東雲結子:先生、名案を思いつきました! ビットコインがずいぶん値上がりしたので、年内に全部ほかのコインへ乗り換えます。円に戻さなければ利益は確定しないので、税金はゼロ。電卓も賛成してくれています!

税理士石井:うーん、その電卓、国税庁のFAQまでは読んでいないみたいですね。FAQでは、暗号資産同士の交換は「暗号資産Aで暗号資産Bを購入した」ものとして扱われます。乗り換えたその時点で、ビットコインの値上がり益に税金がかかるんです。

東雲結子:えっ、円を一度も見ていないのに……? お財布のお札は、一枚も増えていないんですけど。

税理士石井:ええ。たとえば1BTCあたり500万円で買ったビットコイン0.4BTCを、600万円分の別のコインに替えたら、所得は400万円です。しかも原則は雑所得の総合課税なので、家賃の所得に上乗せされて税率が決まります。

東雲結子:おっと(汗)。じゃあ、値下がりしたコインもついでに売って、その損を家賃の黒字から引いておきます。損して得取れ、です!

税理士石井:それがですね、そこが二つ目の落とし穴なんです。雑所得の損失は、不動産所得とも給与とも損益通算できませんし、翌年に繰り越すこともできません。

東雲結子:損して、得も取れない……。ことわざが一つ、私の辞書から消えました。

税理士石井:ははは。物件の売買に置きかえると分かりやすいですよ。アパートを売って、その代金ですぐ別の物件を買っても、原則として最初のアパートの売却益は売った年の所得になりますよね。コインの乗り換えは、それを一瞬でやっているようなものです。

東雲結子:なるほど、乗り換えは「売って買う」の早送りなんですね。でも、ニュースで「暗号資産は20%の分離課税に」って見ましたよ?

税理士石井:それは令和8年度税制改正大綱に入った改正案で、まだ決まったルールではありません。2025年分の申告は今のルールで行います。いつ課税されるのか、どう計算するのか、損失はどう扱うのか、そして改正案の中身まで、順に確かめていきましょう。

「円に戻していなければ、暗号資産の利益に税金はかからないんですよね?」

年末が近づくと、こんな声を耳にすることがあります。答えは「いいえ」です。暗号資産の税金は、円で売ったときだけでなく、別の暗号資産に交換したときや、商品の支払いに使ったときにもかかります。そして2025年分の所得は、原則として雑所得として、家賃(不動産所得)や給与と合算する総合課税です。

大家さんの中にも、余裕資金の一部を暗号資産に回している方がいらっしゃると思います。ただ、家賃の黒字がある方ほど、暗号資産の利益は高い税率の部分に積み上がります。一方で、損失が出ても家賃の黒字とは相殺できません。株式とも不動産とも違う、この「片道だけの扱い」を、まずは正確に知っておいてほしいと思います。

この記事では、国税庁のFAQ(よくある質問)をもとに、暗号資産の税金を2025年分の確定申告に沿って整理します。後半では、令和8年度税制改正大綱に盛り込まれた「申告分離課税」の改正案についても、案であることをはっきりさせたうえで触れます。

※この記事は2025年12月時点の法令と国税庁の公表資料、2025年12月19日に自由民主党・日本維新の会が公表した「令和8年度税制改正大綱」にもとづいています。大綱は改正案で、法律の成立はこれからです。

暗号資産の税金(2025年分)は、原則として雑所得の総合課税

最初に、2025年分の暗号資産の税金の全体像を表にまとめます。

ポイント 2025年分の取扱い
所得が生じるとき 円での売却、ほかの暗号資産との交換、商品・サービスの支払い、マイニング・ステーキング・レンディングなどによる取得
所得の区分 原則として雑所得。その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合は、帳簿書類の保存があれば原則として事業所得
税金の計算 総合課税。不動産所得や給与所得と合算し、所得税5〜45%(+復興特別所得税)、住民税10%
取得価額 総平均法か移動平均法。届出がなければ総平均法
損失 雑所得の損失は、ほかの所得と損益通算できず、翌年に繰り越すこともできない
確定申告の期限 2026年3月16日(月)
改正案 令和8年度税制改正大綱:一定の暗号資産の所得を20%の申告分離課税にし、損失の3年繰越控除を設ける案

