東雲結子:石井先生、友だちが春から転勤なんです。それで名案を思いつきました。今のおうちを人に貸せば、家賃が入って、住宅ローン控除もそのまま続く。家計の二刀流です!
税理士石井:うーん、その二刀流、片方の刀が鞘から抜けないかもしれません。住宅ローン控除は、その年の12月31日まで引き続き住んでいることが条件なんです。家族みんなで引っ越して人に貸したら、その年の分から控除は受けられません。
東雲結子:えっ、ローンの返済は転勤先までどこまでもついてくるのに、控除のほうは駅のホームで手を振って見送るだけですか?
税理士石井:ははは、見送りに来てくれるだけ優しいですね。ただ、ご家族が残って単身赴任なら、控除は続けられます。家族全員で引っ越す場合も、転勤が理由なら、戻って住んだときに再適用を受ける道があるんです。
東雲結子:よかった! じゃあ戻ってきたら、離れていた年の分も後ろに足して、延長戦で取り返せますね。
税理士石井:それがですね……。控除期間は延長されないんです。2022年に入居して控除期間が13年の家なら、2034年分で終わり。離れていた年の分は、戻ってきても取り返せません。
東雲結子:延長戦なし……。ハーフタイムで休んでいる間も、試合の時計だけはしっかり進んでいたんですね。
税理士石井:ええ。しかも、戻って住んだ年に貸していた期間があると、その年は使えず、翌年分からになります。賃貸でいえば、契約がいつ終わるかで、控除が1年まるごと動いてしまうわけです。
東雲結子:じゃあ友だちには、貸す前に「いつ返してもらうか」まで決めておくように伝えないといけませんね。
税理士石井:そういうことです。住宅ローン控除の行方に加えて、貸している間の家賃と減価償却、それに売るなら「住まなくなってから3年後の年末」が期限になる3,000万円控除まで、順番に見ていきましょう。
「春に転勤が決まりました。空いた家を貸せば、家賃でローンを払えて、住宅ローン控除も続くと思うのですが……」
春の異動が気になり始める年末は、こんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。転勤で自宅を賃貸に出すと、住宅ローン控除がどうなるかは、家族が残るか、家族全員で引っ越すかで大きく分かれます。そして、家を貸した瞬間から、あなたは税金の上では「大家さん」の仲間入りをします。家賃の申告、建物の減価償却、そして将来売るときの特例の期限まで、自宅のときにはなかった論点が一度にやってくるのです。
私自身、大家として賃貸経営を続けてきて感じるのは、自宅を貸す方の多くが「家賃でローンが払えるか」だけを計算して、税金の段取りを後回しにしがちだということです。住宅ローン控除は年ごとに判定され、離れていた年の分は戻ってきません。だからこそ、引っ越しの段ボールを用意する前に、一度だけ、日付の確認をしておいてほしいのです。
この記事では、2022年に新築の一戸建てに入居したご家族が、2026年春の転勤で家を貸す例を使って、住宅ローン控除・家賃・減価償却・売却の順に整理します。
※この記事は2025年12月時点の法令と国税庁の公表資料にもとづいています。
転勤で自宅を賃貸に出すと、税金の扱いは5つの場面で変わる
| 場面 | 2025年12月時点のルール |
| 住宅ローン控除(離れるとき) | その年の12月31日まで引き続き住んでいることが条件。家族が住み続ける単身赴任などは継続。家族全員で転居すれば、その年分から控除なし |
| 住宅ローン控除(戻ったとき) | 転任の命令などやむを得ない事由なら、再び住んだ年から再適用できる。控除を受けていた人は、住まなくなる日までに届出書が必要。再び住んだ年に貸していたら翌年分から。控除期間は延長されない |
| 貸している間の家賃 | 不動産所得。固定資産税・損害保険料・修繕費・借入金利子・減価償却費などが必要経費 |
| 建物の減価償却 | 自宅だった期間の減価を、耐用年数の1.5倍・旧定額法で計算して差し引いてから、貸し始めた月から償却 |
| 売るとき | 3,000万円の特別控除は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件 |
表の上の二つは「控除を受け続けられるか」、下の三つは「大家さんとして何を申告するか」の話です。自宅を貸すと、住宅ローンを払う人と、家賃を受け取る大家さんの二つの顔を、同時に持つことになります。
住宅ローン控除は「12月31日まで住んでいるか」で年ごとに決まる
