東雲結子:石井先生、健康診断の採血のあいだに、ひらめきました。血液を調べる分析装置の会社の株を買えば、毎年の健診が配当つきになります!

税理士石井:うーん、採血の針より、その発想のほうがチクッときますね。たとえば日立ハイテクは血液の分析装置もつくっていますが、2020年5月に上場廃止になって、いまは日立製作所の100%子会社です。

東雲結子:えっ、私の健診結果より先に、銘柄のほうが「該当なし」でした……。

税理士石井:ははは。しかも日立ハイテクは、半導体の回路の寸法を測る測長SEMという装置もつくっています。取材記事では、同社の方が測長SEMの世界シェアは約70%だと語っています。

東雲結子:血液も半導体も測るなんて、健診センターと半導体工場の両方で顔パスですね。でも株が買えないなら、成績表も見られないんですか?

税理士石井:いい質問ですね。親会社の日立が「計測分析システム(日立ハイテク)」として数字を出していて、2025年4〜12月の売上収益は5,809億円、Adjusted EBITAという利益は827億円です(四半期の合計で、当ブログの計算)。

東雲結子:なんだ、ちゃんと見えるじゃないですか!

税理士石井:おっと(汗)、見えるのは身長と体重くらいです。純利益も、貸借対照表も、キャッシュ・フローも出てきません。日立ハイテク自身の決算公告もありますが、子会社を含まない単体の数字です。

東雲結子:健診でいえば、血液検査の結果票だけ抜けている感じ……。大家さんでいうと、どうなりますか?

税理士石井:大手に一棟ごと売った物件の収支を、買い手の決算書の一行と、登記簿くらいで推し量るようなものですね。上場廃止の経緯、日立の開示、決算公告、そして投資家にできることとできないことを、順番に見ていきましょう。

連載の第11回は、日立ハイテク(旧日立ハイテクノロジーズ、旧証券コード8036、3月決算)です。2020年5月18日に上場廃止となり、いまは日立製作所の100%子会社です。上場企業のような決算短信や有価証券報告書は出ていないため、日立ハイテクの業績は、公開されている別々の資料をつなぎ合わせて読むしかありません。

この回のテーマは、上場廃止した会社を公開資料からどう読むか、です。材料は、2020年の公開買付け(TOB)の資料、日立製作所の決算説明資料「連結決算の概要」、日立ハイテク自身の決算公告(第103期〜第106期)、上場時の最後の有価証券報告書などです。最新の数字は、日立製作所が2026年1月29日に公表した2026年3月期第3四半期(2025年4〜12月)の資料です。

3つの資料は、範囲(連結か単体か)、会計基準(IFRS=国際会計基準か、日本基準か)、利益の物差しが、それぞれ違います。この違いを混ぜずに読むことが、この回でいちばん大事なところです。後半では、日立ハイテクの株を買えない個人投資家にとって、日立製作所の株を持つことが何を意味するのかも、銘柄選びの目線で整理します。単位は断りがなければ億円です。

この記事の要点 根拠となる数字
2020年にTOBを経て上場廃止し、日立の完全子会社になった TOB価格1株8,000円、日立の取得対価の合計5,311億円
最新の業績は日立の事業ユニットの開示で読み、見通しは1月に引き上げられた 2025年4〜12月 売上収益5,809億円・Adjusted EBITA 827億円(当ブログの計算)、通期見通し8,100億円・970億円
自社の決算公告は単体だけで、経常利益は子会社からの配当で膨らむ 2025年3月期 営業利益457億円、受取配当金423億円
銘柄選びの目線:日立ハイテクには日立製作所の株を通じてかかわる形で、半導体装置の比重は小さい 事業ユニットの売上収益の見通しはCIセクターの約24.8%(参考値)/日立の予想PER32.0倍、2025年の株価+24.5%

※Adjusted EBITAは日立の非IFRS指標で、営業利益とは別物です。

日立ハイテクは2020年、1株8,000円のTOBを経て上場廃止になった

日付 出来事
2019年11月18日 日立が1株7,100円(特別配当を組み合わせる案)を提案
2020年1月10日 日立が7,800円を提案。日立ハイテク側は再検討を求める
2020年1月27日 8,000円で合意(特別配当の案は取りやめ)
2020年1月31日 TOBの開始予定を公表。日立の保有は議決権の51.73%
2020年2月 商号を日立ハイテクノロジーズから日立ハイテクに変更
2020年2月17日〜4月6日 TOBの期間
2020年4月7日 結果を公表。応募53,389,540株をすべて買付け、議決権比率は90.55%に
2020年5月18日 上場廃止
2020年5月20日 株式等売渡請求の効力が発生し、日立の完全子会社に

