東雲結子:先生、見てください! 週末にアイスホッケーを観に行って撮った写真です。キヤノンのカメラで連写したら、飛んでいるパックまで写っていました!

税理士石井:おお、ぶれていませんね。実はそのキヤノンには、カメラとは別の、もう一つの「光の機械」があるんです。半導体の回路をウェーハに写し取る、半導体露光装置です。

東雲結子:知ってます! 2025年は234台も売ったんですよね。カメラの会社が装置を234台……。キヤノンはもう半導体の会社ですね!

税理士石井:うーん、それは東雲さんが1枚いい写真を撮った日に、プロカメラマンの名刺を刷るようなものですね。露光装置が入っているインダストリアル・セグメントは、2025年12月期の売上の7.8%なんです。

東雲結子:えっ、1割もないんですか。じゃあ、露光装置だけの売上と利益は……?

税理士石井:それが、開示されていないんです。わかるのは、セグメント全体の数字と台数まで。しかも台数は、4年続けて期初の計画を下回りました。2025年は308台の計画に対して234台です。

東雲結子:あっ……。連写したのに、ピントが合ったのは4枚に3枚くらい、みたいな(汗)。

税理士石井:ははは、計算まで合っています。大家業でいえば、入居戸数は毎年報告されるのに、家賃と手取りは隣の棟と合算した数字しか出てこない物件のようなものです。

東雲結子:じゃあ、ナノインプリントという新しい装置は? あれは何台売れたんですか?

税理士石井:それも台数は非開示です。だから今日は、キヤノン全体の決算を手短に確かめたうえで、インダストリアルの数字、光源別の台数、そして会社の言葉を一枚ずつ現像していきましょう。

連載「日本の半導体製造装置メーカー10社の財務分析」の第9回は、キヤノン(証券コード7751)です。12月決算で、決算書は米国会計基準(US GAAP)で作られています(2027年第1四半期からIFRSに移る予定)。2026年1月29日に2025年12月期の通期決算(2025年1〜12月)と2026年12月期の予想が公表されたので、この記事はその数字で読みます。

キヤノンの半導体露光装置は、プリンティング、イメージング、メディカルと並ぶ大きなグループの中の一事業です。露光装置の数字は「インダストリアル」というセグメントに含まれ、露光装置だけの売上と利益は開示されていません。そこで、全社の決算を手短に確かめたあと、インダストリアルの数字と販売台数、会社自身の説明を組み合わせて、露光装置の姿をできるだけ正確に描いてみます。

読むときの約束事を一つ。インダストリアルの2024年の数字は、2025年の区分に合わせて組み替えた値(売上3,517億円。当初の公表は3,565億円)を使います。区分の違いをまたいで比べるところは、そのつど断ります。

後半では、決算の数字を株式投資の銘柄選びにどうつなげるかも、アナリストの目線で整理します。キヤノンの株価はグループ全体の値段なので、露光装置がその中でどれほどの重さかを確かめるところから始めます。

この記事の要点 根拠となる数字
露光装置を含むインダストリアルは全社の1割未満 2025年12月期:売上の7.8%、営業利益の13.7%
台数は4年続けて期初計画に届かなかった 2025年:計画308台に対して実績234台、2026年の計画は224台
全社はネットデットに、還元はFCFを上回った 2025年末のネットデット2,301億円、配当と自社株買いで4,477億円
銘柄選びの目線:株価は露光装置よりグループ全体を映し、還元の厚さが目立つ 予想PER11.9倍、株主還元利回り10.88%、2025年の株価−10.2%

※台数は半導体露光装置(KrF・i線)の合計。ArFとナノインプリントの台数は開示されていません。ネットデット(有利子負債−現金)、FCF(フリー・キャッシュ・フロー)、還元額は会社全体の値です。

キヤノンの半導体露光装置は、インダストリアル・セグメントの「光学機器」に入っている

キヤノンは2025年12月期、事業をプリンティング、イメージング、メディカル、インダストリアルの4つのセグメントと「その他及び全社」に分けて開示しています。半導体露光装置が入っているのはインダストリアルです。

インダストリアルの中身は、半導体露光装置とFPD露光装置からなる「光学機器」と、成膜装置やスパッタリング装置などの「産業機器」です。半導体露光装置にはi線とKrFの装置、そしてナノインプリントの装置があります。

用語メモ:露光装置=回路のパターンを光でウェーハやガラス基板に写し取る装置。i線・KrF・ArF=露光に使う光源の種類で、装置はこの光源ごとに分けて呼ばれます。FPD=フラットパネルディスプレイ(薄型の表示パネル)。US GAAP=米国会計基準。IFRS=国際会計基準。

セグメント(億円) 2024年12月期 売上 2024年12月期 営業利益 2025年12月期 売上 2025年12月期 営業利益
プリンティング 2兆5,227 2,899 2兆4,944 2,558
イメージング 9,374 1,513 1兆549 1,729
メディカル 5,688 −1,404 5,806 328
インダストリアル 3,517 689 3,611 625
その他及び全社 2,337 −912 2,371 −695
消去 −1,046 13 −1,034 9
連結 4兆5,098 2,798 4兆6,247 4,554