まず、出発点を確認しておきましょう。住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、家を取得してから6か月以内に住み始め、控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいることが条件です(租税特別措置法41条、国税庁タックスアンサーNo.1211-1)。2022年以後に入居した場合の控除額は、年末残高等×0.7%が基本です(限度額があります)。
ここで大事なのは、この判定が「年ごと」だということです。2026年3月に家族全員で転勤先へ引っ越せば、2026年12月31日にはその家に誰も住んでいませんから、2026年分の控除は受けられません。反対に、2025年12月31日までご家族で住んでいれば、2025年分はこれまでどおり受けられます。年末調整の書類を前に「転勤が決まったから今年はもうだめかも」と心配している方は、まず安心してください。判定するのは、その年の年末の状態です。
ただ、年ごとの判定だからこそ、引っ越しの年は1年分が丸ごと動きます。「3月に引っ越すから、3か月分は受けられるのでは」とはならないのが、この制度の厳しいところです。
家族が残る単身赴任なら、住宅ローン控除は続けられる
転勤のときに一番よく使われるのが、この形です。国税庁のタックスアンサーNo.1234は、次のような場合には、本人が住んでいなくても、住んでいるものとして控除を続けられるとしています。
転勤などのやむを得ない事情で、本人が配偶者、扶養親族その他生計を一にする親族と日常の起居を共にしていないこと。その家に、取得の日から6か月以内にこうした親族が入居し、その後も引き続き住んでいること。そして、事情が解消したあとは、本人もその家で一緒に住むと認められること。この三つがそろえば、控除は途切れません。
海外転勤の場合は、家をいつ取得したかで分かれます。2016年4月1日以後に取得した家なら、本人が居住者でも非居住者でも、この扱いの対象になります。それより前に取得した家は、制度の対象が居住者に限られているため、本人が非居住者になっている間は控除を受けられません。海外へ赴任して自宅を貸す場合の家賃の源泉徴収や納税管理人については、当ブログの「海外に住む大家さんへの家賃は、借主が20.42%を源泉徴収することも。海外赴任の前に決めたい「納税管理人」と、出国する年の確定申告」(2025年12月17日)をご覧ください。
単身赴任にするか、家族そろって引っ越すか。これは本来、お子さんの学校や仕事、暮らし方で決めるものです。控除のために家族の形を決めるのは本末転倒だと私は思います。ただ、どちらを選んだかで税金の扱いがここまで変わることは、知ったうえで決めていただきたいのです。
家族全員で転居して戻ったら、住宅ローン控除の再適用を受けられる
家族全員で引っ越して家を貸した場合、貸している年は控除を受けられません。それでも、勤務先からの転任の命令など、やむを得ない事由で住まなくなった場合は、戻って再び住んだ年から、残りの控除期間について再適用を受けられます。
ただし、条件があります。住まなくなる前にすでに控除を受けていた人は、住まなくなる日までに「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を、その家の所在地の所轄税務署に出しておく必要があります。勤務先の年末調整で使う証明書(年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書)の未使用分を受け取っている場合は、それも一緒に提出します。引っ越しの後で思い出しても、原則として間に合いません(提出しなかったことにやむを得ない事情があると税務署長が認めた場合に限り、救済の余地があります。租税特別措置法41条)。
一方、入居したその年のうちに家族で転居した人(まだ一度も控除を受けていない人)は、事前の手続は不要です。この場合は、取得の日から6か月以内に住み始めていたことが条件になります。
どちらの場合も、再適用の最初の年は確定申告が必要です。計算明細書などを添付しますが、必要な書類は場合によって異なるので、税務署の案内で確かめてください。
そして見落としやすいのが、次の二つです。
ひとつは、再び住んだ年に、その家を貸していた期間があると、再適用はその翌年分からになることです。もうひとつは、控除期間は延長されないことです。離れていた年の分は後ろに付け足されず、残りの期間がある場合に限って再適用を受けられます。
冒頭の例で数字にしてみます。2022年8月に新築の一戸建てに入居し(控除期間13年、2034年分まで)、2026年3月に家族全員で転居して4月から貸し、2029年4月に戻って住んだ場合です。
| 年分 | 状況 | 住宅ローン控除 |
| 2022〜2025年分 | 家族で住んでいる | 受けられる |
| 2026〜2028年分 | 家族全員で転居し、家を貸している | 受けられない |
