東雲結子:先生、アメリカには、キャンピングカーで泊まる「RVリゾート」を持つ会社が上場しているそうです! 毎晩お客さんが車ごと泊まりに来るなんて、まさに「動くホテル」の大家さんですね。

税理士石井:ええ、Equity LifeStyle(ELS)などですね。ただ、その「1泊ずつ泊まりに来る」RVの収入は、2025年1〜9月に前年同期より8.4%減っているんです(前の期から持っている物件どうしの比較)。

東雲結子:えっ、減っているんですか! ホテルの部分がガス欠なら、会社ごとレッカー移動では……。

税理士石井:ははは、レッカーはまだ呼ばなくて大丈夫です。同じ期間に、工場でつくった家が建つ区画の賃料は5.5%伸びています。しかも家は住む人の持ち物で、会社が持っているのは下の土地なんです。

東雲結子:お客さんが建物を持ってきて、会社は場所だけ貸す……。持ち込み自由の居酒屋みたいですね!

税理士石井:うまいことを言いますね。しかもこのお店、料理の売上より「持ち込み料」のほうがずっと安定しているんです。家を動かすには多額の費用と手間がかかる、と会社自身が年次報告書に書いています。

東雲結子:家ごと引っ越せないなんて、人間はヤドカリより不自由なんですね……。じゃあ、キャンピングカーをつくるメーカーの株はどうですか? タイヤがついているぶん、身軽そうです!

税理士石井:うーん、身軽すぎて利益まで走り去っています。メーカーのTHORは、純利益が2022年度から2025年度に77.3%減りました。

東雲結子:動く宿より先に、利益のほうが遠くへ旅立っていました……。

税理士石井:今日は米国の上場企業の決算から、「動く宿」のどこにお金が残るのかを確かめます。大家さんへのヒントは、意外にも「動かない土地」のほうにあるんですよ。

連載の第5回は、海を渡って米国を見ます。米国には、キャンピングカーやトレーラーで泊まる区画を備えた「RVリゾート」や、工場でつくった住宅を置く「MHコミュニティ」を持つREIT(不動産投資信託)が上場しています。その代表例がEquity LifeStyle Properties(ELS)とSun Communities(SUI)の2社です。RVをつくるTHOR Industries(THO)とWinnebago Industries(WGO)、RVの販売店チェーンのCamping World Holdings(CWH)も上場しています。

第1回から第4回までは、日本のコンテナホテル、トレーラーハウス、RVパークの事業者を見てきました。ただ、日本の事業者は非上場の会社が多く、第2回で取り上げたデベロップも、直近の売上や利益を公表していません。米国の上場企業は、年次報告書や決算発表で、部門ごとの収入や利益を何年分も開示しています。「動く宿」のどこにお金が残り、どこが景気に揺れるのかを、数字で確かめられるのです。

読み進めて見えてきた構図は、意外なほどシンプルでした。区画を長く貸す土地の賃料は毎年伸び、1泊単位のホテルに近い収入は減っている。そして、箱(RV)をつくるメーカーの利益は、ここ数年で大きく落ち込んでいる。この順番で見ていきます。数字は2025年11月30日までに公表された資料によるもので、株価は2025年11月28日の終値です。

用語メモ:RV(Recreational Vehicle)=キャンピングカーや、車で引いて走るトレーラーなど、泊まれる車の総称。MH(Manufactured Housing、マニュファクチャードハウス)=工場でつくって運び、敷地に据える住宅。REIT=投資家から集めたお金で不動産を持ち、賃料などの利益の大部分を分配することを条件に、税の特例を受ける仕組み(ここで扱う2社は上場している)。

米国を見るのは、「動く宿」の決算が何年分も読めるから

5社の顔ぶれを、先に表で並べておきます。

会社(ティッカー) 事業 決算期末 時価総額(百万ドル)
Equity LifeStyle Properties(ELS) MHコミュニティ・RVリゾート・マリーナを持つREIT。455物件・約173,300区画(2025年9月末) 12月31日 12,186
Sun Communities(SUI) MHコミュニティ・RVリゾートを持つREIT。英国にも53物件。501物件・174,680区画(2025年9月末) 12月31日 15,933
THOR Industries(THO) RVメーカー。トレーラーのブランドAirstreamを傘下に持ち、欧州でも事業を行う 7月31日 5,559
Winnebago Industries(WGO) RVメーカー。ボートもつくる 8月の最終土曜日 1,021
Camping World Holdings(CWH) RVの販売店チェーン。197店(2025年9月末) 12月31日 703

