東雲結子:先生、確定申告の準備でドルを円に直す計算ばかりしていたら、電卓がほんのり温かくなってきました。ついでにマイクロンの株価も直してみます。1株414.88ドル×153.66円で……約6万3,750円!

税理士石井:ははは、電卓に冷却ファンを付けたほうがよさそうですね。それは2026年1月30日の終値と、同じ日の為替レートでの計算です。ちなみにこの株、2025年の1年で239.1%上がっています。

東雲結子:239%! 私の電卓の温度より上がり方がすごいです。それだけ上がったなら、利益もさぞかし……。

税理士石井:ええ、利益の伸びも派手です。2025年11月までの3か月の売上総利益率、つまり粗利益率は56.0%。2024年2月までの3か月は18.5%でした。しかも会社は、次の3か月を67.0%と見込んでいます。

東雲結子:じゃあPER(株価が1株利益の何年分か)も調べてみました。39.4倍と12.7倍、二つ出てきます。電卓、ついに壊れました?

税理士石井:うーん、電卓は無事です。39.4倍は過去1年の実績の利益で、12.7倍は会社予想の次の3か月を4倍した利益で割った値。利益が急に増えている途中なので、物差しによって約3倍も違うんです。

東雲結子:大家さんでいえば、空室の多かった去年1年の家賃で利回りを出すか、満室になった今月の家賃×12で出すか、みたいな違いですか?

税理士石井:そのとおりです。ただ、メモリーの値段は家賃よりずっと荒っぽく動きます。2023年8月期は粗利益率がマイナス9.1%で、売上より原価のほうが大きい年でした。

東雲結子:おっと(汗)。じゃあ配当でコツコツ……と思ったら1株で年0.46ドル、円に直すと約71円。確定申告の電卓作業のほうが、よっぽど大仕事です。

税理士石井:ふふ、それもこの株の性格です。この回は、粗利益率67%の会社予想と、借金より手元資金が多い状態(ネットキャッシュ)に戻った財務を、決算書と株価の両方から確かめていきましょう。

連載の第4回は、米国のマイクロン・テクノロジー(以下マイクロン)です。Nasdaq(米国の株式市場)に上場し、DRAM(計算用のメモリー)、NAND(保存用のメモリー)、AI向けのHBM(広帯域メモリー)を作っています。マイクロンの決算は米国会計基準(US GAAP)の連結で、決算期は8月31日に最も近い木曜日。FY2025(2025年8月期)は2024年8月30日〜2025年8月28日でした。

2026年1月31日までに公表された最新の決算は、2025年12月17日発表のFY2026第1四半期(2025年8月29日〜11月27日)です。会社はあわせて、第2四半期(2025年11月28日〜2026年2月26日、日付は当ブログの計算)の売上高を187億ドル±4億ドル、GAAP粗利益率を67.0%と見込みました。なおFY2026は53週の年で(10-Qによる)、決算期のルールから計算すると2026年9月3日に終わる9月期です。

材料は、決算発表、年次報告書(10-K)、四半期報告書(10-Q)、決算説明会の書き起こし(第三者によるもの)などです。金額は百万ドルの開示を億ドルに四捨五入し、主な数字はGAAPで、会社定義のnon-GAAP(株式報酬などを除いた会社独自の利益)は名前を付けて分けます。後半では、決算の数字を株式投資の銘柄選びにどうつなげるかも、アナリストの目線で整理します。

この記事の要点 根拠となる数字
粗利益率は2年弱で約3倍になり、会社予想はさらに上 GAAP粗利益率18.5%(FY2024第2四半期)→56.0%(FY2026第1四半期)、第2四半期の会社予想67.0%
稼ぎの中心はDRAMと、データセンター向けの新事業部 FY2025の売上高373.8億ドルのうちDRAMが76.5%、CMBUの売上高135.2億ドル
財務はネットキャッシュに戻ったが、設備投資は約200億ドルへ ネットキャッシュ−26.4億ドル(2025年8月28日)→2.6億ドル(2025年11月27日)、FY2026の設備投資計画は約180億→約200億ドル
銘柄選びの目線:同じ株価でも、PERは物差しで約3倍違う 実績PER39.4倍、会社予想×4で12.7倍、2025年の株価+239.1%

マイクロンは米国のメモリー大手、FY2025の売上高の76.5%がDRAM

マイクロンの売上高を技術別に見ると、DRAM、NAND、その他(主にNORフラッシュ)の3つです。FY2025(2025年8月期)は、DRAMが285.8億ドル、NANDが85.0億ドル、その他が3.0億ドルでした。売上高373.8億ドルの76.5%をDRAMが占めます(比率は当ブログの計算)。

会社は2025年9月23日の決算発表で、自社を「米国に本拠を置く唯一のメモリーメーカー」(会社資料の英文を当ブログが訳出)と表現しています。調査会社TrendForceによると、2025年7〜9月のDRAM売上はマイクロンが106.5億ドル、シェアは25.7%。SKハイニックス(33.2%)、サムスン電子(32.6%)に次ぐ規模でした。

顧客は、かなり集中しています。10-Kによると、FY2025は1社で売上高の17%(主にCMBU向けで、社名は非開示)を占め、上位10社で売上高の約半分でした。FY2026第1四半期も1社で17%です。CEO(最高経営責任者)は2025年9月23日の決算説明会で、FY2025のデータセンター向けの事業が売上高の56%に達したと述べています(第三者の書き起こしによる)。