| 2029年分 | 4月に戻って住んだが、1〜3月は貸していた | 受けられない |
| 2030〜2034年分 | 再び住んでいる | 再適用(5年分) |
13年の控除期間のうち、2026年分から2029年分までの4年分は受けられません。もし入居者との契約が2028年12月までに終わっていれば、2029年に貸していた期間はなくなるので、2029年分から再適用を受けられます(2029年12月31日まで住んでいることが前提です)。
ここまでの流れを、一枚のフローチャートにまとめました。いちばん上の質問1は「その年の12月31日に、配偶者など生計を一にする親族がその家に住んでいるか」。はいなら控除を続けられ、いいえ(家族全員で転居)なら、家族の誰も住んでいない年は控除を受けられない、というオレンジの枠に進みます。その下は、戻って再び住むときの流れです。質問2は転任の命令などやむを得ない事由で住まなくなったか、質問3は控除を受けていた人が住まなくなる日までに届出書を出したか、質問4は再び住んだ年にその家を貸していた期間があるか。いちばん下の緑の枠には、上の表と同じ2022年入居の例を載せています。

大家の目線で見ると、質問4はとても実務的な問いです。戻る年の前の年末までに契約を終えれば、家賃は数か月分入らなくなりますが、控除は1年分早く再開します。入居者の退去日を確実に決めておきたいなら、期間の満了で契約が終わる定期借家契約が候補になります。定期借家の成立の要件は、別の記事で詳しく扱います。家賃数か月分と控除1年分のどちらが大きいかは、ローンの残高やご家族の税額で変わりますから、戻る時期が見えてきたら一度計算してみてください。
貸している間の家賃は不動産所得。ローンの利子も経費になる
家を貸したら、受け取る家賃は不動産所得になります。不動産所得は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します(国税庁タックスアンサーNo.1370)。総収入金額には家賃のほか、更新料や、共益費などの名目で受け取る電気代・水道代・掃除代、返還しない敷金・保証金なども含まれます。
必要経費になるのは、貸すために直接必要な費用で、家事上の経費とはっきり区分できるものです。代表的なものは、固定資産税、損害保険料、修繕費、減価償却費、そして借入金利子です。住宅ローンの利子は、貸している期間に対応する分が必要経費になります。ここで気をつけたいのは、経費になるのは利子だけで、元本の返済分は経費にならないことです。返済予定表を見ると毎月の返済額は一定でも、その中身は利子と元本に分かれています。マンションの管理費や修繕積立金を払っている場合、修繕積立金がいつの経費になるかは、当ブログの「マンションの修繕積立金は、いつの経費となるのか?」(2025年8月15日)で整理しています。
不動産所得が赤字になれば、給与所得などと差し引き(損益通算)できます。ただし、赤字のうち土地を取得するための借入金の利子に当たる部分は、損益通算できません。住宅ローンで土地と建物をまとめて買った方は、当ブログの「不動産所得の赤字100万円、給与と通算できるのは70万円だけ? 「土地の借入金利子」の制限を会社員大家さんの数値例で計算しました(2025年分)」(2025年12月16日)もあわせてご覧ください。会社員の大家さんが確定申告をしなければならないかどうかは、別の記事で詳しく扱います。
家賃でローンの返済が賄えると、つい「プラスマイナスゼロだから税金は関係ない」と思いがちです。けれど、税金の計算は通帳の出入りとは別物です。元本の返済は経費にならない一方で、お金の出ていかない減価償却費は経費になる。このずれを知っておくと、確定申告の数字に驚かずに済みます。
自宅だった期間の減価は、耐用年数の1.5倍で計算して差し引く
自宅を貸すときの減価償却には、自宅ならではのルールがあります。住んでいた期間(業務に使っていなかった期間)の分は経費にはなりませんが、その間も建物の価値は減っていたものとして、その分を差し引いてから償却を始めるのです(所得税法施行令85条・135条、国税庁タックスアンサーNo.2109)。
計算の順番は次のとおりです。まず、住んでいた期間の減価の額を、法定耐用年数の1.5倍の年数(1年未満の端数は切り捨て)で、旧定額法により計算します。旧定額法は、取得価額の90%に償却率を掛ける方法です。期間の年数は、6か月以上の端数は1年、6か月未満の端数は切り捨てます。次に、取得価額からその減価の額を差し引いたものが、貸し始めたときの未償却残高になります。貸し始めた後は、2007年4月1日以後に取得した建物なら、通常の法定耐用年数の定額法で、貸し始めた月から月割りで償却します。
