東雲結子:石井先生、来年の手帳とカレンダーを買ってきました! 確定申告の「3月15日」には、もう赤い丸をつけてあります。準備は万全です!
税理士石井:おお、早いですね。うーん、ただ、その赤丸は一日だけお引っ越しが必要です。2026年の3月15日は日曜日なので、確定申告の期限は3月16日(月)になります。
東雲結子:えっ、買ったばかりの手帳に、もう修正テープの出番が……。
税理士石井:ははは。実はもう一か所あります。1月31日も土曜日なので、1月末が期限の法定調書や償却資産の申告は、2月2日(月)にずれるんです。
東雲結子:期限のほうも、週末はきちんとお休みするんですね。なんだか見習いたくなります。
税理士石井:ふふ、期限が土日や祝日にあたるときは休日明けの日が期限になると、国税も地方税も法律で決まっています。ただ、ずれるのは日付だけ。年明けの3か月に期限が集中することは変わりません。
東雲結子:じゃあ、赤丸を3月16日に付け直したら、あとはのんびり……。
税理士石井:それがですね……源泉所得税は1月13日か1月20日、贈与税の申告は2月2日から、個人の消費税は3月31日と、誰が対象かによって期限がばらばらなんです。賃貸でいえば、部屋ごとに更新月が違うアパートのようなもの。一覧にしておかないと、どこかで一部屋、更新を忘れます。
東雲結子:なるほど……。手帳に書き込む前に、まず「自分はどの期限の対象か」を確かめるんですね。
税理士石井:そういうことです。1月から3月まで、日付と「誰が対象か」をセットにして、順番に見ていきましょう。
「確定申告は3月15日まで、でしたよね?」
毎年同じ時期にやってくる手続ほど、日付を「いつもどおり」で覚えてしまいがちです。でも2026年は、3月15日が日曜日なので、確定申告の期限は3月16日(月)までです。さらに1月31日も土曜日なので、1月末の期限は2月2日(月)にずれます。
年明けの3か月は、大家さんにとって期限がいちばん集中する時期です。源泉所得税の納付、法定調書や償却資産の申告、贈与税、所得税の確定申告、資産管理法人の決算、個人の消費税。しかも、どの期限が自分に関係するかは、家族に給与を払っているか、法人を持っているか、消費税の課税事業者かどうかで、人によって違います。
そこでこの記事では、2026年1月〜3月の大家さんの税務カレンダーとして、期限を日付と「誰が対象か」をつけて一覧にしました。年末のうちに一度目を通して、新しい手帳やカレンダーに書き写しておいていただけたらと思います。
※この記事は2025年12月時点の法令と国税庁などの公表資料にもとづいています。
2026年1月〜3月の税務カレンダー。1月末の期限は2月2日、3月15日の期限は3月16日に
| 期限 | やること | 主な対象 |
| 1月13日(火) | 2025年12月分の源泉所得税の納付 | 給与や税理士報酬などを払う人・法人(納期の特例なし) |
| 1月20日(火) | 2025年7月〜12月分の源泉所得税の納付 | 納期の特例の承認を受けている人・法人 |
| 2月2日(月) | 法定調書合計表・支払調書の提出、源泉徴収票の交付、給与支払報告書の提出、償却資産の申告 | 給与などを払う人・法人、事業用の償却資産を持つ人 |
| 2月16日(月)〜3月16日(月) | 2025年分の所得税の確定申告・納付 | 不動産所得のある個人 |
| 2月2日(月)〜3月16日(月) | 2025年分の贈与税の申告・納付 | 2025年に贈与を受けた人 |
| 3月2日(月) | 法人税・消費税などの申告・納付 | 12月決算の資産管理法人 |
| 3月16日(月) | 2026年分からの青色申告の承認申請 | これから青色申告にする人 |
| 3月31日(火) | 2025年分の消費税の申告・納付 | 消費税の課税事業者である個人 |
国税の期限が土曜日・日曜日・祝日などにあたるときは、休日明けの日が期限になります(国税通則法第10条第2項)。地方税も同様です(地方税法第20条の5第2項)。
期限が後ろにずれるのは、ありがたいことです。ただ、裏を返せば、ずれた後の日付がそのまま本当の締切でもあります。ずれた分を「おまけの余裕」と考えず、もとの日付を目標にしておくくらいが、ちょうどいいと私は思います。