※2025年12月期決算短信(2026年1月29日)。売上はセグメント間取引を含みます。2024年12月期は2025年の区分に組み替えた値。

2025年12月期のインダストリアルは、売上3,611億円、営業利益625億円でした。連結に占める割合は、売上の7.8%、営業利益の13.7%にあたります(当ブログの計算)。その中の光学機器は2,564億円で、連結売上の5.5%(同)。しかもこの光学機器にはFPD露光装置も含まれるので、半導体露光装置だけの売上はさらに小さいことになります。

大家業でいえば、キヤノンという大きなビルの中で、露光装置は1フロアの一角にある専門店のような存在です。テナントの入居数(台数)は毎年発表されますが、家賃と手取りは、同じフロアの別の店(FPD露光装置や産業機器)と合算した数字しか出てきません。この記事の数字は、その合算の数字から読める範囲だと考えてください。

どんな用途向けに売れているのか。会社は2025年の半導体露光装置について、「先端パッケージで業界標準となっている後工程向け装置やメモリ向け装置を中心に234台を販売しました。」と説明しています(2026年1月29日の決算説明会資料)。AI関連の需要が、後工程(先端パッケージ)向けとメモリ向けの装置の販売を支えた、という説明です。

シェアについては、会社が台数ベースで半導体露光装置の世界の約3割、i線に限れば約7割を占めると説明していると、2025年7月31日のMONOistの記事が伝えています(二次資料による。第三者の調査の出典名は示されていません)。生産の面では、宇都宮で半導体露光装置の新工場が2025年7月に竣工しました(会社の発表による)。

キヤノン全体の5年:2025年12月期の営業利益率は9.8%、2024年はメディカルの減損で落ち込んだ

全社(億円・%) 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 3兆5,134 4兆314 4兆1,810 4兆5,098 4兆6,247
売上総利益率 46.3% 45.3% 47.1% 47.5% 46.7%
研究開発費 2,873 3,067 3,319 3,373 3,393
研究開発費比率 8.2% 7.6% 7.9% 7.5% 7.3%
営業利益 2,819 3,534 3,754 2,798 4,554
営業利益率 8.0% 8.8% 9.0% 6.2% 9.8%
当社株主に帰属する当期純利益 2,147 2,440 2,645 1,600 3,321
ROE 7.9% 8.1% 8.2% 4.8% 9.7%

※各年1〜12月、米国会計基準。比率は当ブログの計算(ROE=当期純利益÷期首と期末の株主資本の平均)。2024年12月期の営業利益には、メディカルののれん減損1,651億円を含みます。

5年で売上高は3兆5,134億円から4兆6,247億円に増えました。年平均では7.1%の伸びです(当ブログの計算)。営業利益率は8.0〜9.0%で推移したあと、2024年12月期に6.2%へ落ち込み、2025年12月期は9.8%に戻りました。

2024年12月期の落ち込みは、メディカルの「のれん」1,651億円の減損によるものです。2024年10〜12月期だけで見ると、営業損益は169億円の赤字でした。米国会計基準のキヤノンでは、この減損が営業利益の中に入っています。

そのため、2025年12月期の営業利益は前年より62.8%増えたと表示されますが、この伸びの多くは前年の減損の反動です。仮に2024年12月期の減損を足し戻すと営業利益は4,449億円で、2025年12月期の4,554億円はそこから約2.4%の増加にとどまります(当ブログの単純計算)。

用語メモ:ROE=自己資本利益率。株主の持分に対して、1年でどれだけの利益を上げたかを示します。のれんの減損=買収した事業の価値が当初の見込みより下がったとして、買収時に計上した「のれん」を減らし、損失にすること。

会社予想と実績(億円) 売上高 営業利益 当期純利益 EPS(円) 年間配当(円)
2025年12月期 期初予想(2025年1月30日) 4兆7,360 5,190 3,640 391.72 160
2025年12月期 第3四半期時点の予想(2025年10月27日) 4兆6,160 4,510 3,255 ― ―
2025年12月期 実績(2026年1月29日) 4兆6,247 4,554 3,321 367.48 160
2026年12月期 予想(2026年1月29日) 4兆7,650 4,790 3,410 394.31 160

※当期純利益は当社株主に帰属する当期純利益。EPS=1株あたり当期純利益。2025年10月27日の予想のEPS・配当は当ブログで確認していません。

2025年12月期の営業利益は、期初予想の5,190億円より約12.3%少なく着地しました(当ブログの計算)。会社は2026年12月期に、売上高4兆7,650億円、営業利益4,790億円(営業利益率10.1%)を見込んでいます。

その前提の為替は1ドル150円、1ユーロ175円です(2025年の平均は1ドル149.71円、1ユーロ169.41円)。会社の示す感応度では、為替が1円動くと、ドルなら売上が129億円・営業利益が32億円、ユーロなら売上が67億円・営業利益が34億円動きます。大家業でいえば、外貨建ての家賃を多く受け取っている物件のようなもので、為替の動きがそのまま利益に響く構造です。

研究開発費は2025年12月期で3,393億円、売上の7.3%でした。会計基準が日本基準やIFRSの会社と違うため、営業利益率などを他社と並べるときは、定義の違いに注意が必要です。

インダストリアルの利益率は2024年の19.6%から2025年は17.3%に下がった

インダストリアル(億円・%) 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期 2026年12月期(予想)
売上高 3,377 3,292 3,147 3,517 3,611 3,615
営業利益 449 580 586 689 625 638
営業利益率 13.3% 17.6% 18.6% 19.6% 17.3% 17.6%