冒頭の例で計算してみます。2022年8月1日に新築の木造一戸建てを取得して住み(建物の取得価額2,000万円)、2026年4月から貸す場合です。
| 項目 | 計算 | 結果 |
| 住んでいた期間の年数 | 2022年8月1日〜2026年3月31日=3年8か月(6か月以上の端数は1年) | 4年 |
| 1.5倍の年数と償却率 | 木造の法定耐用年数22年×1.5=33年、旧定額法の償却率0.031 | 33年 |
| 住んでいた期間の減価の額 | 2,000万円×0.9×0.031×4年 | 2,232,000円 |
| 貸し始めたときの未償却残高 | 2,000万円−2,232,000円 | 17,768,000円 |
| 2026年分の減価償却費 | 2,000万円×0.046×9/12(4〜12月) | 690,000円 |
| 2027年分以後の減価償却費(未償却残高が1円になるまで) | 2,000万円×0.046 | 920,000円 |
住んでいた期間の減価2,232,000円は、どの年の経費にもなりません。帳簿の上の建物の値段だけが、そのぶん減っています。正直に言うと、私はこの仕組みを、税金の世界の「住んでいた間の家賃」のようなものだと受け止めています。自分で使っていた期間の価値の目減りは、自分で負担した、という考え方です。
国税庁の計算例も、同じ流れで、貸し始めた後の償却費を取得価額×定額法の償却率で計算しています。なお、土地は減価償却しません。鉄筋コンクリート造のマンションなら、1.5倍の年数は47年×1.5=70.5年で、端数を切り捨てて70年です。中古で買った建物の耐用年数の考え方は、当ブログの「中古アパートの減価償却:築25年の木造なら耐用年数は4年。簡便法の計算式、土地と建物の按分、12月に買うと1か月分しか経費にならない理由を数字で確認」(2025年12月13日)で取り上げています。
用語メモ:未償却残高……建物の取得価額から、それまでに減価償却した額(自宅だった期間は減価の額)を差し引いた残り。帳簿の上での建物の値段にあたります。
売るなら、住まなくなってから3年後の年末までに。3,000万円控除の期限
転勤先での暮らしが長くなり、「もう戻らないかもしれない」と感じたら、売却も選択肢に入ってきます。自宅を売ったときは、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります(租税特別措置法35条、国税庁タックスアンサーNo.3302)。
この特例は、今住んでいる家だけでなく、以前に住んでいた家にも使えます。ただし、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る場合に限られます。冒頭の例のように2026年3月に住まなくなったなら、3年を経過する日は2029年3月ですから、期限は2029年12月31日です。家を貸していても、この期限内に売れば対象になりえますが、貸し続けるうちに期限を過ぎてしまうと使えません。
ほかにも、売った年の前年・前々年にこの特例などを受けていないこと、親子や夫婦など特別の関係がある人への売却ではないことなどの要件があり、適用を受けるには確定申告が必要です。家を取り壊して土地を売る場合は、取り壊した日から1年以内に売買契約を結び、同じ期限までに売ることが条件で、その間に貸駐車場などに使っていないことも求められます。
もうひとつ、転勤先で新しい家をローンで買う方には大事な注意があります。新しい家に住み始めた年とその前2年・後3年の計6年間に、元の家で3,000万円控除などを受けると、新しい家では住宅ローン控除を受けられません(国税庁タックスアンサーNo.1211-1)。どちらの特例を使うかは、金額を並べて比べてから決めたいところです。
売るときの建物の取得費は、購入代金などから所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。所得税法38条2項と同法施行令85条では、貸していた期間は必要経費にした償却費の累計額を、住んでいた期間は先ほどの1.5倍の方法で計算した減価の額を、それぞれ差し引くとされています。貸していた年の減価償却の記録は、売る日まで大切に保管しておいてください。
「いつか戻るかもしれない」という気持ちと、3,000万円控除の期限。この二つは、時間がたつほどぶつかりやすくなります。住まなくなってから3年後の年が来る前に、一度、戻るか・貸し続けるか・売るかを家族で話し合っておくことを、私はおすすめしています。
貸す前に、年内に確かめておきたいこと