国税庁のFAQは、暗号資産取引で生じた損益を「邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益」と位置づけ、原則として雑所得(その他雑所得)に区分しています(所得税法35条、所得税基本通達35-2)。

表の6行目までが「今のルール」、最後の行が「これから決まるかもしれないルール」です。2025年分の申告は、上の行だけで考えてください。

用語メモ:総合課税とは、不動産所得・給与所得・雑所得などを合計し、その合計額に累進税率(所得が多いほど高い税率)をかけて税金を計算する方法です。上場株式の譲渡益のように、ほかの所得と分けて一定の税率で課税する方法は「分離課税」といいます。

ひとつ補足しておきます。FAQは、その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合、帳簿書類の保存があれば原則として事業所得、保存がなければ原則として雑所得(業務に係る雑所得)に区分するとしています。ここでいう収入金額は、利益ではなく売却などで受け取った金額の側です。事業所得になると損失の扱いも変わってきますから、取引の規模が大きい方は、ご自分がどちらに当たるのかを個別に確認してください。

「円に戻していないから非課税」は誤り。交換や買い物でも所得が生じる

国税庁のFAQは、持っている暗号資産で商品を買うと「保有する暗号資産を譲渡したことになります」とし、暗号資産同士の交換は「暗号資産Aで暗号資産Bを購入したことになります」としています。どちらも、その時点で手放した暗号資産の値上がり益が所得になります。

FAQの例で確かめてみます。4BTCを400万円で買っていた人が、そのうち0.3BTCを使って、その時の価額で40万3,000円の商品を買った場合、所得は次のとおりです。

403,000円 −(4,000,000円÷4BTC)×0.3BTC = 103,000円

同じ人が、1BTCを1XRPあたり3万円のリップル40XRPと交換した場合は、こうなります。

(30,000円×40XRP)−(4,000,000円÷4BTC)×1BTC = 200,000円

用語メモ:BTCはビットコイン、XRPはリップルという暗号資産の数量の単位です。

つまり、「円に換えたかどうか」ではなく、「持っていた暗号資産を手放したかどうか」で判断するわけです。冒頭の東雲さんのように、値上がりしたビットコインを年内にほかのコインへ乗り換えると、乗り換えた年の所得になります。

円で売る、ほかのコインと交換する、支払いに使う。この三つは、税金の上では同じ「手放した」の仲間です。そのうえで、マイニング・ステーキング・レンディング(暗号資産の貸付け)などで暗号資産を受け取った場合も、受け取った時点の時価が所得になります(必要な費用は必要経費)。

この流れを、フローチャートにまとめました。上から順に、円で売ったか、ほかの暗号資産と交換したか商品・サービスの支払いに使ったか、マイニング・ステーキング・レンディングなどで受け取ったかの三つを確かめ、どれかに「はい」なら右のオレンジの枠のとおり所得が生じます。三つとも「いいえ」、つまり円で買った・持ち続けているだけなら、緑の枠のとおり、その年の課税はありません。いちばん下の枠には、所得が原則として雑所得の総合課税になることと、損失を不動産所得や給与所得と通算できないことを添えています。

裏を返せば、どれだけ値上がりしていても、個人が持ち続けている間は課税されません。課税のタイミングは、手放した日(原則として、売却等をした暗号資産の引渡しがあった日。選択により契約をした日)の属する年分です。12月31日に交換すれば2025年分、1月1日なら2026年分。年末の取引は、この境目を意識しておきたいところです。

暗号資産の所得は、家賃の所得に上乗せされて税率が決まる

総合課税の怖さは、数字にするとよく分かります。

大家さんのAさんの2025年分を考えます。不動産所得は700万円、所得控除の合計は100万円で、課税所得金額は600万円です(所得控除は、暗号資産の所得が加わっても変わらないものとします)。Aさんは以前に2BTCを1BTCあたり500万円(計1,000万円)で買っていて、2025年にそのうち0.4BTCを、その時点の価額600万円分の別の暗号資産と交換しました。