※日立製作所の公表資料、日本取引所グループの公表、日立ハイテクの沿革による。

TOB価格の8,000円は、公表前日の2020年1月30日の終値7,740円に対して、上乗せ(プレミアム)が3.36%にとどまりました。日立は最初に7,100円を示し、7,800円の提案には日立ハイテク側が、価値を十分に反映していないとして再検討を求めました。その経緯を経て、8,000円で合意しています。

TOBで日立が支払った額は、53,389,540株×8,000円で約4,271億円です(当ブログの計算)。日立の四半期報告書によると、残りの株式の取得(株式等売渡請求)も含めた取得対価の合計は5,311億円でした。差し引くと、売渡請求の分は約1,040億円になります(当ブログの計算)。

日立がもともと持っていた株も含めて、TOB価格で会社全体の株式を評価すると、約1.1兆円です(当ブログの推計。株式数は、既に保有していた株・応募株・売渡請求の分から推計)。

大家業でいえば、区分所有のマンションで過半の部屋を持っていたオーナーが、残りの部屋をすべて買い取って、一棟の持ち主になったようなものです。その後のこの一棟の収支は、持ち主の家計簿の中の一行と、決められた最低限の公告から推し量るしかなくなります。

用語メモ:TOB=株式公開買付け。買付けの価格・期間・株数を公表して、市場の外で株主から株を買い集める方法。株式等売渡請求=議決権の大半を持つ株主が、残りの株主から株を取得するための会社法の手続き(日立ハイテクではTOBのあとに使われました)。プレミアム=買付価格が直前の株価をどれだけ上回るか。

上場廃止のあとに出てくる数字、出てこない数字

資料 範囲と基準 分かること
日立製作所の決算説明資料「連結決算の概要」 事業ユニット「計測分析システム(日立ハイテク)」、IFRS 受注高、売上収益、Adjusted EBITA(四半期・通期・見通し)
日立ハイテクの決算公告(自社サイトの電子公告) 単体(子会社を含まない)、日本基準 貸借対照表・損益計算書と注記(第103期〜第106期)
日立製作所の有価証券報告書 関係会社の状況 資本金7,938百万円、議決権の所有割合100.0%、セグメントはCI(コネクティブインダストリーズ)
日立ハイテクノロジーズの有価証券報告書 連結、IFRS 最後は第100期(2019年3月期)

逆に、数値としてはどこにも出てこないものがあります。上場廃止後の連結の当期利益、貸借対照表、キャッシュ・フロー、研究開発費、設備投資、地域別の売上(中国の比率)、半導体とヘルスケアの売上の内訳、そして日立への配当額です。

自社サイトの「財務情報」のページは、連結の推移をグラフの画像で示すだけで数値のテキストがなく、この回では使っていません。日立ハイテク単独の統合報告書も、この回で調べた範囲では見当たりませんでした。

日立の開示「計測分析システム」は、範囲と物差しが年ごとに変わる

億円 日立での区分 受注高 売上収益 利益の指標 利益 率
2020年3月期 上場子会社セグメント「日立ハイテク」 — 6,946 調整後営業利益 603 8.7%
2021年3月期 ライフセグメント内 — 6,063 調整後営業利益 547 9.0%
2022年3月期 ライフセグメント内 — 5,768 Adjusted EBITA 598 10.4%
2023年3月期 CIセクター内 6,366 6,742 Adjusted EBITA 926 13.7%
2024年3月期(旧構成) CIセクター内 6,331 6,704 Adjusted EBITA 739 11.0%
2024年3月期(承継後の遡及ベース) CIセクター内 — 約7,205 Adjusted EBITA 約755 約10.5%
2025年3月期(ヘルスケア承継後) CIセクター内 7,203 7,565 Adjusted EBITA 879 11.6%

※各年3月期(前年4月〜その年の3月)。日立製作所の決算説明資料による(IFRS。調整後営業利益とAdjusted EBITAは日立の指標)。2022年3月期の調整後営業利益は587億円。2024年3月期の遡及ベースは、2025年3月期の資料の前年比から当ブログが逆算した概算。2025年3月期のAdjusted EBITAは、同じ資料の、持分法による損益を含めない新しい定義の表では880億円(2026年3月期の数字と見通しはこの定義)。

この表は一本の時系列に見えますが、実は範囲と物差しが何度も変わっています。2020年3月期は、上場子会社としての「日立ハイテク」セグメントで、日立ハイテクの連結とほぼ同じ範囲です。2021年3月期からはライフセグメントの中の事業ユニット、2023年3月期からはCIセクターの中の事業ユニットになりました。

2021年3月期の6,063億円は、前の期から約13%減っています(当ブログの計算)。ただ、範囲が同じかどうかは資料では確認できませんでした。利益の物差しも、2022年3月期を境に、調整後営業利益からAdjusted EBITAに替わっています。

