knowledge/markets/article/bitbank-daily-2025-10-09
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  • ‘Not crypto winter’: Standard Chartered halves 2025 bitcoin target to $100K(The Block、2025年12月9日)https://www.theblock.co/post/381892/not-crypto-winter-standard-chartered-halves-2025-bitcoin-target-to-100k-keeps-long-term-bull-case
  • Bitwise CIO says bitcoin will break 4-year cycle and set new all-time highs in 2026(The Block、2025年12月16日)https://www.theblock.co/post/382690/bitwise-cio-bitcoin-break-4-year-cycle-new-all-time-highs-2026
  • Bitcoin’s Four-Year Cycle Broken: VanEck(Decrypt、2026年1月13日)https://decrypt.co/354389/bitcoins-four-year-cycle-broken-vaneck
  • Fidelity macro lead sees $65K bitcoin bottom in 2026(Cointelegraph、2025年12月19日)https://cointelegraph.com/news/fidelity-macro-lead-65k-bitcoin-bottom-2026
  • JPMorgan sees bitcoin at $170,000 in next 6-12 months(The Block、2025年11月6日)https://www.theblock.co/news/markets/2025-11-06-jpmorgan-bitcoin-price-170000-next-6-12-months-377891
  • Predictions for 2026(Galaxy Research、2025年12月18日)https://www.galaxy.com/insights/research/predictions-2026-crypto-bitcoin-defi
  • BTC drops below $80,000 following $1.6 billion in monthly ETF outflows, third-worst month on record(The Block、2026年1月31日)https://www.theblock.co/post/387923/btc-drops-below-80000
  • Bitcoin ETF outflows hit $426M as 2024 ends with a market shake-up(CryptoSlate、2024年12月31日)https://cryptoslate.com/insights/bitcoin-etf-outflows-hit-426m-as-2024-ends-with-a-market-shake-up/
  • US Bitcoin ETF inflows December 30(Unlock、2025年12月31日)https://www.unlock-bc.com/en/us-bitcoin-etf-inflows-december-30
  • Bitcoin ETFs post net outflows on New Year’s Eve, shed over $1B in December(The Coin Republic、2026年1月2日)https://www.thecoinrepublic.com/2026/01/02/bitcoin-etfs-post-net-outflows-on-new-years-eve-shed-over-1b-in-december/
  • Bitcoin spot ETFs saw a total net outflow of $818 million yesterday, marking the third consecutive day of net outflows.(PANews、MEXC Newsによる転載、2026年1月30日)https://www.mexc.com/news/593386
  • Strategy Tops 40,000 Bitcoin in January Alone(BitcoinTreasuries、2026年1月26日)https://newsletter.bitcointreasuries.net/p/strategy-tops-40-000-bitcoin-in-january-alone-here-s-where-it-s-going
  • Form 8-K(Strategy、2026年1月26日)https://assets.contentstack.io/v3/assets/bltf8d808d9b8cebd37/blt38c73b77a3b1661a/6976b57244632962826a47eb/form-8-k_01-26-2026.pdf
  • Bitcoin purchases(Strategy)https://www.strategy.com/purchases
  • FOMC statement, January 28, 2026(FRB、2026年1月28日)https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20260128a.htm