2025年12月3日には、消費者向けのCrucialブランドの事業から撤退すると発表しました(消費者向けの出荷は2026年2月まで)。発表文は「データセンターでのAIによる成長が、メモリーとストレージの需要の急増につながった」(会社資料の英文を当ブログが訳出)と述べています。

用語メモ:DRAM=計算中のデータを一時的に置くメモリー。NAND(NANDフラッシュ)=電源を切ってもデータが残るメモリーで、SSD(半導体を使った記憶装置)やスマホの保存領域に使う。HBM(広帯域メモリー)=DRAMを何段も積み重ねて高速にしたメモリーで、AI向けのGPU(画像処理半導体)と組み合わせて使う。NORフラッシュ=小容量で読み出しの速いフラッシュメモリー。US GAAP=米国の会計基準。

2025年に事業部を組み替え、データセンター向けのCMBUが約3.6倍に

2025年4月17日、マイクロンは事業部(BU)を市場別に組み替えると発表しました。新区分での開示はFY2025第4四半期(2025年5月30日に始まる四半期)からで、FY2023〜FY2025は新区分に組み替えた数字が10-Kに載っています。旧4事業部(CNBU・MBU・EBU・SBU)の数字とは、区分が違うので比べられません。

新しい4事業部は次のとおりです。CMBU(クラウドメモリー)は大手クラウド事業者向けのメモリーと、すべてのデータセンター顧客向けのHBM。CDBU(コアデータセンター)はサーバーメーカー向けのデータセンター用メモリーと、データセンター向けのストレージ。MCBUはスマホ・パソコン向け、AEBUは自動車・産業機器・消費者向け機器などの組込み用途です。

億ドル FY2023 FY2024 FY2025 FY2026第1四半期
CMBU 売上高 18.7 37.9 135.2 52.8
CMBU 営業利益 −7.7 2.4 61.3 —
CDBU 売上高 21.2 49.8 72.3 23.8
CDBU 営業利益 −5.6 2.6 21.8 —
MCBU 売上高 73.9 116.7 118.6 42.6
MCBU 営業利益 −31.9 −0.0 19.8 —
AEBU 売上高 41.4 46.3 47.5 17.2
AEBU 営業利益 6.8 4.3 5.6 —

※US GAAP。FY2023〜FY2025は10-Kの組み替え後の値。事業部の営業利益は、株式報酬など全社に配分しない費用を含まないため、合計は全社の営業利益と一致しない。FY2024のMCBUは100万ドルの営業赤字。FY2026第1四半期の事業部別の営業利益率は、会社の公表でCMBU55%、CDBU37%、MCBU47%、AEBU36%。

伸びを引っ張ったのはCMBUです。売上高は37.9億ドルから135.2億ドルへ約3.6倍になり、FY2025の営業利益率は45.3%でした(当ブログの計算)。全社の売上高はFY2025に122.7億ドル増えましたが、そのうち97.3億ドル、約8割がCMBUの増加です(当ブログの計算)。

FY2026第1四半期の事業部別の粗利益率は、会社の公表でCMBU66%、CDBU51%、MCBU54%、AEBU45%。大家業でいえば、物件ごとの収支を見ると、大口の法人契約の棟がいちばん稼いでいる形です。一方、スマホ・パソコン向けのMCBUは、FY2025の売上高が前期とほぼ同じでした。

マイクロンの決算を5年で見ると、粗利益率は45.2%からマイナス9.1%まで振れた

億ドル(%) FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
売上高 277.1 307.6 155.4 251.1 373.8
うちDRAM 200.4 223.9 109.8 176.0 285.8
うちNAND 70.1 78.1 42.1 72.3 85.0
粗利益率(%) 37.6 45.2 −9.1 22.4 39.8
研究開発費 26.6 31.2 31.1 34.3 38.0
研究開発費比率(%) 9.6 10.1 20.0 13.7 10.2
営業利益 62.8 97.0 −57.5 13.0 97.7
営業利益率(%) 22.7 31.5 −37.0 5.2 26.1
純利益 58.6 86.9 −58.3 7.8 85.4
希薄化EPS(ドル) 5.14 7.75 −5.34 0.70 7.59
ROE(%) — 18.5 −12.4 1.7 17.2

※US GAAP・連結。FY2021は2021年9月期(2020年9月4日〜2021年9月2日)、FY2022は2022年9月期(2021年9月3日〜2022年9月1日)、FY2023は2023年8月期(2022年9月2日〜2023年8月31日)、FY2024は2024年8月期(2023年9月1日〜2024年8月29日)、FY2025は2025年8月期(2024年8月30日〜2025年8月28日)で、いずれも52週。比率は当ブログの計算。ROEは純利益÷期首・期末平均の資本で、FY2021は前の期末の資本がないため算出せず。

5年の中で目を引くのは、FY2023(2023年8月期)です。売上高は前期比49.5%減の155.4億ドルで、粗利益率はマイナス9.1%、営業利益は57.5億ドルの赤字でした。売上高の減少額152.2億ドルに対し、営業利益は154.5億ドル減っています(当ブログの計算)。売上が減った分より、利益の減り方のほうが大きかったわけです。

そこから2年で、FY2025の売上高は373.8億ドルと5期で最も大きくなり、営業利益率は26.1%、純利益は85.4億ドルに戻りました。純利益は前期の7.8億ドルの約11倍です(当ブログの計算)。メモリーの決算は、家賃相場の波がそのまま手取りに響く物件に似ています。相場が半分になる年もあれば、2年で満室賃料に戻る年もあるのです(当ブログの見方)。