※売上はセグメント間取引を含みます。2021年は2022年の区分に組み替えた値、2024年は2025年の区分に組み替えた値(当初の公表は売上3,565億円、営業利益は同じ689億円)。2023年以前は2025年の区分への組み替えがないため、2023年と2024年の比較には区分の違いが含まれます。利益率は当ブログの計算(2026年予想は会社資料の表記)。

インダストリアルの営業利益率は、2021年12月期の13.3%から2024年12月期の19.6%まで上がりました。ところが2025年12月期は、売上が2.7%増えた一方で営業利益が9.3%減り、利益率は17.3%に下がっています。

2025年の内訳は、光学機器が2,564億円(前年比1.2%増)、産業機器が1,047億円(同6.5%増)でした。10〜12月期だけを見ると、セグメントの売上は1,158億円(前年同期比4.3%減)、営業利益は225億円(同9.8%減)で、光学機器が828億円と11.7%減った一方、産業機器は330億円と21.5%増えています。

会社は2025年の半導体露光装置について、決算短信で、メモリやパワー半導体向けの需要が弱含む中で、AI向けの需要は高水準を維持したと説明しています。決算説明会資料では、「AI関連の旺盛な需要を背景に後工程向け半導体露光装置や先端半導体向けのスパッタリング装置が売上を伸ばし」と書いています。

利益率が下がった理由そのものについて、会社が数字で示した説明は、この記事で参照した資料には見当たりませんでした。セグメントの中の製品ごとの利益は開示されていないため、露光装置の利益率が上がったのか下がったのかも、外からは分かりません(当ブログの見方)。

インダストリアルの2025年予想(億円) 売上高 営業利益
2025年1月30日(期初、組み替え前の区分) 4,242 763
2025年7月(第2四半期時点) 3,803 683
2025年10月27日(第3四半期時点) 3,659 636
実績(2026年1月29日) 3,611 625

※期初の予想は2025年の区分変更の前の値で、実績とは厳密には比べられません。

予想は、4月(売上4,021億円・営業利益705億円、2025年の区分)、7月、10月と段階的に引き下げられていました。区分の違いがあるので厳密な比較はできませんが、期初の営業利益763億円に対して、実績は625億円でした。2026年12月期は売上3,615億円、営業利益638億円と、ほぼ横ばいの計画です。

キヤノンの半導体露光装置は2025年に234台、4年続けて期初計画に届かなかった

図は、キヤノンの半導体露光装置の販売台数を、i線(薄い色)とKrF(濃い色)に分けて、2021年から2025年の実績と、2026年の会社計画(斜線)を積み上げたものです。合計は140台、176台、187台、233台、234台と増えてきましたが、2025年は期初計画の308台(図の点線)に大きく届きませんでした。

図の下の表には、各年の期初計画と、実績との差(2022年から順に13台、8台、14台、74台の不足)、別枠のFPD露光装置の台数を載せています。左上の囲みには、露光装置がインダストリアル・セグメント(2025年の連結売上の7.8%)の一部で、露光装置だけの売上・利益は開示されていないことを書き添えました。

露光装置の販売台数(台) 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年(計画)
KrF 38 51 56 51 46 71
i線 102 125 131 182 188 153
半導体露光装置 合計 140 176 187 233 234 224
期初計画(合計) ― 189 195 247 308 ―
計画に対する実績の割合 ― 93.1% 95.9% 94.3% 76.0% ―
FPD露光装置(別枠) 67 51 25 27 33 20

※各年1〜12月。会社の決算説明会資料の値。期初計画は各年1月の決算説明会資料の年間計画、2026年の計画は2026年1月29日公表。計画に対する実績の割合は当ブログの計算。ArFは台数の表示がありません。

2022〜2024年の実績は、期初計画の93〜96%の水準でした(当ブログの計算)。ところが2025年は約76%です。2025年1月30日の計画はKrF76台・i線232台でしたが、実績はKrF46台・i線188台で、会社は4月24日に289台、10月27日に241台へと計画を下げていました。

四半期では、2025年10〜12月期の販売は73台(KrF15台・i線58台)で、2024年10〜12月期の75台(KrF17台・i線58台)と同じくらいでした。FPD露光装置は同じ期間に15台から8台に減っています。

台数で見ると、キヤノンの露光装置は2021年の140台から2025年の234台へ、約1.7倍に増えています(当ブログの計算)。増えたのは主にi線で、KrFは2023年の56台をピークに2年続けて減りました。

大家業でいえば、毎年1月に「今年は満室にします」と宣言し、4年続けて空室が残った物件です。それでも入居者の数そのものは、5年前よりずっと増えています。計画とのずれと、事業の伸び。この二つは分けて受け止めたいところです(当ブログの見方)。

2026年の計画は224台、KrFを71台に増やしi線は153台に減らす

2026年の計画は、合計で224台と2025年より10台少なくなっています。中身を見ると、KrFは46台から71台へ25台増やし、i線は188台から153台へ35台減らす計画です。FPD露光装置は33台から20台に減る見込みです。