下の図は、同じ期限を、対象者ごとに1月から3月までの時間の流れに並べたものです。縦に「給与などを払う人・法人」「償却資産・住民税・固定資産税」「個人の大家さん」「贈与を受けた人」「12月決算の法人」が並び、ひし形の印が一日だけの期限、帯が申告の期間や納期を表しています。ご自分が当てはまる行だけを、左から右へたどってみてください。

1月は、源泉所得税の納付と「1月1日の所有者」の確認から始まる
固定資産税は「1月1日の所有者」にかかる
固定資産税・都市計画税は、1月1日(賦課期日)に固定資産課税台帳に登録されている所有者に、その年度の分がかかります。償却資産の申告も、1月1日現在に持っている資産で行います。
1月1日は、何かを提出する日ではありません。それでも、大家さんにとっては、年が明けた瞬間にその年度の固定資産税が誰に課税されるかが決まる、大事な日付です。年末に物件の売買を考えている方にとっては、1月1日の時点で誰が所有者として台帳に登録されているかが、その年度の分を誰に課税するかを決めることになります。1月1日という日付と固定資産税の関係は、古家の取壊しの時期を取り上げる記事でも詳しく整理します。
源泉所得税は、原則なら1月13日(火)、納期の特例なら1月20日(火)
給与や税理士などへの報酬から源泉徴収した所得税は、原則として支払った月の翌月10日までに納めます。2025年12月に支払った分は、1月10日が土曜日、1月12日が成人の日なので、1月13日(火)が期限です。
給与の支給人員が常時10人未満で、納期の特例の承認を受けている場合は、7月〜12月に源泉徴収した分(給与・退職手当と、税理士などの一定の報酬)をまとめて1月20日(火)までに納めます。
半年分をまとめて納める納期の特例は、毎月の手間が減るぶん、1月に納める金額も半年分になります。年末年始の出費が重なる時期ですから、資金の準備も一緒に考えておくと落ち着いて迎えられます。
青色事業専従者給与を払っている大家さんや、家族に給与を払っている資産管理法人は、どちらにあたるかを確認しておきましょう。家族への給与から源泉徴収した所得税は、納めるところまでがひと続きの手続です。源泉徴収の基本は、当ブログの『源泉徴収義務者とはなんでしょうか?』(2017年3月22日)もご覧ください。
なお、2026年1月以後に支払う給与からは、令和7年度税制改正を反映した源泉徴収税額表を使います。給与を払う家族からは、2026年分の扶養控除等(異動)申告書を最初の給与の支払日の前日までに出してもらいます。身内どうしだと、つい後回しにしたくなる書類ですが、ここはきちんと受け取っておいてください。
住民税(普通徴収)の第4期は、1月末が納期限なら2月2日(月)
自分で納める住民税(普通徴収)の納期は、地方税法で6月・8月・10月・1月中と定められ、具体的な日は市区町村の条例で決まります(特別の事情がある場合は、異なる納期も定められます)。1月末を納期限にしている市区町村では、2026年は1月31日が土曜日なので2月2日(月)が期限です(例:横浜市の令和7年度第4期)。
手元の納付書で期限を確認しましょう。
2月は、1月末の期限がまとめて2月2日(月)にやってくる
法定調書と源泉徴収票、給与支払報告書は、払った側が出す
まずは、給与や報酬、家賃などを払った側が出す書類です。提出先と対象を、表にまとめました。
| 書類 | 提出先 | 対象 |
| 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表 | 税務署 | 給与・報酬・地代家賃などの支払者 |
| 給与所得の源泉徴収票 | 税務署(提出範囲のみ)、受給者には全員に交付 | 年末調整をした人なら、法人の役員は給与150万円超、それ以外の人は500万円超が税務署への提出範囲 |
| 不動産の使用料等の支払調書 | 税務署 | 地代・家賃などを払う法人と不動産業者である個人(主に建物の賃貸借の代理・仲介をしている人を除く)。同じ人への支払いが年15万円超(法人に払う家賃は対象外、権利金・更新料などは対象) |
| 給与支払報告書 | 受給者の住所地の市区町村 | 給与を支払った人・法人 |
資産管理法人がオーナー個人に地代や家賃(サブリースの賃料など)を払っている場合は、不動産の使用料等の支払調書の提出が必要か確認しましょう。法人とオーナーのあいだのお金のやり取りは、身内どうしなので、つい書類のほうが後回しになりがちです。でも、法人の帳簿から見れば、オーナーも地代や家賃を払う相手の一人。表の条件と照らし合わせておけば安心です。