研究開発費は、売上高が半分になったFY2023も31.1億ドルと前期並みを保ち、売上高に対する比率は20.0%まで上がりました。FY2025は38.0億ドルで、比率は10.2%です。家賃が下がった年でも、建物の修繕計画は止めにくい。下り坂でも削りにくい費用が、利益の振れを大きくしていると私は見ています(当ブログの見方)。

用語メモ:粗利益率(売上総利益率)=(売上高−売上原価)÷売上高。EPS=1株あたり純利益で、希薄化EPSは将来増えうる株式も含めて計算した値。ROE(自己資本利益率)=純利益÷自己資本。

四半期で見ると、粗利益率は18.5%から56.0%へ一段ずつ上がった

四半期 売上高(億ドル) 粗利益率(%) 営業利益(億ドル) 営業利益率(%) 純利益(億ドル) 希薄化EPS(ドル)
FY2024第2四半期(2023年12月〜2024年2月) 58.2 18.5 1.9 3.3 7.9 0.71
FY2024第3四半期(2024年3〜5月) 68.1 26.9 7.2 10.6 3.3 0.30
FY2024第4四半期(2024年6〜8月) 77.5 35.3 15.2 19.6 8.9 0.79
FY2025第1四半期(2024年9〜11月) 87.1 38.4 21.7 25.0 18.7 1.67
FY2025第2四半期(2024年12月〜2025年2月) 80.5 36.8 17.7 22.0 15.8 1.41
FY2025第3四半期(2025年3〜5月) 93.0 37.7 21.7 23.3 18.9 1.68
FY2025第4四半期(2025年6〜8月) 113.2 44.7 36.5 32.3 32.0 2.83
FY2026第1四半期(2025年9〜11月) 136.4 56.0 61.4 45.0 52.4 4.60

※US GAAP・連結。四半期は木曜日締めの13週で、月は目安(例:FY2026第1四半期は2025年8月29日〜11月27日)。比率は当ブログの計算。FY2024第2四半期は法人税等が6.22億ドルのプラス(税効果による利益)だったため、純利益が営業利益を上回る。

図の上段は、FY2024第2四半期からFY2026第1四半期までの売上高の棒です。58.2億ドルから136.4億ドルまで伸び、右端の斜線の棒が、第2四半期の会社予想187億ドル±4億ドル(2026年1月31日時点の最新)です。

下段はGAAP粗利益率の折れ線で、18.5%から56.0%へ上がり、破線の先の白抜きの点が会社予想の67.0%(±1.0ポイント)です。8四半期のうち、売上高と粗利益率がそろって前の四半期を下回ったのは、FY2025第2四半期の一度だけでした。

FY2026第1四半期は、売上高が前年同期比56.7%増の136.4億ドル、営業利益は61.4億ドルで、前年同期の約2.8倍(182.2%増)です(当ブログの計算)。純利益は52.4億ドル、希薄化EPSは4.60ドル。会社定義のnon-GAAPでは、粗利益率56.8%、EPS4.78ドルでした。

中身を分けると、DRAMが108.1億ドル(売上高の79.2%)、NANDが27.4億ドルです。CFO(最高財務責任者)は2025年12月17日の決算説明会で、DRAMの売上は前四半期比20%増、価格は約20%上がり、出荷したビット(容量)は「わずかに増加」だったと説明しています(第三者の書き起こしによる)。数量より値段で稼いだ四半期と読めます(当ブログの見方)。

NANDも前四半期比22%増で、CFOはビットが1桁台半ばから後半の増加、価格は10%台半ばの上昇と説明しました。大家業でいえば、部屋数はほとんど増えていないのに、更新のたびに家賃が上がっている状態。手取りが急に膨らむのは、この形です。

用語メモ:non-GAAP=株式報酬などを除いて会社が独自に計算した利益。会社ごとに定義が違うため、本稿の主な数字はGAAPで示す。ビット=メモリーの容量の単位で、出荷量の目安に使われる。

会社予想は売上高187億ドル、粗利益率67.0%。過去3四半期は上限を上回った

対象四半期(公表日) 売上高の会社予想 GAAP粗利益率の会社予想 GAAP EPSの会社予想 売上高の実績 GAAP EPSの実績
FY2025第3四半期(2025年3月20日) 88億±2億ドル 35.5%±1.0 1.37±0.10ドル 93.0億ドル 1.68ドル
FY2025第4四半期(2025年6月25日) 107億±3億ドル 41.0%±1.0 2.29±0.15ドル 113.2億ドル 2.83ドル
FY2026第1四半期(2025年9月23日) 125億±3億ドル 50.5%±1.0 3.56±0.15ドル 136.4億ドル 4.60ドル
FY2026第2四半期(2025年12月17日) 187億±4億ドル 67.0%±1.0 8.19±0.20ドル 次の決算で公表 —

※粗利益率の±はポイント。FY2026第2四半期は2025年11月28日〜2026年2月26日(13週の四半期として当ブログが計算した日付)。会社定義のnon-GAAPでは、第2四半期の粗利益率68.0%±1.0、EPS8.42±0.20ドル。2026年1月31日時点で、これが最新の会社予想。

過去3四半期は、売上高もGAAP EPSも、会社予想の幅の上限を上回って着地しました。たとえばFY2026第1四半期は、予想の上限128億ドルに対して実績136.4億ドル、EPSは上限3.71ドルに対して4.60ドルです(上限は当ブログの計算)。

第2四半期の予想187億ドルは、第1四半期の実績より37.1%多く、粗利益率は56.0%から11.0ポイント上がる計算です(当ブログの計算)。GAAPの営業費用の予想15.6億ドル±0.2億ドルと中央値どうしで単純に計算すると、営業利益率は約58.7%になります(当ブログの計算で、会社の予想値ではありません)。