会社はKrFについて、「旺盛なAI需要を背景にメモリ向け装置の商談が大幅に増えており」と説明し、前年を25台上回る71台の販売で売上の成長を目指すとしています。i線については、EV(電気自動車)の減速でパワー半導体向けが減る見込みだと説明しています。FPD露光装置は、パネルメーカーが米国の関税を見極めて投資を先送りしているため20台にとどまり、2027年には大きく回復すると見ています。

それでも光学機器の2026年の売上計画は2,566億円で、2025年の2,564億円とほぼ同じです。台数が減っても売上を保つ計画なので、製品の組み合わせが変わる前提と読めます。ただし、機種ごとの単価は開示されていないため、外から確かめることはできません(当ブログの見方)。

4年続けて期初計画に届かなかった実績を踏まえると、224台という計画も、四半期ごとの進み具合で確かめながら見るのが現実的だと私は考えています(当ブログの見方)。とくにKrFの71台は、2025年の46台からの大きな上積みです。

ArFの台数は開示がなく、キヤノンのナノインプリントは「量産適用に向けた評価」の段階

ArFの露光装置については、台数がどの資料にも載っていません。会社は2025年1月30日の資料で、2024年末の展示会で発表したArF露光装置(FPA-6300AS6)を2025年下期の市場投入に向けて開発中としていましたが、2026年1月31日までに発売を確かめられる会社の資料は、当ブログでは見つけられませんでした。

ナノインプリント(NIL)は、ハンコのように型を押し当てて回路のパターンを作る方式です。キヤノンは2023年10月13日に装置FPA-1200NZ2Cを発売しました。会社の発表を時系列で並べると、次のとおりです。

日付 会社の発表・説明(抜粋)
2024年9月26日 米国のTexas Institute for Electronics(TIE)にFPA-1200NZ2Cを出荷。「既存の最先端ロジック半導体製造レベルの5ナノノードにあたる最小線幅14nmのパターン形成が可能です。」
2025年1月30日 「メモリ、ロジックなど、デバイスでの量産適用を目指し、複数の半導体メーカーと、様々なパターニングを試しながら、共同で評価・検証を進めています。」
2025年3月7日 「シンプルなハンコの原理で10nm台の微細で明瞭な回路パターンを形成」。「2nmノード以降への適用に向けた開発フェーズに移行」
2025年10月27日 「次世代の半導体製造装置であるナノインプリントは、今年上期に大手半導体メーカーに出荷した装置を使い」、量産適用に向けた評価を加速
2026年1月13日 ナノインプリントを応用したウエハー平坦化技術(IAP)を「世界で初めて実用化」(自社調べ)。「2027年中にIAP技術を用いた装置の製品化を目指します」
2026年1月29日 「大手半導体メーカーに出荷した装置について顧客側でのスペック確認を終えており、量産適用に向けて評価・検証をさらに加速していきます。」

※会社のニュースリリース、決算説明会資料、2025年経営方針説明会資料による。TIEへの出荷は研究開発や試作に使われる予定と発表されています。

用語メモ:ナノインプリント(NIL)=Nanoimprint Lithography。光で写し取る代わりに、回路の型を押し当ててパターンを作る方式。ノード=半導体の世代を表す呼び方。EUV=極端紫外線を使う露光装置。

2025年3月の資料では、先端デバイスの製造での消費電力をEUVの10分の1と説明しています。一方で、線幅の表現は2024年9月の発表(最小線幅14nm)と2025年3月の資料(10nm台)で違います。同じ資料の図の出典表示にKIOXIAとMicronの名前がありますが、会社は顧客とは明示していません。

ここで押さえておきたいのは、ナノインプリントの台数と顧客名は開示されていないことです。名前が出ている出荷先はTIEだけで、2025年の大手半導体メーカーへの出荷は、相手の名前も台数も明かされていません。会社が2026年1月29日に示したのは、顧客側でスペック確認を終え、量産適用に向けた評価・検証を加速するという段階です。

キヤノンは、2026年1月15日に公表した5か年の経営計画「グローバル優良企業グループ構想 Phase VII」で、ナノインプリントを事業領域を広げる新製品の一つに挙げています。大家業でいえば、新しい棟の設計と試験入居は進んでいるものの、本契約の入居者はまだ発表されていない段階です。期待は大きくても、決算の数字に表れるのはこれからです(当ブログの見方)。

輸出規制についても触れておきます。日本の経済産業省は、2025年5月28日に施行した改正で、ナノインプリントリソグラフィ装置などを輸出管理の対象に加えました。ただ、キヤノンの決算短信や決算説明会資料、Phase VIIの資料には、輸出規制についての記述はありませんでした。

地域別の売上は、2025年12月期で国内20.8%、米州32.2%、欧州26.5%、アジア・オセアニア20.5%です(全社、当ブログの計算)。中国だけの売上は開示されておらず、アジア・オセアニアに含まれます。露光装置の地域別、受注、受注残も開示されていません。

財務の安全性:2025年末は2,301億円のネットデット、のれんは株主資本の約28%

全社(億円・%) 2021年末 2022年末 2023年末 2024年末 2025年末
総資産 4兆7,509 5兆955 5兆4,166 5兆7,662 6兆1,350
現金及び現金同等物 4,014 3,621 4,013 5,016 5,860
有利子負債 2,246 2,988 3,892 5,234 8,161
ネットキャッシュ 1,768 633 122 −218 −2,301
棚卸資産 6,506 8,083 7,969 8,418 8,404
棚卸資産回転日数 125.9日 133.9日 131.5日 129.8日 124.6日
のれん 9,539 9,726 1兆454 9,153 9,858
株主資本 2兆8,738 3兆1,131 3兆3,530 3兆3,803 3兆4,918
株主資本比率 60.5% 61.1% 61.9% 58.6% 56.9%