償却資産の申告は、課税されない場合でも出す
1月1日現在に持っている事業用の償却資産を、市区町村(東京23区は都税事務所)に申告します。期限は1月31日ですが、2026年は2月2日(月)です。
償却資産と聞くと、工場の機械のようなものを思い浮かべるかもしれません。でも大家さんの場合も、駐車場の舗装、門・塀などの外構工事、受変電設備などが対象になり得ます(東京都主税局の例示)。課税標準額が150万円未満なら課税されませんが(免税点)、申告の対象であることには変わりありません。
「税金がかからないなら、出さなくてもいいのでは」と思いたくなるところですよね。ここは、意外に思われる方が多いところです。けれど、課税されるかどうかと、申告するかどうかは別の話。駐車場や外構の工事をした年は、とくに気にかけておいてください。
贈与税の申告は、2月2日(月)から3月16日(月)まで
2025年中に贈与を受けた財産が110万円を超える人や、相続時精算課税を選ぶ人が対象です。申告期間は原則2月1日〜3月15日ですが、2026年はどちらも日曜日のため、国税庁は申告書の受付を2月2日(月)から3月16日(月)までと案内しています。相続時精算課税選択届出書も、この期間に出します。
贈与税を申告するのは、贈与を受けた側です。ご家族に贈与をした方は、受け取った方に申告が必要かどうか、ひと声かけてあげてください。そのひと言が、家族の誰かの期限切れを防ぐことがあります。
所得税の確定申告は2月16日(月)から。還付申告は1月1日から出せる
2025年分の所得税の確定申告・納付の期限は3月16日(月)です。確定申告をする義務のない人が、納めすぎた税金を返してもらうための申告(還付申告)は、1月1日から提出できます。振替納税の引落日は、国税庁が発表する日付を確認してください。
固定資産税の第4期は、2月末が納期限なら3月2日(月)
固定資産税の納期は、地方税法で4月・7月・12月・2月中とされ、市区町村の条例で決まります(特別の事情があれば異なる納期も可)。たとえば東京23区の固定資産税・都市計画税(土地・家屋)は、6月・9月・12月・2月の4回です。2月末を納期限にしている市区町村では、2026年は2月28日が土曜日なので3月2日(月)が期限です(例:横浜市の令和7年度第4期)。
具体的な日付は条例で決まるので、物件のある市区町村ごとに確かめるしかありません。いくつかの市区町村に物件をお持ちの方は、納付書ごとに期限を手帳へ書き写しておくのがおすすめです。
3月は、3月16日と3月31日の二つの山を越える
12月決算の資産管理法人は、3月2日(月)が申告期限
法人税・消費税などの確定申告の期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内。12月決算なら2月28日ですが、2026年は土曜日なので3月2日(月)です(申告期限の延長の特例を受けている場合を除く)。
個人の確定申告より先に、法人の申告期限がやってくる。12月決算の資産管理法人をお持ちの大家さんは、ここがいちばん忙しくなるところです。法人の申告を3月2日までに終えて、そのまま個人の申告へ。年明けの段取りは、法人から逆算して組み立てておくと安心です。
3月16日(月)は、所得税・贈与税と、青色申告の承認申請の期限
3月16日(月)は、所得税の確定申告・納付と、贈与税の申告・納付の期限です。
そして、同じ日に締め切られるのが青色申告の承認申請です。2026年分から青色申告にする人は、「所得税の青色申告承認申請書」を3月16日までに提出します(1月16日以後に新たに業務を始めた人は、始めた日から2か月以内)。2026年分から青色事業専従者給与を払う人は、「青色事業専従者給与に関する届出書」も同じ期限です。
2025年分の申告と、2026年分のための申請が、同じ日に締め切られる。ここは、うっかりが起きやすいところだと感じます。目の前の申告書に気を取られて、来年の自分のための申請を出し忘れてしまう、ということになりかねません。
最高65万円・55万円の青色申告特別控除は、貸借対照表などを添付して期限内に申告することが要件の一つです。3月16日を過ぎないよう、早めに準備しましょう。