会社の見方は強気です。CEOは2025年12月17日の決算説明会で、「業界全体の供給は、予見できる将来にわたって需要を大きく下回り続けると考えている」「こうした状況は2026年(暦年)を越えて続くと見ている」と述べました(第三者の書き起こしを当ブログが訳出)。

ただし、会社予想は実績ではなく、過去3回の上振れも次の四半期を約束するものではないと私は考えます(当ブログの見方)。第2四半期の実績は次の決算で公表されるもので、この記事には含まれていません。

マイクロンのHBMは、2026年分の価格と数量の合意を終えたと会社は説明

HBMの売上高は独立した数字として開示されておらず、手がかりは会社の発言です。時系列に並べると、伸び方が見えてきます。

時点 会社の説明(要旨) 資料
2025年3月20日 FY2025第2四半期のHBMの売上高が10億ドルを超えた 決算発表の見出し
2025年6月25日 FY2025第3四半期のHBMの売上高は、前四半期比で50%近く増えた 決算発表
2025年9月23日 FY2025第4四半期のHBMの売上高は20億ドル近く、年換算で80億ドル近い。HBMの顧客は6社 決算説明会(第三者の書き起こし)
2025年10月 HBM3E 12段がFY2025第4四半期のHBM出荷の過半。HBM4は2026年(暦年)の量産に向け予定どおり 10-K
2025年12月17日 2026年(暦年)のHBMの供給すべてについて、価格と数量の合意を終えた。HBM4は2026年4〜6月に高い歩留まりで立ち上げる計画 決算説明会(第三者の書き起こし)

※HBM3E・HBM4はHBMの世代の名前で、数字が大きいほど新しい。12段はDRAMを12枚積み重ねたもの。FY2026第1四半期のHBMの売上高について、会社は「過去最高」と述べるにとどまり、金額は示していません(第三者の書き起こしを当ブログが訳出)。

2025年12月17日の説明会でCEOは、「当社は2026年(暦年)のHBMの供給すべてについて、価格と数量の合意を終えた」と述べています(第三者の書き起こしを当ブログが訳出)。会社はHBMの市場規模(TAM)について、2025年の約350億ドルから2028年に約1,000億ドルへ、年率約40%で伸びると予想し、以前の見方より2年早い到達だとしました(第三者の書き起こしによる)。

シェアについては、調査会社Counterpointの数字として、2025年7〜9月のHBMシェアはSKハイニックス57%、サムスン電子22%、マイクロン21%と報じられています(二次資料による)。会社自身は2025年9月23日の説明会で、HBMのシェアが2025年7〜9月にDRAM全体のシェア並みになる見込みだと説明していました(第三者の書き起こしによる)。

大家業でいえば、HBMは長期の法人契約で埋まった部屋です。2026年分の家賃と部屋数が決まっているのは安心材料ですが、次の契約更新、つまり2027年分の条件はまだ見えていません。HBM4の立ち上げが計画どおり進むかも、次の更新の条件に響くと私は見ています(当ブログの見方)。

ネットキャッシュは2025年11月27日に約2.6億ドルのプラスへ戻った

億ドル(%) FY2021末 FY2022末 FY2023末 FY2024末 FY2025末 2025年11月27日
現金と市場性投資 104.0 109.8 104.4 91.5 119.4 120.2
有利子負債 67.8 69.1 133.3 134.0 145.8 117.6
ネットキャッシュ 36.2 40.7 −28.9 −42.5 −26.4 2.6
棚卸資産 44.9 66.6 83.9 88.8 83.6 82.1
在庫日数(日) 95 144 181 166 136 —
自己資本比率(%) 74.7 75.3 68.7 65.0 65.4 68.4

※US GAAP・連結。ネットキャッシュ=現金同等物+短期・長期の市場性投資−有利子負債(ファイナンスリース債務を含む)で、当ブログの計算。2025年11月27日の有利子負債117.6億ドルのうち、ファイナンスリース債務は29.1億ドル。在庫日数=期末の棚卸資産÷売上原価×365(当ブログの計算)。

FY2022末に40.7億ドルあったネットキャッシュは、FY2023末にマイナス28.9億ドルへ転じました。有利子負債が69.1億ドルから133.3億ドルへ、ほぼ倍に増えたためです。その後もFY2025末まで、借入のほうが手元資金より多い状態が続きました。

それが2025年11月27日には、約2.6億ドルのプラスに戻りました(2.59億ドル、当ブログの計算)。3か月で29.0億ドル改善した計算です。10-Qによると、この四半期の借入の返済は29.43億ドルで、2025年10月の期限前返済を含みます。期限前返済に伴う損失1.30億ドルは、営業外の費用に計上されています。

CFOも決算説明会で「2.5億ドルを超えるネットキャッシュ」と述べています(第三者の書き起こしを当ブログが訳出)。大家業でいえば、ローン残高を繰り上げ返済して、預金がローン残高をわずかに上回ったところです。厚い余裕というより、ようやく水面の上に出た段階と私は見ています(当ブログの見方)。

在庫は、大家業でいえば入居を待つ空室です。在庫日数はFY2023末の181日、つまり売上原価の約半年分から、FY2025末には136日まで下がりました。2025年11月27日の棚卸資産は82.1億ドルで、3か月前より少し減り、四半期の売上原価で見た在庫日数は約125日です(当ブログの計算)。