用語メモ:Adjusted EBITA=日立の非IFRS指標。調整後営業利益(売上収益−売上原価−販売費及び一般管理費)に、買収に伴う無形資産などの償却費を足し戻したもの(2025年3月期までは、持分法による損益も加えていました)。IFRSの営業利益とは別物です。CI=コネクティブインダストリーズ。日立の事業の大きな区分(セクター)の一つです。

もう一つの段差が、2024年4月1日のヘルスケア事業の承継です。日立製作所のヘルスケア事業本部(核融合・研究用加速器関連の開発部門を除く。2023年度の売上479億円)を日立ハイテクが吸収分割で引き継いだため、2025年3月期からは承継後の構成で数字が出ています。2024年3月期には6,704億円と約7,205億円の2つの基準があり、この2つを比べることはできません。

日立は2024年3月期について、「計測分析システムは、生化学免疫自動分析装置の需要は堅調も、半導体製造装置の売上減少や開発費の増加等により、売上収益横ばい、減益」と説明しています。2025年3月期は、生化学免疫自動分析装置や放射線治療システムの売上増で増収増益になったとしています。

日立ハイテクの業績、2025年4〜12月は売上収益5,809億円・Adjusted EBITA 827億円

2026年3月期(億円) 2025年4〜6月 7〜9月 10〜12月 4〜12月
受注高 1,980 1,862 2,174 6,016
売上収益 1,871 2,119 1,819 5,809
売上収益の前年同期比 +12% +17% −4% —
Adjusted EBITA 237 352 238 827
Adjusted EBITAの前年同期との差 +35 +147 +5 +187
Adjusted EBITAの率 12.6% 16.6% 13.1% 14.2%

※日立製作所の各四半期の決算説明資料。4〜12月の受注高は日立の記載(前年同期比+11%)。4〜12月の売上収益・Adjusted EBITA・率・前年同期との差は、事業ユニットの表に累計の記載がないため、四半期の値を合計した当ブログの計算。

2025年4〜12月の売上収益は5,809億円、Adjusted EBITAは827億円で、率は14.2%でした(当ブログの計算)。前年同期のAdjusted EBITAは640億円と計算でき、187億円の増益です。

伸びの中心は7〜9月期で、売上収益は前年同期比17%増、Adjusted EBITAは147億円増えて、率は16.6%でした。日立はこの期を、「Q2は、半導体製造装置事業における下期からの案件前倒し等により、増収増益。」と説明しています。

10〜12月期は、売上収益が前年同期比4%減でしたが、Adjusted EBITAは5億円増えました。日立は、生化学免疫自動分析装置の売上が減って減収となり、半導体製造装置事業の好調で増益になったと説明しています。この期の受注高は2,174億円で、前年同期比15%増です。

4〜12月の受注高6,016億円は、同じ期間の売上収益5,809億円を上回っています。受注÷売上は約1.04倍で(当ブログの計算)、売上より多くの受注が入ってきている状態です。ただし、この数字にも半導体と医用の内訳はありません。

日立は2026年1月29日、通期の見通しを8,100億円・970億円に引き上げた

公表日 売上収益 Adjusted EBITA 率
2025年4月28日(期初) 7,900 880 11.1%
2025年7月31日 7,900 880 11.1%
2025年10月30日 7,900 910 11.5%
2026年1月29日 8,100 970 12.0%

※2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の事業ユニットについての、日立製作所の見通し(億円)。

期初の見通しで、日立は「半導体製造装置の売上増加に伴い増収となるものの、ヘルスケアソリューション事業における戦略投資の増加により、利益は横ばい」としていました。それが10月と1月の2回引き上げられ、Adjusted EBITAは880億円から970億円になりました。

1月の見通しについて日立は、ヘルスケアへの戦略投資が増えても、半導体製造装置事業の好調で増益を見込むと説明しています。前年比では、売上収益が+7%、Adjusted EBITAが+90億円です。

見通しから4〜12月の実績を引くと、2026年1〜3月期は売上収益約2,291億円、Adjusted EBITA約143億円という計算になります(当ブログの計算)。率にすると約6.2%で、4〜12月のどの四半期よりも低い水準です。

日立はこの1〜3月期の内訳を示していません。7〜9月期に下期の案件が前倒しで入ったことが、一因として考えられます(当ブログの見方)。日立はまた、半導体製造装置を日本から輸入していることを挙げ、米国の関税による顧客の投資の抑制をリスクとしています。