個人の消費税は、3月31日(火)まで
消費税の課税事業者である個人(インボイス登録をして課税事業者になった人を含む)は、2025年分の消費税の確定申告・納付の期限が3月31日(火)です。2割特例を使う人も、この日までに申告します。
所得税の申告を3月16日に終えて、ほっとひと息ついたところに、もう一つの期限が待っている。インボイス登録をした大家さんにとっては、この3月31日を忘れないことが大切です。
年が明けたら、まず源泉所得税の期限がどちらかを確かめる
年明けに確かめておきたいことを、順番にたどってみます。
最初に、源泉所得税の納付期限が1月13日なのか1月20日なのかを確認してください。納期の特例の承認を受けているかどうかで決まります。そのうえで、2月2日までの書類、つまり法定調書合計表・源泉徴収票・支払調書・給与支払報告書・償却資産の申告を準備します。資産管理法人からオーナーへ地代や家賃を払っている場合は、それが支払調書の対象かどうかも、このときに確かめておきましょう。
確定申告に向けては、青色申告決算書や収支内訳書、寄附金受領証明書などの書類をそろえていきます。ご家族の中に贈与を受けた方がいれば、贈与税の申告が必要かどうかも確認しておきたいところです。
2026年から青色申告にするなら、3月16日までに承認申請書を出すこと。消費税の課税事業者の方は、3月31日の申告・納付に向けて資金を準備しておくこと。そして最後に、住民税と固定資産税は、手元の納付書で期限を確かめておいてください。
期限は「日付」と「自分が対象かどうか」をセットで手帳に書く
2026年は1月31日が土曜日、3月15日が日曜日です。そのため、1月末の期限は2月2日、3月15日の期限は3月16日になります。
源泉所得税は、原則なら1月13日、納期の特例なら1月20日。確定申告は2月16日〜3月16日、贈与税は2月2日〜3月16日、個人の消費税は3月31日です。青色申告の承認申請は、2026年分なら3月16日まで。住民税・固定資産税の納期は市区町村の条例で決まり、月末が期限なら、2026年は2月2日・3月2日になります。
こうして並べてみると、年明けの3か月は、まるで期限の行列のようです。それでも、自分が対象の行だけを抜き出してみると、意外とすっきりするものです。新しい手帳を開いたら、まずはご自分に関係する日付だけに印をつけてみてください。それだけで、年明けの慌ただしさはずいぶん違ってくるはずです。
当事務所では、大家さんの確定申告・消費税申告から、資産管理法人の法定調書・決算まで、年明けの手続をまとめてお手伝いしています。期限が重なる前に、お気軽にご相談ください。
出典・参考
- 国税庁 タックスアンサー2505「源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」、No.2020「確定申告」、No.2030「還付申告」、No.2070「青色申告制度」、No.2110「事業主がしなければならない源泉徴収」(タックスアンサーはいずれも2025年12月時点の内容を参照)
- 国税庁「令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(令和7年9月1日現在の法令による)
- 国税庁「令和7年分 贈与税の申告のしかた」
- 国税庁 パンフレット「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」(令和7年4月)
- 国税通則法 第10条第2項、国民の祝日に関する法律、所得税法 第57条・第120条・第122条・第144条、相続税法 第28条、法人税法 第74条、消費税法 第45条、租税特別措置法 第25条の2・第86条の4
- 地方税法 第20条の5第2項、第317条の6(給与支払報告書)、第320条(個人の市町村民税の納期)、第359条(賦課期日)、第362条(固定資産税の納期)、第383条(償却資産の申告)
- 東京都主税局「固定資産税(償却資産)」「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」(2025年12月時点の内容を参照)
- 横浜市「令和7年度 市税の納期限」