暗号資産の所得は、600万円 −(1,000万円÷2BTC)×0.4BTC = 400万円です。課税所得金額は600万円から1,000万円に増えます。

項目 暗号資産の所得がない場合 400万円の所得が加わった場合 増える税額
課税所得金額 600万円 1,000万円 -
所得税 600万円×20%−427,500円=772,500円 1,000万円×33%−1,536,000円=1,764,000円 991,500円
所得税+復興特別所得税 788,700円 1,801,000円 1,012,300円
住民税(所得割10%の概算) - - 400,000円

※復興特別所得税は所得税額の2.1%(100円未満切捨て)。住民税は調整控除などを考慮しない概算です。

400万円の暗号資産の所得に対して、増える税金はおよそ141万2,300円。400万円の約35%です。家賃の所得が600万円の課税所得をつくっているので、暗号資産の400万円は、所得税率20%・23%・33%の部分に順に積み上がってしまうのです。

所得税の最高税率は45%で、復興特別所得税(45%×2.1%=0.945%)と住民税10%を合わせると、最大で55.945%になります。家賃の黒字が大きい大家さんほど、暗号資産の利益は最も重い税率の帯に乗りやすい。上場株式の譲渡益なら原則20.315%の申告分離課税で済むところとの違いは、正直に言って大きいと私は感じています。

なお、不動産所得などで確定申告をする大家さんは、暗号資産の所得も、金額にかかわらず同じ申告書に含めます。会社員の「給与以外の所得が20万円以下なら確定申告は不要」という基準は、確定申告をしなくてよいかどうかの基準です。会社員の大家さんの確定申告と住民税の申告は、別の記事で詳しく扱います。

取得価額は総平均法か移動平均法。届出をしなければ総平均法

所得は「手放した時の価額−取得価額」ですから、同じ暗号資産を何回かに分けて買った方は、手放した分の取得価額をどう計算するかが問題になります。所得税では、方法は二つです(所得税法48条の2、所得税法施行令119条の2)。

総平均法は、年初に持っていた分の評価額と、その年に買った分の取得価額の合計を、総数量で割って「年末時点での1単位当たりの取得価額」とする方法です。移動平均法は、買うたびに、その時点で持っている分の簿価の合計を数量で割って平均単価を出し直す方法です。

数字で比べてみます。2025年中に、1BTCを1,000万円で買い、次に1BTCを1,300万円で買い、そのあと1BTCを1,500万円で売り、最後に1BTCを1,600万円で買ったとします(年初の保有なし、手数料なし)。

項目 総平均法 移動平均法
売った1BTCの取得価額 (1,000万円+1,300万円+1,600万円)÷3BTC=1,300万円 売る時点の平均(1,000万円+1,300万円)÷2BTC=1,150万円
2025年分の所得 1,500万円−1,300万円=200万円 1,500万円−1,150万円=350万円
年末に残る2BTCの取得価額 2,600万円 2,750万円

同じ取引でも、2025年分の所得は150万円違います。ただし、移動平均法のほうが年末に残る2BTCの取得価額も150万円高いので、その分は将来手放したときの所得が小さくなります。最終的にすべて手放せば所得の合計は同じで、変わるのは「どの年の所得になるか」です。累進税率の総合課税では、この違いがそのまま税額の違いにつながることもあります。

どちらの方法を使うかは、届出で決まります。初めて暗号資産を取得した年分の確定申告期限(原則として翌年3月15日)までに、納税地の所轄税務署長へ「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を出し、届出がなければ総平均法です。2025年に初めて買った方なら、期限は2026年3月16日になります。

計算の材料になるのが、国内の暗号資産交換業者から届く「年間取引報告書」です。年中の購入・売却の数量と金額、年末の数量、支払手数料などが記載されていて、国税庁の「暗号資産の計算書(総平均法用)」に入力すれば所得金額を計算できます。取引履歴が残っておらず取得価額がどうしても分からない場合について、FAQは、売却した暗号資産の取得価額を売却価額の5%相当額とすることを認めています(所得税基本通達48の2-4)。500万円で売ったなら、取得価額は25万円です。とはいえ、これは所得が大きく出やすい計算です。記録を残しておくことに勝る対策はありません。

暗号資産の損失は、家賃とも給与とも損益通算できない

ここが、大家さんにとっていちばん注意したいところです。

FAQは、「雑所得の金額の計算上生じた損失については、給与所得など他の所得から差し引く(通算する)ことはできません」としています。所得税法で、ほかの所得と通算できる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失に限られるからです(所得税法69条)。