※各年12月31日。有利子負債=短期借入金及び1年以内返済長期債務+長期債務(リース負債は含みません)。ネットキャッシュ=現金及び現金同等物−有利子負債、棚卸資産回転日数=期末棚卸資産÷売上原価×365(いずれも当ブログの計算)。

キヤノンの株主資本比率は、2023年末の61.9%から2025年末の56.9%に下がりました。有利子負債は2023年末の3,892億円から2025年末の8,161億円へと2倍を超え、現金5,860億円を差し引くと、2025年末は2,301億円のネットデットです(当ブログの計算)。

のれんは2025年末に9,858億円で、株主資本の約28%にあたります(当ブログの計算)。2024年末の減少には、メディカルの減損が含まれています。大家業でいえば、買い取った物件の「土地と建物の評価額を超えて払った分」が、自己資金の3割近く積み上がっている状態で、収益が見込みを下回ると、2024年のように一気に損失になることがあります。

もう一つ、装置専業の会社と違うところがあります。キヤノンの決算短信の貸借対照表には、契約負債(前受金)が独立した科目として表示されていません。装置メーカーの決算でよく見る「前受金の積み上がり」を、露光装置について読むことはできない、ということです。

キャッシュフローと株主還元:2025年は配当と自社株買いで4,477億円、FCFの約2.1倍

全社(億円・%) 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
営業CF 4,510 2,626 4,512 6,068 4,759
投資CF −2,073 −1,808 −2,754 −2,973 −2,375
設備投資(固定資産購入額) 1,774 1,885 2,303 2,370 2,622
FCF 2,737 741 2,209 3,698 2,137
配当金の支払額 889 1,193 1,309 1,415 1,476
自己株式の取得(純額) 0 1,000 1,000 2,000 3,000
総還元性向 41.4% 89.9% 87.3% 213.4% 134.8%

※FCF=営業CF−固定資産購入額。総還元性向=(配当金の支払額+自己株式の取得)÷当期純利益。いずれも当ブログの計算。2021年の自己株式の取得は1億円未満です。

用語メモ:FCF=フリー・キャッシュ・フロー。本業で稼いだ現金(営業CF)から設備投資を引いた、会社が自由に使える現金の目安です。

2025年12月期のFCFは2,137億円でした。これに対して、配当金1,476億円と自己株式の取得3,000億円で、株主に4,477億円を還元しています。FCFの約2.1倍、当期純利益の134.8%です(当ブログの計算)。

その差をどうまかなったか。有利子負債は2024年末から2025年末に2,927億円増えています(当ブログの計算)。借入を増やしながら、FCFを上回る還元を続けた1年と読めます(当ブログの見方)。

会社の配当の方針は、2026年について「配当金額を下げることなく、配当性向40%を目途に」というものです。2026年12月期の年間配当予想は160円(中間80円・期末80円)で、2025年12月期と同じです。

Phase VIIでは、累進配当を基本とし、2026〜2030年の5年間で1兆円以上を株主に還元する方針を示しました。目標は2030年に売上高5兆6,000億円、営業利益率15%、ROE15%です。インダストリアルについては、売上高6,000億円(年率10%の成長)という目標も示しています。

自社株買いは、2026年1月29日に新たな枠を決めました。上限は2,000億円・5,400万株(自己株式を除く発行済株式の約6.1%)で、期間は2026年1月30日から2027年1月29日までです。キヤノンはすでに、発行済株式の34.1%を自己株式として持っています(2025年12月末)。

自社株買いは、大家業でいえば、共有で持つ物件の持分を買い戻して、残った持分の取り分を増やすようなものです。ただ、その原資の一部が借入なら、物件の借入比率は上がっていきます。還元の大きさと財務の重さは、セットで眺めたいところです(当ブログの見方)。

税理士として一つ補足します。研究開発税制では、令和6年度の改正で、令和7年4月1日以後に開始する事業年度から、国外事業所等を通じて行う事業にかかる費用を、税額控除の対象となる試験研究費の額から除くことになりました(経済産業省の資料による)。12月決算のキヤノンには、2026年1月に始まった2026年12月期から当てはまります。

税額控除は国内の法人ごとに計算し、連結の研究開発費3,393億円には海外子会社の分も含まれます。国内法人の国外事業所等(海外支店など)にかかる費用がどれだけかは開示資料からは分からないため、影響の大きさは読めません。なお、令和8年度税制改正大綱は、半導体・通信などを対象に、新しい税額控除の型を設ける方向を示していますが、2026年1月31日時点では方向性で、法律ではありません。

2026年1月30日の株価指標:キヤノンのPER11.9倍は、始まったばかりの2026年12月期の予想

キヤノン(7751) 値 前提
株価(2026年1月30日終値) 4,685円 二次資料(Yahoo!ファイナンス)。決算発表の翌日
時価総額 約4兆1,164億円 自己株式を除く株数(2025年12月末)で計算
予想PER 11.9倍 2026年12月期の会社予想EPS 394.31円(2026年1月29日)
PBR 1.18倍 1株あたり株主資本3,974.81円(2025年12月末、会社公表)
予想配当利回り 3.42% 2026年12月期の年間配当予想160円
2025年の騰落率 −10.2% 2024年12月30日5,161円→2025年12月30日4,633円