設備投資は約200億ドルへ、補助金の扱いでFCFの見え方が変わる

億ドル(%) FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025 FY2026第1四半期
営業CF 124.7 151.8 15.6 85.1 175.3 84.1
設備投資(有形固定資産の取得) 100.3 120.7 76.8 83.9 158.6 53.9
FCF(営業CF−設備投資) 24.4 31.1 −61.2 1.2 16.7 30.2
政府の補助金の受取 5.0 1.2 7.1 3.2 20.1 8.8
減価償却費 62.1 71.2 77.6 77.8 83.5 22.1
設備投資÷売上高(%) 36.2 39.2 49.4 33.4 42.4 39.5

※US GAAP・連結。FCFと比率は当ブログの計算で、この連載の全社で同じ定義。補助金の受取は米国以外を含む。会社定義の調整後FCF(non-GAAP)は、補助金などを差し引いた純設備投資を使い、FY2025は37.2億ドル、FY2026第1四半期は39.1億ドル。

FY2025の設備投資は158.6億ドルで、営業CF175.3億ドルの約9割を使いました(当ブログの計算)。FCFは16.7億ドル、売上高に対して4.5%です。会社は補助金などを差し引いた純設備投資を138.0億ドルとし、それで計算した調整後FCFは37.2億ドルでした。どちらの数字かで、見え方が倍以上違います。

FY2026の設備投資について、会社は2025年9月23日の説明会で約180億ドル、12月17日の説明会で約200億ドルに引き上げると述べ、下期に多く使うとしています(いずれも第三者の書き起こしによる。10-Kに金額の記載はありません)。第1四半期の純設備投資は、会社の公表で45.1億ドルでした。

CFOは2025年9月23日の説明会で、設備投資は原則として補助金などを差し引いた純額で話すと述べており(第三者の書き起こしによる)、約200億ドルはFY2025の純設備投資138.0億ドルと比べる数字と読めます(当ブログの見方)。

工場の計画もCEOが説明会で語っています。アイダホ州の新工場ID1は最初のウエハーの生産が2027年(暦年)半ば、2棟目のID2は2028年末の稼働、ニューヨーク州の1棟目は2026年初めの着工で供給は2030年以降です。広島のクリーンルーム増設(経済産業省の支援)も挙げています(第三者の書き起こしによる)。

米国のCHIPS法(半導体の国内生産を支援する法律)では、2024年12月9日にアイダホで最大15億ドル、ニューヨークで最大46億ドル、人材育成で最大6,500万ドルの直接補助の契約を結びました。2025年6月12日の開示では、バージニア州の工場を加えて総額最大64.4億ドルです。支払いは、建設や装置の搬入などの節目を達成するごとに行われます。

大家業でいえば、設備投資は新築・建替え、CHIPS法は条件付きの建替え補助金です。補助金で実質の負担は軽くなりますが、建物ができる前にお金は先に出ていきます。減価償却費もFY2025に83.5億ドルあり、値段が下がる年にもこの費用は残ります(当ブログの見方)。

用語メモ:capex(設備投資)=工場や製造装置への投資。営業CF=本業で稼いだ現金。FCF(フリー・キャッシュ・フロー)=営業CFから設備投資を引いた、会社が自由に使えるお金の目安。減価償却費=建物や装置の取得費を、使う年数に分けて費用にしたもの。

株主還元は年0.46ドルの配当と小さめの自社株買い、CHIPS法の条件付き

配当は四半期0.115ドル、年0.46ドルで、FY2023から同じ水準です。直近は2025年12月17日に決め、基準日は12月29日、支払日は2026年1月14日でした。FY2025の配当の支払額は5.2億ドルで、純利益85.4億ドルに対してわずか6.1%です(当ブログの計算)。

自社株買いは、FY2021に12.0億ドル、FY2022に24.3億ドルありましたが、FY2023は4.3億ドル、FY2024は3.0億ドル、FY2025はゼロでした。FY2026第1四半期は3.0億ドル(130万株)を買っています。2018年5月に承認した100億ドルの枠は、残りが約25.1億ドルです(使用額から当ブログが計算)。

CHIPS法の補助の契約には、還元への条件が付いています。8-Kによると、特別配当・一時的な配当は5年間制限され、通常の配当は認められます。自社株買いは最初の2年間は、株式報酬による希薄化を打ち消す範囲など契約で定めた額まで認められ、残りの3年間は、一定の財務などの条件を満たせば制限されません。配当性向の目安など、会社が掲げる還元方針の文言は、この回で参照した資料では確認できませんでした。

大家業でいえば、家賃収入の大半を新築に回し、出資者への分配は少なめに保っている形です。還元より再投資を優先する会社と読めます(当ブログの見方)。

中国本土に本社のある顧客はFY2025で7.1%、サーバー向けからの撤退は報道ベース

億ドル(%) FY2023 FY2024 FY2025
米国 78.1 131.7 241.1
台湾 27.0 47.1 56.7
中国本土(香港を除く) 21.8 30.5 26.4
香港 3.4 10.7 11.4
中国本土の比率(%) 14.0 12.1 7.1

※10-Kの顧客の本社所在地による売上高。比率は当ブログの計算。10-Kは、FY2025の売上高の約80%が米国外の顧客の拠点に出荷されたとしており、出荷先で見た地域とは異なる。

顧客の本社所在地で見ると、FY2025は米国が241.1億ドルで、売上高の64.5%を占めます(当ブログの計算)。中国本土は26.4億ドルで7.1%、香港を含めると37.8億ドルで10.1%です。FY2024の中国本土は30.5億ドル(12.1%)でした。