図の上段は売上収益、下段は利益で、2020年3月期から2026年3月期の見通し(斜線)までと、右端に2025年4〜12月を並べています。下段の2020年3月期と2021年3月期は灰色の調整後営業利益、2022年3月期からはAdjusted EBITAで、物差しが違う点に注意してください。図の下の帯は、日立での区分が上場子会社、ライフ内、CI内と移ったことを示しています。

2024年3月期の棒の上の点線は、ヘルスケア承継後の遡及ベース(売上約7,205億円、利益約755億円、当ブログの逆算)です。2026年3月期の見通しの棒には期初の7,900億円・880億円を書き添え、右端の4〜12月の827億円には、前年同期の640億円を点線で示しています。

日立ハイテク自身の決算公告は「単体」だけ

億円 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 3,875 3,741 4,622 4,749 5,338
売上総利益率 25.3% 30.6% 33.1% 30.7% 32.3%
営業利益 245 301 531 360 457
営業利益率 6.3% 8.1% 11.5% 7.6% 8.6%
経常利益 355 465 691 651 842
当期純利益 317 418 499 643 656
資産合計 4,693 5,459 6,242 6,711 7,852
純資産比率 61.2% 55.5% 52.5% 53.7% 56.7%
契約負債 — 269 672 798 936

※日立ハイテクの決算公告(第103期〜第106期)、単体・日本基準。2021年3月期は第103期の公告の前期欄。純資産比率=純資産合計÷資産合計で、率はいずれも当ブログの計算。—は公告で確認できない項目。

会社法にもとづく決算公告は、日立ハイテク自身が出している数少ない数字です。ただし中身は、子会社を含まない単体の、日本基準の数字です。海外の販売会社や日立ハイテクアナリシスなどは入っていません。

たとえば2025年3月期の単体の売上高は5,338億円で、日立が開示する事業ユニットの7,565億円とは2,000億円以上の差があります。範囲と会計基準が違うためで、両者を並べて比べることはできません。2025年3月期の単体の増収には、2024年4月に承継したヘルスケア事業が加わったことが含まれます(当ブログの見方)。

単体の決算公告でいちばん目を引くのは、経常利益が営業利益を大きく上回ることです。2025年3月期は営業利益457億円に対して経常利益842億円で、差の385億円の主な中身は、受取配当金423億円です。関連当事者の注記では、子会社の日立ハイテクヨーロッパから120億円、日立ハイテクフィールディングから94億円を受け取っています。

子会社が稼いだ利益が配当として単体に上がってくるので、単体の利益は、自分の事業の稼ぎと子会社からの配当を合わせたものになります。単体の当期純利益656億円を、そのまま日立ハイテクグループの稼ぐ力と読むのは危うい、ということです(当ブログの見方)。

もう一つの特徴は現金です。2025年3月末の現金及び預金は71億円しかありませんが、関係会社預け金が1,599億円あります。グループの資金をまとめて管理するCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)によるもので、関連当事者の注記には、親会社への資金の預け入れとして444億円の記載もあります。

大家業でいえば、家賃の入金口座を、家族でつくった資産管理会社の口座にまとめて預けているようなものです。手元の通帳が薄くても、資金がないとは限りません。ただ、その預け先の事情に左右される面はあります(当ブログの見方)。

契約負債(先に受け取った代金)は、2022年3月末の269億円から2025年3月末の936億円に増え、売上高に対する比率は7.2%から17.5%へ上昇しました(当ブログの計算)。入居前に受け取る前家賃が増えているような状態で、受注の厚みを映している可能性があります(当ブログの見方)。

決算公告の注記では、半導体製造装置や計測・検査装置を扱うナノテクノロジーソリューションについて、「具体的には、顧客に引き渡された時点、船積日、据付完了、顧客の検収がなされた時点等で収益を認識しております。」と説明しています。装置によって、売上を計上する時点が違うということです。

2025年3月期の特別損失131億円は、関係会社株式評価損109億円と減損損失21億円などでした。日立への配当額は公告に載っていません。当期純利益から利益剰余金の増加を引いた社外流出は、2025年3月期で約286億円と推計できますが(当ブログの推計。配当以外の増減がないと仮定)、これが配当額そのものかは確かめられません。

注記にはもう一つ、大家として気になる記載があります。横浜市のマンションの杭工事をめぐり、三井不動産レジデンシャルが約510億円、三井住友建設が約548億円を請求している件です(2018年7月の請求額の変更後)。第104期から第106期の公告は、「一切の支払義務を負わないとの確証はないため適切な会計処理を行っており」と毎期記載しています。

用語メモ:決算公告=会社法にもとづき、株式会社が貸借対照表などを公表すること。日立ハイテクは自社サイトの電子公告で行っています。単体=子会社を含まない、その会社だけの数字。CMS=グループ内の資金をまとめて管理する仕組み。契約負債=製品などを引き渡す前に受け取った代金。