※いずれも会社全体の値で、半導体露光装置だけの評価ではありません。時価総額・PER・PBR・利回り・騰落率は当ブログの計算。自己株式を含む発行済株式数で計算した時価総額は約6兆2,487億円です。

用語メモ:PER=株価収益率(株価÷1株あたり利益)。PBR=株価純資産倍率(株価÷1株あたり純資産)。

キヤノンの予想PER11.9倍の分母は、2026年12月期の会社予想EPSです。2026年1月に始まったばかりの年度の予想なので、3月決算の会社が2026年3月期(まもなく終わる年度)の予想で計算するPERとは、年度の位置づけがずれています。この連載で10社のPERを並べるときも、この点には注意してください。

PERを大家業の利回りに置き換えると、11.9倍は利益で見た利回りが約8.4%になるということです(1÷11.9、当ブログの計算)。PBRは1.18倍で、帳簿上の純資産を少し上回る水準です。2026年1月30日の終値4,685円は、決算発表の当日(1月29日)の終値4,552円から上がっています。

ただし、これは会社全体の評価です。売上の9割以上はインダストリアル以外の事業なので、この株価指標から露光装置の価値だけを取り出すことはできません。株価は2025年に10.2%下がりましたが、その理由が露光装置にあるのか、ほかの事業にあるのかも、指標からは分かりません(当ブログの見方)。売買をすすめるものではなく、数字がどんな前提で計算されているかを示すものとして読んでください。

銘柄選びの目線では、キヤノン株は露光装置より「グループ全体と株主還元」を映す株

ここからは、決算の数字を株式投資の銘柄選びにつなげてみます。最初に確かめたいのは、キヤノンの株を買っても、露光装置はそのごく一部にすぎないという点です。株価は、プリンティングもイメージングもメディカルも含めた、グループ全体の値段だからです。

どれくらい小さいのか。2025年12月期(2025年1〜12月)のインダストリアルは、連結売上の7.8%、営業利益の13.7%でした。半導体露光装置を含む光学機器は売上の5.5%で、そこにはFPD露光装置も入っています。一方、プリンティングの営業利益2,558億円は、インダストリアルの625億円の約4倍です(当ブログの計算)。

ですからキヤノン株は、半導体の投資の波に賭ける株というより、プリンティングを中心としたグループの稼ぐ力と、為替と、株主還元の厚さを映す株と見るのが実態に近いと思います(当ブログの見方)。

株価と利益の関係も、半導体装置の会社とは様子が違います。キヤノンの株価は2025年に10.2%下がり、この連載で取り上げる上場9社の中で、下げたのはキヤノンだけでした(当ブログの計算)。その2025年12月期に、当期純利益は前年の減損の反動もあって、1,600億円から3,321億円へ2倍を超えています。

会社が2026年1月29日に示した2026年12月期(2026年1〜12月)の当期純利益の予想は3,410億円で、伸びは2.7%です(当ブログの計算)。表面の利益は倍になりましたが、期初予想の3,640億円には届かず、その年に株価は下がりました。今期の予想も小さな伸びです。株価は大きな利益成長を前提にしていない、と読めます(当ブログの見方)。

なお、2025年の株価の動きは2025年12月期と同じ1年ですが、予想の2026年12月期は始まったばかりで、2026年1月の株価の1.1%の上昇は、その最初の1か月の動きにすぎません。

株式投資の目線で見たキヤノンの株価は、小さな利益の伸びと厚い還元を映す水準

予想PER11.9倍(2026年12月期の予想で、他社とは予想の年度がずれます)は、9社の中央値38.8倍を大きく下回り、9社で最も低い値です。益回りは8.42%(9社の中央値は2.58%)で、大家業でいえば、利益で見た実質利回りが8%台の物件にあたります(当ブログの計算)。

低いPERは、それだけで得な値段を意味しません。成長がゆっくりな事業ほど、PERは低めに置かれやすいからです(当ブログの見方)。キヤノンの売上は5年で年平均7.1%の伸びで、今期の純利益の予想の伸びは2.7%。低さの理由を確かめずに飛びつく「低PERの罠」には、気をつけたいところです。

PBR1.18倍をPERで割ると、予想EPS÷BPS(1株あたり純資産)は9.9%で、2025年12月期のROE9.7%とほぼ同じです。今の株価は、ROEが10%前後で続くことを前提にした水準と読めます(当ブログの見方)。会社がPhase VIIで掲げた2030年のROE15%に近づく道筋が見えるかどうかが、この前提を動かす材料になります。

現金の面では、2025年12月期のFCF2,137億円を、2026年1月30日の時価総額4兆1,164億円(自己株式を除く)で割ったFCF利回りは5.19%です。配当と自社株買いの合計4,477億円で計算した株主還元利回りは10.88%に達し、どちらも9社で最も高い値です(9社の中央値は2.22%と1.69%、当ブログの計算)。