関係するのは、2023年5月21日の中国国家インターネット情報弁公室の判断です(10-Kは、中国などでの競争に悪影響があったとしています)。マイクロンの製品に安全上のリスクがあるとして、重要情報インフラの事業者による購入を禁じたもので、10-Kもこれらの事業者は購入できないと記しています。当時、会社は世界の売上高の「10%台前半」が影響を受けるおそれがあると説明したと報じられました(二次資料の英文を当ブログが訳出)。

2025年10月17日には、ロイターが関係者の話として、マイクロンが中国のデータセンター向けのサーバー用チップの供給から撤退すると報じました。報道によれば、海外に大きなデータセンターを持つ中国企業2社や、中国の車載・スマホの顧客への販売は続けるとされます。マイクロンは、事業が禁止の影響を受けてきたとコメントしましたが、会社自身の撤退の発表は、この回で参照した資料にはありません。

2026年1月30日の株価で見ると、実績PER39.4倍、会社予想×4では12.7倍

指標 値 前提
株価(終値) 414.88ドル 2026年1月30日、Nasdaq(二次資料:FinancialContent)
時価総額 4,669.5億ドル(約71.8兆円) 発行済株式数1,125,509,261株(2025年12月10日)。円は2026年1月30日の為替レート153.66円で当ブログが換算
実績PER 39.4倍 直近4四半期(2024年11月29日〜2025年11月27日)のGAAP希薄化EPSの合計10.52ドル
直近四半期×4のPER 22.5倍 FY2026第1四半期のEPS4.60ドル×4(参考値)
会社予想×4のPER 12.7倍 FY2026第2四半期のGAAP EPSの会社予想の中央値8.19ドル×4(2025年12月17日公表)
PBR 7.94倍 1株あたり純資産52.25ドル(2025年11月27日の資本÷2025年12月10日の株数)
配当利回り 0.11% 年0.46ドル
2025年の騰落率 +239.1% 2024年12月31日84.16ドル→2025年12月31日285.41ドル
2026年1月の騰落率 +45.4% 2025年12月31日→2026年1月30日

※当ブログの計算。株価は二次資料の終値。PERの倍率はいずれも予想ではない。会社定義のnon-GAAPでは、実績PER36.8倍、会社予想×4で12.3倍。

同じ株価なのに、PERは12.7倍から39.4倍まで開きます。実績PERの分母10.52ドルは、1.41ドル、1.68ドル、2.83ドル、4.60ドルの4四半期の合計です。会社予想の8.19ドルは、1四半期だけでその約78%にあたり、4倍すると32.76ドル、実績の約3.1倍になります(当ブログの計算)。

利益が急に増えている局面では、実績PERには利益の小さかった過去の四半期が混ざり、高く出ます。会社予想×4は、次の四半期の会社予想の利益が1年続くと仮定するので、低く出ます。逆に、値段が下がり始める局面では、×4の利益が実際より大きすぎる心配が出てきます。どちらも予想ではなく、前提を変えた物差しです(当ブログの見方)。

1株414.88ドルは、2026年1月30日の為替レートで約6万3,750円です(当ブログの換算)。円で持つ投資家にとっては、ドル建ての株価に加えて為替も損益を動かします。円に直したときの損益の扱いは、海外メモリー株を比べて税金を取り上げる回で整理します。

用語メモ:PER(株価収益率)=株価÷1株あたり利益。PBR(株価純資産倍率)=株価÷1株あたり純資産(BPS)。

株式投資の目線では、マイクロンの株価はDRAMの値段の波とHBMの伸びに賭けている

ここからは、決算の数字を株式投資の銘柄選びにつなげます。売上高の76.5%がDRAMで、伸びの約8割をデータセンター向けのCMBUが生んだ会社です。私はこの株を、DRAMの値段の波とHBMの伸びの両方に賭ける株だと見ています(当ブログの見方)。メモリーの相場が、ほぼそのまま利益に表れる株です。

株価と利益の向きは、そろっています。株価は2025年に239.1%、2026年1月に45.4%上がりました。FY2025(2024年8月〜2025年8月)の純利益は前期の約11倍、直近4四半期の純利益は119.1億ドルです。ただし騰落率は暦年、利益は8月に終わる年度で、期間がずれます。

この連載で比べる上場7社と並べると、2025年の騰落率は中央値274.4%(サンディスクは上場初日から)を下回り、2026年1月も中央値55.6%を下回りました(当ブログの計算)。メモリー株が全体に大きく上がった中では、マイクロンの上がり方は7社の真ん中より控えめです。

株価の前提を倍率で見ると、実績PER39.4倍は、実績PERを計算できる4社の中央値31.9倍を上回り、益回り(PERの逆数)は2.54%で、中央値3.33%を下回ります。一方、会社予想×4の12.7倍は、同じく四半期の会社予想があるサンディスクの11.1倍(non-GAAPベース)と近い水準です。基準が違うので、並べ方には注意が要ります。

PBR7.94倍は、7社の中央値5.94倍を上回ります。PBRをPERで割ると実績EPS÷BPS(1株あたり純資産)になり、マイクロンは20.1%です。FY2025のROE17.2%に近い値で、高いPBRは、この水準の資本の効率が続くことを前提にしています(当ブログの見方)。

会社予想×4のEPS32.76ドルで同じ計算をすると、62.7%になります(当ブログの計算)。67%の粗利益率が1年続くなら資本の効率は実績よりはるかに高くなり、続かなければ20%前後の実績が物差しに戻ります。PBR7.94倍の読み方は、値段の波をどう見るかで変わると私は考えます(当ブログの見方)。

お金の面では、FY2025のFCF利回りは0.36%で7社の中央値0.47%を下回り、配当と自社株買いを合わせた株主還元利回りは0.11%でした。配当利回り0.11%は、配当のデータがある6社の中央値0.06%を上回りますが、水準としては小さな数字です。稼いだお金の多くは、設備投資に回っています。