つまり、暗号資産で損をしても、その損失を家賃の黒字から差し引くことはできません。通算できない損失は、翌年以後に繰り越すこともできません。同じ年の雑所得の中であれば、あるコインの利益と別のコインの損失を差し引くことはできますが、雑所得の枠の外には出られないのです。

逆向きは、どうでしょうか。不動産所得の赤字は、一定の制限はありますが雑所得の黒字と通算できます。不動産所得の赤字と通算の制限については、当ブログの「不動産所得の赤字100万円、給与と通算できるのは70万円だけ? 「土地の借入金利子」の制限を会社員大家さんの数値例で計算しました(2025年分)」(2025年12月16日)もご覧ください。

利益には総合課税の高い税率、損失は通算も繰越しもできない。暗号資産の税金を「片道切符」のように感じるのは、この組合せのせいです。株式なら、年末に含み損のある銘柄を売って利益と通算する「損出し」が検討されますが(当ブログの「株で300万円利益、別の株で100万円損。年末の「損出し」で税金はいくら変わる?」(2025年11月2日))、暗号資産で同じことができるのは、同じ年の雑所得の中だけです。

もうひとつ、暗号資産の証拠金取引(レバレッジをかけた取引)にも注意が必要です。FAQは、暗号資産の証拠金取引には、FXなどに使われる申告分離課税(先物取引に係る雑所得等の課税の特例)の適用はなく、総合課税になるとしています(租税特別措置法41条の14)。FXやCFDの税金は、別の記事で詳しく扱います。

法人で持つ暗号資産は、期末に時価で評価される

個人は持ち続けている間は課税されませんが、法人は違います。FAQは、法人が事業年度終了の時に持っている暗号資産のうち、活発な市場が存在するもの(一定のものを除く)などは、時価法により評価した金額を期末の評価額とする必要があるとしています(法人税法61条)。資産管理法人で持てば、含み益にも課税される場面がある、ということです。

個人と法人のどちらで持つかの考え方は、当ブログの「仮想通貨は法人でやるべきか?個人でやるべきか?」(2025年7月25日)もご覧ください。

令和8年度税制改正大綱で、暗号資産の20%申告分離課税が改正案に

ここからは、2025年12月19日に公表された令和8年度税制改正大綱の内容です。繰り返しになりますが、大綱は来年の国会に出す法案の方針で、すべて改正案です。

大綱は基本的考え方の中で、「国民の資産形成に資する暗号資産に限って、その現物取引、デリバティブ取引及びETFから生ずる所得を分離課税の対象とする」とし、「3年間の繰越控除制度を創設する」としています(ETFは上場投資信託のこと)。その前提として、投資家保護のための説明義務をはじめとする法整備等への対応を挙げています。

項目 改正案のポイント
対象 特定暗号資産(金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産等)の、暗号資産取引業(仮称)を行う者に対する譲渡等による所得
税率 他の所得と分離して20%(所得税15%、個人住民税5%)。復興特別所得税などを含めると20.315%
損失 一定の要件の下で、翌年以後3年内の特定暗号資産に係る所得から繰越控除
適用時期 金融商品取引法の改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後に行う譲渡等

※表の細目は、大綱の個人所得課税の項目を解説した税理士法人の資料(出典欄)で確認した内容です。

ポイントは三つあります。

一つめは、すべての暗号資産が対象ではないことです。対象は、特定暗号資産を暗号資産取引業(仮称)を行う者に譲渡した場合などに限られ、それ以外の暗号資産や取引は引き続き総合課税になると読めます。

二つめは、適用時期が、金融商品取引法の改正法の施行日によって決まることです。改正法がまだ成立していない以上、いつから適用されるかは現時点では決まっていません。少なくとも2025年分の確定申告は、この記事の前半で見た今のルールで行います。

三つめは、損失の繰越控除が、いまの「通算も繰越しもできない」という扱いを大きく変える可能性があることです。

試しに、先ほどのAさんの400万円が改正案の20.315%で課税されたとすると、税額は400万円×15.315%=612,600円と、400万円×5%=200,000円の合計812,600円です。総合課税の約141万2,300円との差は599,700円になります。ただ、これはあくまで「改正案が適用される取引だったら」という仮の計算で、2025年分には当てはまりません。