上場時の最後の姿:2019年3月期は売上収益7,311億円、ROE11.9%

比べる手がかりとして、上場していた時代の最後の有価証券報告書(第100期、2019年3月期)も見ておきます。連結(IFRS)の売上収益は7,311億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は484億円、ROE(自己資本利益率)は11.9%でした。研究開発費は308億円で、売上の4.2%です(当ブログの計算)。

セグメントでは、半導体製造装置を含む電子デバイスシステムの売上が1,471億円(セグメント間の取引を含む)、EBIT(利払い・税引き前の利益)は336億円で、率にすると22.9%の水準でした(当ブログの計算)。一方、商社の機能を持つ先端産業部材の売上が3,029億円と、セグメント売上の合計の約4割を占めていました。

その後、2019年4月に事業は3つの区分へ再編されています。上場時の数字と今の日立の事業ユニットの数字は、範囲がまったく違います。上場時の利益率と今のAdjusted EBITAの率を並べて、上がった・下がったと読むのは避けたいところです。

半導体の製品は測長SEM、欠陥検査、エッチング。シェアは取材記事での発言

日立ハイテクの半導体関連の製品は、前工程の計測・検査とエッチングにまたがります。中心は測長SEM(CD-SEM)で、製品紹介ページには、High-NA EUV世代向けのGT2000、EUV世代の量産向けのCG7300などが並びます。CG7300については、「極端紫外線露光世代の半導体測長SEMの開発と高精度化」で、日立製作所と日立ハイテクが2023年に第69回大河内記念生産賞を受賞しています。

そのほか、欠陥レビューSEMのCR7300シリーズ、欠陥形状評価SEMのCT1000、暗視野式ウェーハ欠陥検査装置のDI4600・DI2800、ウェーハ表面検査装置のLSシリーズ、そしてコンダクターエッチング装置(マイクロ波ECR方式のエッチングチャンバー)があります。

用語メモ:SEM=走査電子顕微鏡。CD-SEM=回路の線幅などの寸法を測るSEMで、日本語では測長SEM。EUV=極端紫外線を使う露光技術。High-NA EUV=レンズの開口数(NA)を大きくした次の世代のEUV露光。エッチング=膜を回路の形に削る工程。ECR=電子サイクロトロン共鳴。

シェアについては、日立ハイテクの飯泉孝氏がMONOistの取材(2025年1月20日掲載)で、測長SEMの世界シェアは約70%でトップだと語っています。ただし調査会社の名前は示されておらず、会社の公式の開示資料で確かめた数字ではありません。この回で調べた範囲では、欠陥レビューSEMやエッチング装置のシェアの主張は見つかりませんでした。

同じ記事では、日立ハイテクの柱を「半導体製造装置/計測装置と医用機器/ライフサイエンス機器の2事業」と表現し、血液の分析装置の世界シェアはトップクラス(数値なし)だとしています。二本柱のうち、半導体がどれだけの割合かは、どの資料にも出てきません。

個人投資家は日立ハイテク株を買えない。日立製作所の株を通じた間接的なかかわりになる

日立ハイテクの株は上場していないので、市場で買うことはできません。上場している親会社の日立製作所(証券コード6501)の株を持てば、日立ハイテクの業績は、日立の連結決算を通じて間接的に株主の取り分に入ってきます。ただしそれは、日立グループ全体の一部としてです。

規模の目安として、2026年3月期の見通しで比べると、事業ユニットの売上収益8,100億円は、CIセクターの売上収益3兆2,600億円の約24.8%です(当ブログの計算。事業ユニットの合計とCIの合計の関係が資料で確認できないため、参考値)。CIは日立の事業の一部なので、日立全体に占める割合はこれより小さくなります。

日立製作所(参考) 値 前提
株価(2026年1月30日終値) 5,361円 Yahoo!ファイナンスなど(二次資料)
時価総額 24兆1,812億円 自己株式を除く株数(2025年12月末)
予想PER(株価収益率) 32.0倍 2026年3月期の会社予想のEPS(1株あたり利益)167.40円(2026年1月29日)
PBR(株価純資産倍率) 3.80倍 1株当たり親会社株主持分1,409.23円(2025年12月末)
予想配当利回り 算出せず 期末配当の予想が「未定」(前期の年間実績43円なら0.80%)

※当ブログの計算。日立は2024年7月1日に1株を5株に分割しており、株価と1株あたりの指標は分割後の基準。日立グループ全体の値で、日立ハイテクだけを評価した数字ではありません。

PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)は、どちらも日立グループ全体の値です。日立は2026年1月29日に、上限3,000万株・1,000億円の自己株式取得(2026年1月30日〜4月30日)も決議しました。いずれも日立の株主としての数字で、日立ハイテクの価値を切り出して示すものではありません。