用語メモ:益回り=1÷実績PER。EPS÷BPS=PBR÷PERと同じで、利益で見た資本の効率の目安。FCF利回り=最新通期のFCF÷時価総額。株主還元利回り=最新通期の配当金の支払額と自社株買いの合計÷時価総額。中央値=値を小さい順に並べたときの真ん中の値。

銘柄選びでは、営業利益率の振れ幅68.5ポイントと次の会社予想を確かめたい

景気の波への強さを見ると、年次の営業利益率はFY2022の31.5%からFY2023のマイナス37.0%まで、68.5ポイント振れました。7社の中央値は37.0ポイントで、その倍近い振れ幅です。FY2023は、売上高の減少額152.2億ドルを上回る154.5億ドル、営業利益が減った年でした(当ブログの計算)。

株価が動くきっかけは、まず四半期ごとの会社予想です。次の決算では、第2四半期の実績が売上高187億ドル、GAAP粗利益率67.0%、GAAP EPS8.19ドルの会社予想にどう着地するか、そして第3四半期の予想がどこに置かれるかが、株価の前提を確かめる材料になります(当ブログの見方)。

値段の面では、契約価格の動きです。調査会社TrendForceは2026年1月5日、2026年1〜3月の通常のDRAMの契約価格を前期比55〜60%上昇、NANDを33〜38%上昇と予測しました。ほかに、HBM4の立ち上げ、2027年分のHBMの交渉、約200億ドルの設備投資の増減、CHIPS法の節目、中国の動きも前提を動かします。

下振れのリスクは四つあると考えます。一つ目は値段の波そのもので、FY2023には粗利益率がマイナス9.1%まで落ちました。二つ目は設備投資です。約200億ドルの計画は、値段が下がっても工事の途中では止めにくく、減価償却費も残ると私は見ています(当ブログの見方)。

三つ目は顧客の集中で、1社で売上高の17%を占めます。四つ目は中国で、2023年の購入禁止に加え、サーバー向けからの撤退が報じられました。PERが会社予想×4で12.7倍に見えても、値段が下がれば分母が縮むことは、知っておきたい点です(当ブログの見方)。

銘柄選びで確かめる点 この会社の数字(時点) 当ブログの見方
株価と利益の向き 2025年の株価+239.1%、2026年1月+45.4%/FY2025の純利益は前期の約11倍 利益の急回復と株価の上昇がそろう。暦年と年度のずれに注意
利益に対する株価の水準 実績PER39.4倍・益回り2.54%(4社の中央値31.9倍・3.33%)、会社予想×4で12.7倍(2026年1月30日) 物差しで約3倍違う。高い利益が続くかで意味が変わる
PBRとROE PBR7.94倍(7社の中央値5.94倍)、実績EPS÷BPS20.1%、FY2025のROE17.2% 高いPBRは、高い資本の効率が続くことが前提
株主に戻すお金 配当利回り0.11%、FCF利回り0.36%、株主還元利回り0.11%(FY2025の実額) 還元より設備投資に回すお金が大きい
景気の波への強さ 年次の営業利益率31.5%→−37.0%(振れ幅68.5ポイント、7社の中央値37.0ポイント) 大きな赤字の年もある、振れの大きい株
先行きの見え方 FY2026第2四半期の会社予想 売上高187億ドル±4億ドル、GAAP EPS8.19ドル±0.20(2025年12月17日) 四半期ごとの会社予想が物差しになる

この株の性格が合うかどうかは、投資の目的で分かれます。配当で手取りを積み上げたい人には、配当利回り0.11%という数字がまず物差しになります。この株の値動きを左右しているのは、配当よりメモリーの値段と利益の振れです(当ブログの見方)。

利益と株価の大きな振れを受け入れ、四半期ごとの会社予想を追い続けられるかが、この株を選ぶかどうかの分かれ目になると思います。今の株価の水準をどう見るかは、67%の粗利益率がどれだけ続くと考えるかで変わります。

日本の個人が持つ方法も確かめておきます。マイクロンはNasdaq上場の米国株で、SBI証券や楽天証券など主要なネット証券が米国株を扱っています。両社とも米国株の手数料は約定代金の0.495%(税込、上限22ドル。SBI証券は2025年2月14日現在、楽天証券は日付の記載のないページ)です。銘柄ごとの取扱いは、各社の一覧で確かめてください。

外国株の配当にかかる税金や外国税額控除、NISAでの扱いは、海外メモリー株を比べる回でまとめて取り上げます。

マイクロンの決算は、粗利益率67%の「続き方」を四半期ごとに確かめる

マイクロンの決算は、2年弱で粗利益率が18.5%から56.0%へ上がり、会社は次の四半期を67.0%と見込みました。財務も2025年11月27日にネットキャッシュへ戻っています。一方で、FY2023(2023年8月期)には、粗利益率がマイナス9.1%まで落ちた会社でもあります。

次の決算で確かめたいのは、まず第2四半期の実績が会社予想に届いたか、そして第3四半期の予想です。あわせて、HBM4の立ち上げ、約200億ドルの設備投資の増減、ネットキャッシュがプラスを保つかを見ておきたいところです。

在庫日数が再び延びていないか、1社で17%を占める顧客との取引、中国についての会社の説明も、数字の裏側を読む材料になります。

大家業を長く続けていると、家賃が上がった年ほど、次の下がり目に備えておきたくなります。メモリーの会社も同じで、いちばん利益が出ている四半期にこそ、その条件がどれだけ続くかを確かめる意味があると私は思います。SKハイニックスやサムスン電子を取り上げる回、7社を比べる回もあわせてどうぞ。