まずは、住宅ローンの契約書を開いて、家を人に貸すことがどう扱われているかを確認し、借入先の金融機関に相談してください。そのうえで、単身赴任にするか家族で引っ越すかが決まったら、家族で引っ越す場合は、これまで控除を受けていたかどうかを確かめます。受けていたなら、住まなくなる日までに「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を税務署に出す準備をしておきましょう。
次に、貸し方を決めます。戻る時期の見込みがあるなら、契約がいつ終わるかが、再適用が始まる年を左右します。あわせて、建物の取得価額と取得日、構造が分かる資料(売買契約書や登記事項証明書など)を手元にそろえておくと、減価償却の計算がすぐにできます。
最後に、手帳に一つ書き込んでおいてください。住まなくなった年の3年後の12月31日、3,000万円控除の期限です。2026年3月に住まなくなるなら、2029年12月31日です。2025年分の年末調整は、2025年12月31日までご家族で住んでいれば、いつもどおりで大丈夫です。
転勤で自宅を貸すなら、「戻る年」と「売る期限」から逆算する
住宅ローン控除は、その年の12月31日まで住んでいるかで年ごとに決まります。家族が残る単身赴任なら継続でき、家族全員で引っ越せば、その年から控除は受けられません。転任の命令などで住まなくなった場合は、戻って再び住んだ年から再適用できますが、控除を受けていた人は住まなくなる日までの届出書が必要で、戻った年に貸していた期間があれば翌年分から、控除期間は延長されません。
貸している間の家賃は不動産所得で、ローンの利子(元本は除く)や減価償却費が経費になります。減価償却は、住んでいた期間の減価を耐用年数の1.5倍で計算して差し引いてから始まります。そして、売るなら3,000万円控除の期限は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日です。
転勤は、家族にとって大きな節目です。慌ただしい中で、税金の段取りまで手が回らないのは当然のことだと思います。それでも、「届出書は出る前に」「契約の終わりは戻る年の前に」「売るなら3年後の年末までに」という三つの日付だけは、引っ越しの前に確かめておいてください。それだけで、何年か先に戻ってきたときの安心がまるで違ってきます。
当事務所では、転勤で自宅を貸す方の住宅ローン控除の手続や、初めての不動産所得の申告、将来の売却の試算をお手伝いしています。お気軽にご相談ください。
出典・参考
- タックスアンサー1234「転勤と住宅借入金等特別控除等」(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1234.htm
- タックスアンサー1211-1「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
- 「令和5年中に再び居住の用に供した場合の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の手続をされる方へ」(国税庁、令和5年11月1日現在の法令等)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2023/pdf/051.pdf
- タックスアンサー1370「不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
- タックスアンサー2109「新築家屋等を非業務用から業務用に転用した場合の減価償却」(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2109.htm
- 同 計算例(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2109_qa.htm
- 「減価償却資産の償却率表」(国税庁)https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/070412/pdf/3.pdf
- タックスアンサー3302「マイホームを売ったときの特例」(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
- タックスアンサー3258「取得費が分からないとき」(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3258.htm
- 租税特別措置法第35条・第41条、所得税法第38条、所得税法施行令第85条・第135条(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/