銘柄選びの目線では、日立製作所の株は「半導体装置の比重が小さい大型株」

ここからは、日立ハイテクの数字を株式投資の銘柄選びにどうつなげるかです。日立ハイテクの株は買えないので、個人投資家にとっての問いは、日立製作所の株を持つと、半導体装置にどれだけかかわれるかに置き換わります。

先ほどの約24.8%は、CIセクターの中での参考値でした。そのうえ、日立ハイテクの事業ユニットの中でも、半導体と医用の売上の内訳は開示されていません。日立製作所の株にとって半導体製造装置は、一部の、そのまた一部です(当ブログの見方)。

大家業でいえば、大型の複合ビルに出資したら、その一角に半導体の装置というテナントも入っていた、という関係です。テナントの商売が好調でも、ビル全体の価値は、ほかのフロアの入り具合にも大きく左右されます。日立の株価を、半導体装置の波だけで説明することはできません(当ブログの見方)。

株価の動きは、その性格と矛盾しないように見えますが、1年の騰落率だけで性格は決められません(当ブログの見方)。日立製作所の株価は、2025年に24.5%上がり(3,937円→4,902円)、2026年1月も9.4%上がりました。上場している装置メーカー9社の2025年の中央値49.7%(当ブログの計算)と比べると、上昇率は半分ほどです。

利益の側で日立が示しているのは、日立ハイテクの事業ユニットのAdjusted EBITAが、2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)に970億円と、前年から90億円増える見通しです。ただ、これは日立全体の利益の一部で、日立の株価がこの増益をどれだけ映しているかは分かりません。株価の騰落率は暦年、見通しは決算期の数字で、期間も違います。

銘柄選びで確かめたいのは、予想PER32.0倍の前提と、半導体の波の届き方

今の株価が前提にしていることも見ておきます。日立の予想PER32.0倍を逆さにした益回りは、3.12%(当ブログの計算)。PER32.0倍は上場9社の中央値38.8倍(益回り2.58%)より低い水準ですが、それでも、利益がこの先伸びることを前提にした値段だと私は読んでいます(当ブログの見方)。

PBRは3.80倍で、9社の中央値7.17倍の約半分です。PBRをPERで割ると、予想の利益が純資産の何%にあたるか(予想EPS÷1株当たり親会社株主持分)が出て、日立は11.9%です(当ブログの計算)。PBR3.80倍は、純資産に対して年11.9%ほどの利益を上げ続ける前提の上に立っている、と読めます(当ブログの見方)。

株主への還元では、期末配当の予想が「未定」なので、予想配当利回りは出せません。前期の年間配当43円なら0.80%です。2026年1月29日に決議した自己株式取得の上限1,000億円を、時価総額24兆1,812億円で割ると約0.41%(当ブログの計算)。

日立グループのフリー・キャッシュ・フローと株主還元の実額は、この回では扱っていません。そのため、上場9社と同じ物差しのFCF利回りや株主還元利回りは示さないことにします。

景気の波への強さは、日立ハイテクの事業ユニットの数字で少しだけ確かめられます。旧構成の2024年3月期(2023年4月〜2024年3月)は、売上収益が6,742億円から6,704億円とほぼ横ばいでしたが、Adjusted EBITAは926億円から739億円へ、約20%減りました(当ブログの計算)。日立は、半導体製造装置の売上減少や開発費の増加などを理由に挙げています。

同じ2024年3月期、上場の装置メーカーの営業利益は、東京エレクトロンが26.1%減、アドバンテストが51.3%減の一方、SCREENホールディングスは23.2%増、ディスコは10.0%増でした(当ブログの計算)。物差しも範囲も違うので単純には比べられませんが、生化学免疫自動分析装置の需要は堅調だったと日立が説明する事業ユニットは、大きく減益の2社よりは振れが小さく見えます(当ブログの見方)。

日立の株主から見れば、その振れは、グループ全体の中でさらに薄まります。大家業でいえば、景気で空室が大きく動く物件を1棟持つのと、たくさんの物件の中にその1棟が入っているのとの違いです(当ブログの見方)。

日立の株主にとって、日立ハイテクにかかわる次の材料は、通期決算での事業ユニットの着地です。今期の見通しは10月と1月の2回引き上げられましたが、計算上の1〜3月期は率が約6.2%と低めです。自己株式取得の進み具合や、未定の期末配当がいくらになるかも、日立の株主にとっての材料になります。