 

※本記事は公表資料をもとにした情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。業績や株価に関する記述は当ブログの見方や試算で、将来の業績や株価を予想・保証するものではありません。

※数値は各社の決算資料・年次報告書・米国証券取引委員会(SEC)への提出書類などの公表資料をもとに当ブログが集計・計算したもので、四捨五入の関係で合計が合わない場合があります。数値は2026年1月31日までに公表されたもので、時点は本文・表に記載しています。円換算は2026年1月30日の為替レートによる参考値です。税制は2026年1月31日時点の法令にもとづき、令和8年度税制改正大綱の内容は今後の法改正で決まります。

出典・参考

  • Micron Technology, Inc. Reports Results for the First Quarter of Fiscal 2026(Form 8-K Exhibit 99.1)(Micron Technology、2025年12月17日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000072312525000044/a2026q1ex991-pressrelease.htm
  • Micron Technology, Inc. Reports Results for the Fourth Quarter and Full Year of Fiscal 2025(Form 8-K Exhibit 99.1)(Micron Technology、2025年9月23日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000072312525000024/a2025q4ex991-pressrelease.htm
  • Micron Technology, Inc. Reports Results for the Third Quarter of Fiscal 2025(Form 8-K Exhibit 99.1)(Micron Technology、2025年6月25日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000072312525000019/a2025q3ex991-pressrelease.htm
  • Micron Technology, Inc. Reports Results for the Second Quarter of Fiscal 2025(Form 8-K Exhibit 99.1)(Micron Technology、2025年3月20日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000072312525000006/a2025q2ex991-pressrelease.htm
  • Form 10-K(fiscal year ended August 28, 2025)(Micron Technology、2025年10月)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000072312525000028/mu-20250828.htm
  • Form 10-K(fiscal year ended August 29, 2024)(Micron Technology、2024年10月)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000072312524000027/mu-20240829.htm
  • Form 10-K(fiscal year ended September 1, 2022)(Micron Technology、2022年10月)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000072312522000048/mu-20220901.htm
  • Form 10-Q(quarter ended November 27, 2025)(Micron Technology、2025年12月)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000072312525000046/mu-20251127.htm
  • MU Q1 2026 Earnings Call Transcript(platformaeronaut.com、第三者による書き起こし、2025年12月17日)https://transcripts.platformaeronaut.com/transcripts/MU-1Q26-transcript
  • Micron Technology (MU) Q4 2025 Earnings Results & Call Transcript(MarketBeat、第三者による書き起こし、2025年9月23日)https://www.marketbeat.com/earnings/reports/2025-9-23-micron-technology-inc-stock
  • Form 8-K: CHIPS Act direct funding agreements(Micron Technology、2024年12月10日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000110465924127174/tm2430615d1_8k.htm
  • Form 8-K: amended CHIPS direct funding agreements(Micron Technology、2025年6月12日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000110465925058741/tm2517778d1_8k.htm
  • Micron Announces Exit from Crucial Consumer Business(Micron Technology、2025年12月3日)https://micron.gcs-web.com/node/49841
  • Micron Technology, Inc. Announces Market Segment-Based Reorganization to Enhance AI-Driven Growth Opportunities(Micron Technologyの発表をQuiver Quantitativeがcomで紹介、2025年4月17日)https://www.nasdaq.com/articles/micron-technology-inc-announces-market-segment-based-reorganization-enhance-ai-driven
  • Micron to exit server chips business in China after ban(Reuters配信、New Straits Times掲載、2025年10月17日)https://www.nst.com.my/amp/business/corporate/2025/10/1296911/micron-exit-server-chips-business-china-after-ban
  • China bars US chipmaker Micron from key infrastructure projects(TechNode、2023年5月22日)https://technode.com/2023/05/22/china-bars-us-chipmaker-micron-from-key-infrastructure-projects/
  • Micron rolls with China blow as it rides memory storm(eeNews Europe、2023年7月4日)https://www.eenewseurope.com/en/micron-rolls-with-china-blow-as-it-rides-memory-storm
  • Global DRAM Revenue Jumps 30.9% in 3Q25, Micron’s Market Share Climbs by 3.7 Percentage Points(TrendForce、2025年11月26日)https://www.trendforce.com/presscenter/news/20251126-12802.html
  • Memory Makers Prioritize Server Applications, Driving Across-the-Board Price Increases in 1Q26(TrendForce、2026年1月5日)https://www.trendforce.com/presscenter/news/20260105-12860.html
  • SK Hynix’ Lead Shrinks In DRAM, HBM(Mark LaPedus、Counterpoint Researchの数字を引用、2025年12月24日)https://marklapedus.substack.com/p/sk-hynix-lead-shrinks-in-dram-hbm
  • 外国為替相場 2026年1月30日(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年1月30日)https://www.murc-kawasesouba.jp/fx/past/index.php?id=260130
  • 株価:FinancialContent MU historical prices(2025年12月31日・2026年1月30日の終値)https://www.financialcontent.com/quote/NQ:MU/historical
  • 株価:Yahoo Finance MU historical prices(2024年12月31日の終値)https://finance.yahoo.com/quote/MU/history/?period1=1735430400&period2=1735948800
  • 外国株式 手数料(SBI証券、2025年2月14日現在)https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/home/pop690_price_int.html
  • 外国株式(楽天証券、ページに日付の記載なし)https://www.rakuten-sec.co.jp/web/foreign/