ただ、還元はFCFの約2.1倍で、有利子負債も1年で2,927億円増え、2025年末は2,301億円のネットデット(時価総額の5.6%)でした。大家業でいえば、その年の手取りを上回る分配を、借入も使って払った物件です。10.88%は2025年12月期の実額で計算した値で、2026年1月29日に決めた新しい自社株買いの枠は上限2,000億円です(2025年の取得は3,000億円)。

用語メモ:益回り=1株あたり利益÷株価で、PERの逆数。FCF利回り=FCF÷時価総額。株主還元利回り=(配当金の支払額+自己株式の取得額)÷時価総額で、ここでは最新の通期の実額で計算しています。低PERの罠=PERが低い理由が成長の遅さや業績の波にあるのに、低さだけで得な株と思い込むこと。

景気の波への強さを見ると、5期で営業利益が最も落ちたのは2024年12月期で、売上が7.9%増えたのに営業利益は25.5%減りました。ただ、これはメディカルののれん減損1,651億円によるもので、景気の波とは性格が違います。5期は毎年増収で、減収の年はありません。売上が14.7%増えた2022年12月期には、増えた売上5,181億円のうち約14%の715億円が営業利益の増加になりました(当ブログの計算)。

半導体の波が全社に与える影響も、薄められています。インダストリアルは営業利益の13.7%で、2025年にその営業利益が64億円減っても(減った理由は会社が数字で示していません)、連結営業利益4,554億円から見れば約1.4%分です(当ブログの計算)。キヤノンは、空室率が景気で大きく動く物件というより、業種の違うテナントが集まる大きなビルに近い株です(当ブログの見方)。

株価が動くきっかけになりそうなのは、次の決算での業績予想の進み具合と為替、自社株買いの進み方、そしてナノインプリントについての会社の言葉です。会社は2025年12月期に、営業利益の予想を期初の5,190億円から、10月27日の時点では4,510億円まで下げ、実績は4,554億円でした。予想が期中に下がった1年だったことは、2026年の予想を読むときの参考になります(当ブログの見方)。

下振れのリスクとして、記事の数字から言えるのは四つです。為替(前提は1ドル150円で、ドルが1円動くと営業利益が32億円動く)、株主資本の約28%にあたるのれん9,858億円、FCFを上回る還元による借入の増加、そして4年続けて期初計画に届かなかった露光装置の台数です。

株価の土台という意味では、最大の事業の動きも見逃せません。プリンティングの営業利益は、2025年12月期に2,899億円から2,558億円に減りました。キヤノン株を選ぶかどうかは、露光装置より、この柱の事業の行方に左右される部分が大きいはずです(当ブログの見方)。

銘柄選びで確かめる点 この会社の数字(時点) 当ブログの見方
半導体の比重 インダストリアルは連結売上の7.8%・営業利益の13.7%、光学機器は売上の5.5%(2025年12月期) 株価は露光装置よりグループ全体を映す
株価と利益の関係 2025年の株価−10.2%、2026年12月期の当期純利益予想+2.7% 大きな利益成長を前提にしていない
予想PER・益回り 11.9倍・8.42%(9社の中央値は38.8倍・2.58%、2026年1月30日) 低いPERは成長の遅さの裏返しでもある
PBRとROE PBR1.18倍・予想EPS÷BPS9.9%(2026年1月30日)、ROE9.7%(2025年12月期) ROE10%前後が続く前提の水準
還元と借入 株主還元利回り10.88%、FCF利回り5.19%(2025年12月期の実額)、ネットデット2,301億円(2025年末) 還元の一部は借入が支えている
計画の確かさ 露光装置は4年続けて期初計画に届かず、2026年の計画は224台 計画は四半期ごとの進み具合で確かめる

配当を重視する人にとって、予想配当利回り3.42%は、予想のある8社の中で最も高い水準です。会社も2026年について「配当金額を下げることなく」という方針を示しています。一方、半導体の成長をはっきり取りに行きたい人には、露光装置の比重が小さいキヤノン株は遠回りな選び方になります(当ブログの見方)。

今の株価の水準が妥当かどうかは、ROE10%前後と小さな利益の伸び、そして借入も使った厚い還元が続けられるかという前提をどう判断するかしだいです。

次の決算で確かめたい、台数の進み具合とナノインプリントの言葉

次の決算(2026年12月期の第1四半期、2026年1〜3月)から、私が確かめたい点を挙げておきます。

まず台数です。2026年の計画224台、とくにKrFの71台に対して、四半期ごとにどこまで進むか。4年続けて計画に届かなかった流れが変わるのかどうかは、KrFの台数とメモリ向けの商談についての会社の言葉に表れるはずです。

次にインダストリアルの利益率です。2026年の計画は17.6%で、2025年の17.3%からわずかな改善を見込んでいます。光学機器と産業機器の売上がそれぞれ計画どおりに進むかもあわせて見たいところです。

そしてナノインプリントです。「スペック確認を終えており、量産適用に向けて評価・検証をさらに加速」という言葉が、次にどう変わるか。量産に使われ始めたという発表や、台数の開示があるかどうかが、数字に表れる前の手がかりになります。ArFの発売の時期もあわせて確かめます。

最後に財務と会計です。2,000億円の自社株買いがどのペースで進み、ネットデットがどう動くか。そして2027年第1四半期からIFRSに移る予定なので、移行の前後で営業利益やセグメントの見え方が変わらないか、会社の説明を確かめたいと思います。