下振れのリスクとして、この回の事実から言えるのは3つです。一つは、日立自身が挙げる、米国の関税による顧客の投資の抑制。二つ目は、半導体と医用の内訳が開示されず、半導体の波がどれだけ効くかを外から測れないこと。三つ目は、単体の注記に毎期記載される、マンションの杭工事をめぐる請求です。

銘柄選びで確かめる点 この会社の数字(時点) 当ブログの見方
半導体装置の比重 事業ユニットの売上収益8,100億円は、CIセクター3兆2,600億円の約24.8%(2026年3月期の見通し、参考値) 日立全体ではさらに小さく、半導体と医用の内訳も分からない
今の株価の前提 日立の予想PER32.0倍、益回り3.12%(2026年1月30日) 9社の中央値38.8倍より低いが、グループ全体への評価
純資産との関係 PBR3.80倍、予想EPS÷1株当たり親会社株主持分11.9%(同) この稼ぐ力が続くかが、PBRの前提になる
株主への還元 期末配当の予想は未定(前期43円なら0.80%)、自己株式取得の上限1,000億円(2026年1月29日決議) 配当の予想が決まるまでは、利回りで比べにくい
事業ユニットの見通し Adjusted EBITA 880億円→970億円(2026年1月29日までに2回引き上げ) 計算上の1〜3月期の率約6.2%を、着地で確かめたい
株価の動き 2025年+24.5%、2026年1月+9.4% 9社の2025年の中央値49.7%の半分ほど。ただし1年の騰落率だけで性格は決められない

こうして並べると、日立製作所の株は、半導体製造装置の波に集中してかかわりたいという目的とは、性格が合いにくい株です。反対に、大きなグループの一部として半導体装置も含めて持つ、という目的には近い性格です(当ブログの見方)。

配当の利回りを重視するなら、前期実績で0.80%という水準と、期末配当が未定であることをどう見るかが分かれ目になります。今の株価の水準が妥当かどうかは、グループ全体の稼ぐ力が続き、伸びていくという前提を、どう判断するかにかかっています。

用語メモ:益回り=1株あたり利益÷株価で、PERの逆数。株価に対して利益が何%にあたるかを示します。中央値=値を小さい順に並べたときの真ん中の値。FCF利回り=フリー・キャッシュ・フロー÷時価総額。株主還元利回り=配当と自己株買いの合計÷時価総額。時価総額=株価×発行済株式数(ここでは自己株式を除く)。

開示されていないことを知っておくのも、読み方の一部

ここまで見てきたように、日立ハイテクの業績は、売上収益とAdjusted EBITA、受注高までは追えます。しかし、純利益、ROE、フリー・キャッシュ・フロー、ネットキャッシュは計算できません。中国の比率も、半導体とヘルスケアの売上の内訳も分かりません。

この連載の他社の回では、中国向けの売上の比率や前受金、在庫の動きを手がかりにします。日立ハイテクの場合、その多くが「分からない」のが現実です。分からない部分を推測で埋めず、分からないと書くことも、決算書を読む誠実さだと私は考えています。

非上場の会社は「どの資料の、どの範囲の、どの物差しか」を確かめて読む

日立ハイテクは2020年に1株8,000円のTOBを経て上場廃止になり、いまの業績は日立製作所の事業ユニットの開示で読むことになります。2025年4〜12月は売上収益5,809億円、Adjusted EBITA 827億円(当ブログの計算)で、日立は1月29日に通期の見通しを8,100億円・970億円へ引き上げました。

次の決算(日立製作所の2026年3月期の通期決算)では、事業ユニットが見通しどおりに着地するか、とくに1〜3月期のAdjusted EBITAが計算上の約143億円からどう動くかを見たいところです。受注高が売上を上回る流れが続くか、日立が半導体製造装置事業をどう説明するかもポイントです。その後に出る次の決算公告では、受取配当金と契約負債の動きを確かめます。

大家業でも、管理を任せた物件の収支が、まとめの報告書の一行でしか見えなくなることがあります。そんなときは、数字の出どころと範囲を確かめ、見えない部分は見えないと認める。日立ハイテクの業績を読むことは、その練習にぴったりだと思います。

上場している9社を1社ずつ取り上げる回、10社を比べる回もあわせてどうぞ。

 

※本記事は公表資料をもとにした情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。業績や株価に関する記述は当ブログの見方や試算で、将来の業績や株価を予想・保証するものではありません。

※数値は各社の決算短信・決算説明資料などの公表資料をもとに当ブログが集計・計算したもので、四捨五入の関係で合計が合わない場合があります。数値は2026年1月31日までに公表されたもので、時点は本文・表に記載しています。税制は2026年1月31日時点の法令にもとづき、令和8年度税制改正大綱の内容は今後の法改正で決まります。