税率の差を見ると、適用されるまで売るのを待ちたくなる方もいるかもしれません。けれど、適用開始日は決まっておらず、その間の価格の動きも誰にも分かりません。税金だけで売り買いの時期を決めるのは、当ブログとしてはおすすめしません。大綱のほかの項目は、当ブログの「令和8年度税制改正大綱、大家さんに関係するのはここ。基礎控除62万円、青色申告特別控除75万円、買って5年以内の賃貸物件の評価見直し(いずれも改正案)」(2025年12月17日)で整理しています。

年内に確かめておきたいのは、交換の履歴と取得価額の計算方法

まずは、2025年中に暗号資産を「手放した」取引がないかを確認してください。円での売却だけでなく、ほかのコインとの交換、商品やサービスの支払い、ステーキングなどで受け取った分も含めます。交換を何度も繰り返している方ほど、思っている以上に所得が出ていることがあります。

次に、取得価額の計算方法です。届出を出していなければ総平均法になります。初めて暗号資産を取得したのが2025年なら、移動平均法を選ぶかどうかを、2026年3月16日の期限までに決めておきましょう。国内の交換業者の年間取引報告書は大切に保管し、海外の交換業者や個人間の取引がある方は、取引履歴を今のうちに保存しておいてください。

そして、不動産所得と合わせた2025年分の所得の見込みを出してみることです。暗号資産の利益がどの税率の帯に乗るのかが分かれば、納税資金の準備もしやすくなります。損失が出ている方は、それが家賃の黒字と相殺できないことを前提に、資金計画を立てておきましょう。

暗号資産の税金は「手放した時」に決まる。改正案を待つ前に2025年分の記録を整える

2025年分の暗号資産の税金は、円での売却だけでなく、ほかの暗号資産との交換や商品の購入でも生じます。所得は原則として雑所得で、家賃や給与と合算する総合課税。損失は不動産所得とも給与とも損益通算できず、翌年にも繰り越せません。取得価額は総平均法か移動平均法で計算し、届出がなければ総平均法です。

令和8年度税制改正大綱には、一定の暗号資産を20%の申告分離課税にし、損失の3年繰越控除を設ける改正案が盛り込まれました。ただし、適用時期は金融商品取引法の改正法の施行日によって決まり、まだ決まっていません。

物件の売買と同じで、暗号資産も「いつ手放したか」で、どの年の税金になるかが決まります。大家業を長く続けていると、記録をきちんと残している人ほど、制度が変わったときに落ち着いて動けるものだと感じます。改正案の行方を見守りつつ、まずは2025年分の取引履歴と計算方法を整えておいてください。

当事務所では、暗号資産の所得計算を含めた大家さんの確定申告をお手伝いしています。お気軽にご相談ください。

 

※本記事は公表資料をもとにした情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買や特定の投資商品への投資を勧めるものではありません。税務の取扱いは個別の事情によって変わるため、実行の前に税理士などの専門家にご確認ください。

出典・参考

  • 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」(令和6年12月20日、令和6年12月1日現在の法令・通達等による)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0025012-067.pdf
  • 国税庁 タックスアンサー2260「所得税の税率」、No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(タックスアンサーはいずれも2025年12月時点の内容を参照)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
  • 所得税法第35条・第48条の2・第69条・第120条・第121条、所得税法施行令第119条の2、所得税基本通達35-2・48の2-4、租税特別措置法第41条の14、法人税法第61条、国税通則法第10条
  • 自由民主党・日本維新の会「令和8年度税制改正大綱」(2025年12月19日)https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/212129_1.pdf
  • 自由民主党「『強い経済』への決断と実行 令和8年度与党税制改正大綱を決定」(2025年12月19日)https://www.jimin.jp/news/policy/212129.html
  • PwC税理士法人「2026年度税制改正大綱 金融・不動産関連の主な改正点」(Financial Services Tax News、2025年12月)https://www.pwc.com/jp/ja/taxnews-financial-services/assets/fs-20251222-jp.pdf