開示が限られる事業は「台数」と「会社の言葉」で読む

キヤノンの半導体露光装置は、売上が4兆6,247億円ある大きなグループの中で、7.8%のインダストリアル・セグメントの一部にすぎません。露光装置だけの売上と利益は開示されず、ArFとナノインプリントの台数も分かりません。私たちが手にできるのは、セグメントの合算の数字と、光源別の台数と、会社の言葉です。

それでも、その三つを並べると見えてくるものがあります。台数は5年で約1.7倍に増えた一方、2025年は期初計画の約76%にとどまり、インダストリアルの利益率は19.6%から17.3%に下がりました。ナノインプリントは、量産適用に向けた評価の段階です。そして全社では、FCFを上回る還元と借入の増加で、2,301億円のネットデットになっています。

大家業でも、大きなビルの一区画だけを見たいとき、管理会社の報告書の中から、その区画の入居数と、担当者のひと言を丁寧に拾っていくことがあります。キヤノンの露光装置も、台数の推移と会社の言葉の変化を、四半期ごとに一枚ずつ現像していく。それが、限られた開示の中でいちばん確かな読み方だと私は思います。

同じく大きなグループの一事業として露光装置を手がけるニコンの精機事業を取り上げる回、荏原製作所の精密・電子事業を取り上げる回、そして10社を並べて比べる回もあわせてどうぞ。個人投資家にかかる配当や売却益の税金は、10社を比べる回でまとめて取り上げます。

 

※本記事は公表資料をもとにした情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。業績や株価に関する記述は当ブログの見方や試算で、将来の業績や株価を予想・保証するものではありません。

※数値は各社の決算短信・決算説明資料などの公表資料をもとに当ブログが集計・計算したもので、四捨五入の関係で合計が合わない場合があります。数値は2026年1月31日までに公表されたもので、時点は本文・表に記載しています。税制は2026年1月31日時点の法令にもとづき、令和8年度税制改正大綱の内容は今後の法改正で決まります。

出典・参考

  • 2025年12月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(キヤノン、2026年1月29日)https://global.canon/ja/ir/results/2025/rslt2025j.pdf
  • 2025年12月期 決算説明会資料(ノート付)(キヤノン、2026年1月29日)https://global.canon/ja/ir/conference/pdf/conf2025j-note.pdf
  • 2025年第3四半期 決算説明会資料(ノート付)(キヤノン、2025年10月27日)https://global.canon/ja/ir/conference/pdf/conf2025q3j-note.pdf
  • 2025年第1四半期 決算説明会資料(ノート付)(キヤノン、2025年4月24日)https://global.canon/ja/ir/conference/pdf/conf2025q1j-note.pdf
  • 2024年12月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(キヤノン、2025年1月30日)https://global.canon/ja/ir/results/2024/rslt2024j.pdf
  • 2024年12月期 決算説明会資料(ノート付)(キヤノン、2025年1月30日)https://global.canon/ja/ir/conference/pdf/conf2024j-note.pdf
  • 2023年12月期 決算説明会資料(ノート付)(キヤノン、2024年1月30日)https://global.canon/ja/ir/conference/pdf/conf2023j-note.pdf
  • 2022年12月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(キヤノン、2023年1月30日)https://global.canon/ja/ir/results/2022/rslt2022j.pdf
  • 2022年12月期 決算説明会資料(スライド)(キヤノン、2023年1月30日)https://global.canon/ja/ir/conference/pdf/conf2022j.pdf
  • 2021年12月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(キヤノン、2022年1月27日)https://global.canon/ja/ir/results/2021/rslt2021j.pdf
  • 2021年12月期 決算説明会資料(スライド)(キヤノン、2022年1月27日)https://global.canon/ja/ir/conference/pdf/conf2021j.pdf
  • 2025年 経営方針説明会 インダストリアルグループ(キヤノン、2025年3月7日)https://global.canon/ja/ir/conference/pdf/housin2025ind-j.pdf
  • グローバル優良企業グループ構想 Phase VII(キヤノン、2026年1月15日)https://global.canon/ja/ir/conference/pdf/phase7-j.pdf
  • ナノインプリント半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」をTIE向けに出荷(キヤノン、2024年9月26日)https://global.canon/ja/news/2024/20240926.html
  • ナノインプリントリソグラフィ技術を応用したウエハー平坦化技術を世界で初めて実用化(キヤノン、2026年1月13日)https://global.canon/ja/news/2026/20260113-2.html
  • キヤノン露光装置新工場は部品搬送を徹底自動化したスマートファクトリーに(長沢正博、MONOist、2025年7月31日)https://monoist.itmedia.co.jp/mn/spv/2507/31/news052.html
  • 経済産業省「外国為替令及び輸出貿易管理令等(重要・新興品目等)の改正の概要について」(経済産業省、2025年4月)https://www.meti.go.jp/policy/anpo/law_document/seirei/20250403_gaiyo.pdf
  • 経済産業省「研究開発税制の概要と令和5・6年度の税制改正について」(令和6年4月現在)(経済産業省、2024年4月)https://www.meti.go.jp/policy/tech_promotion/tax/R6gaiyou_set.pdf
  • 株価:Yahoo!ファイナンス キヤノン(7751)時系列(2026年1月30日までの終値)https://finance.yahoo.co.jp/quote/7751.T/history?from=20260126&to=20260130