出典・参考

  • 株式会社日立ハイテクノロジーズ株式(証券コード8036)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ(日立製作所、2020年1月31日)https://www2.jpx.co.jp/disc/65010/140120200131454411.pdf
  • 株式会社日立ハイテク株式に対する公開買付けの結果に関するお知らせ(日立製作所、2020年4月7日)https://www2.jpx.co.jp/disc/65010/140120200406490410.pdf
  • 上場廃止等の決定:(株)日立ハイテク(日本取引所グループ、2020年4月16日)https://www.jpx.co.jp/news/1021/20200416-12.html
  • 四半期報告書 第152期第1四半期(2020年4〜6月)(日立製作所、2020年8月31日)https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100JMR4.pdf
  • 第103期(2022年3月期)決算公告(日立ハイテク、2022年。公告日の記載なし)https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/media/hht_2022_tcm26-163199.pdf
  • 第104期(2023年3月期)決算公告(日立ハイテク、2023年。公告日の記載なし)https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/media/hht_accounts_104_tcm26-216680.pdf
  • 第105期(2024年3月期)決算公告(日立ハイテク、2024年。公告日の記載なし)https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/media/hht_accounts_105_tcm26-237145.pdf
  • 第106期(2025年3月期)決算公告(日立ハイテク、2025年。公告日の記載なし)https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/media/hht_accounts_106_tcm26-258697.pdf
  • 2020年3月期 連結決算の概要[2019年度](日立製作所、2020年5月29日)https://www2.jpx.co.jp/disc/65010/140120200526425041.pdf
  • 2022年3月期 連結決算の概要[2021年度](日立製作所、2022年4月28日)https://www2.jpx.co.jp/disc/65010/140120220428531263.pdf
  • 2023年3月期 連結決算の概要(日立製作所、2023年4月27日)https://www.hitachi.com/content/dam/hitachi/global/ja_jp/press/articles/2023/04/0427/2022_Anpre.pdf
  • 2024年3月期 連結決算の概要(日立製作所、2024年4月26日)https://www.hitachi.com/content/dam/hitachi/global/ja_jp/press/articles/2024/04/0426/2023_Anpre.pdf
  • 2025年3月期 連結決算の概要(日立製作所、2025年4月28日)https://www.hitachi.com/content/dam/hitachi/global/ja_jp/press/articles/2025/04/0428/2024_Anpre.pdf
  • 2026年3月期 第1四半期 連結決算の概要(日立製作所、2025年7月31日)https://www.hitachi.com/content/dam/hitachi/global/ja_jp/press/articles/2025/07/0731/2025_1Qpre.pdf
  • 2026年3月期 第2四半期 連結決算の概要(日立製作所、2025年10月30日)https://www.hitachi.com/content/dam/hitachi/global/ja_jp/press/articles/2025/10/1030/2025_2Qpre.pdf
  • 2026年3月期 第3四半期 連結決算の概要(日立製作所、2026年1月29日)https://www.hitachi.com/content/dam/hitachi/global/ja_jp/press/articles/2026/01/0129/2025_3Qpre.pdf
  • 2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(日立製作所、2026年1月29日)https://www.hitachi.com/content/dam/hitachi/global/ja_jp/press/articles/2026/01/0129/2025_3Q.pdf
  • 有価証券報告書 第155期(2024年3月期)(日立製作所、2024年6月21日)https://www.hitachi.com/content/dam/hitachi/global/ja_jp/ir/media/library/stock/hit_sr_fy2023_4_ja.pdf
  • 有価証券報告書 第100期(2019年3月期)(日立ハイテクノロジーズ、2019年6月21日)https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100G4MU.pdf
  • 日立ハイテクのオーケストレーションが「One Hitachi」の原動力に(MONOist、2025年1月20日)https://monoist.itmedia.co.jp/mn/spv/2501/20/news069_3.html
  • 「極端紫外線露光世代の半導体測長SEMの開発と高精度化」で第69回大河内記念生産賞を受賞(日立製作所・日立ハイテク、2023年3月23日)https://www.hitachi.com/ja-jp/press/articles/2023/03/0323/
  • 計測ソリューション(日立ハイテク、製品紹介ページ)https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/semiconductor-manufacturing/cd-sem/metrology-solution/
  • 検査ソリューション(日立ハイテク、製品紹介ページ)https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/semiconductor-manufacturing/cd-sem/inspection-solution/
  • エッチング装置(日立ハイテク、製品紹介ページ)https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/semiconductor-manufacturing/dry-etch-systems/
  • 沿革(日立ハイテク)https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/company/history.html
  • Yahoo!ファイナンス 日立製作所【6501】株価時系列(2026年1月30日の終値)https://finance.yahoo.co.jp/quote/6501.T/history?from=20241201&to=20260131&timeFrame=m