※時価総額は当ブログの計算で、2025年11月28日の株価×発行済株式数。ELSとSUIは普通株だけ(OPユニットを含まない)、CWHは上場しているA株だけで数えた。株価と株式数の日付は後半の株価の表を参照。

用語メモ:ティッカー=米国の株式の銘柄コード。OPユニット=REITの事業を担う子会社(運営パートナーシップ)の持分で、普通株とは別に数えるもの。

並べてみると、土地を持つREIT 2社の時価総額は約122億〜159億ドルで、メーカーで大きいほうのTHOの2倍以上あります。この5社で比べると、市場が大きな値段をつけているのは、動く箱をつくる会社ではなく、箱を置く土地を持つ会社なのです。

米国RV産業協会(RVIA)の集計では、RVの卸出荷台数は2019〜2024年に年31.3万〜60.0万台。しかもELSもSUIも、RVの区画を年単位や季節単位で貸す契約を売上の柱の一つにしています。RVで一定の期間を過ごす暮らし方が、ビジネスとして成り立つほど根づいている市場だと私は受け止めています(当ブログの見方)。土地を貸す側、箱をつくる側、箱を売る側が別々の上場会社として数字を出しているので、どの立場がいちばん安定して稼げるのかを横に並べて確かめられるのも、ありがたいところです。

RVリゾートREITは、土地を持って貸す「ランドリース」の大家

ELSの年次報告書(10-K、2024年12月期)は、自社のやり方を「私たちは土地を所有し、それを工場製住宅やコテージを所有するお客さまに貸す、独自のビジネスモデルを持っている」(当ブログ訳)と説明しています。同じ報告書には、お客さまは「ふつう自分の家を所有している」こと、そして業界の説明として、工場でつくった家をある物件から別の物件へ動かすには「多額の費用と手間がかかる(involves substantial cost and effort)」ことも書かれています。

用語メモ:10-K=米国の上場企業が毎年SEC(米国証券取引委員会)に出す年次報告書。日本の有価証券報告書にあたります。ランドリース(land lease)=土地を貸し、その上の建物は借り手が持つ形の賃貸。

家はお客さまのもの、区画(site)と共用施設はREITのもの。REITの売上の中心は、区画の賃料です。日本の大家さんの言葉に置きかえると、借地人が自分の家を建てている土地を持つ「底地」の地主に近い形です(当ブログのたとえ。日本の借地とは、法律も契約の中身も違います)。

ここで効いてくるのが、「家を動かすのは大変」という一文です。出ていくには、家ごと運ぶか、家を売るしかない。だから一度入った人は簡単には出ていかず、賃料が安定しやすい、と読めます(当ブログの見方)。家そのものの修繕も、基本的には家の持ち主の側の話で、アパートの大家のように退去のたびに原状回復の費用を負う場面は少ないはずです(同)。

RVの区画には、使われ方が3つあります。年単位で利用権を持つ「年間契約」、季節単位の「季節契約」、そして1泊単位で泊まる「一時滞在(transient)」です。ELSにはこのほか、会員制のThousand Trailsがあり、会員は最長14日まで続けて滞在できます。

ELSの区画の種類 2019年末 2025年9月末
MH 72,100 73,200
RV(年間契約) 29,600 34,400
RV(季節契約) 10,200 11,200
RV(一時滞在) 14,100 17,800
マリーナ 2,300 6,900
会員制 24,600 26,000
合弁 3,600 3,900
合計 156,500 173,300

※ELSが公表した概数で、四捨五入のため合計が合わない。2025年9月末は455物件。

SUIも同じ型の事業で、2025年9月末の内訳はMHが284物件・97,070区画、RVが164物件(年間契約32,480区画、一時滞在23,560区画)、英国が53物件(年間17,650区画、一時滞在3,920区画)です(上で引用した文言はELSのもので、SUIの年次報告書の同じ趣旨の説明文は確認できていません)。

ただし、2社とも「土地だけ」の会社ではありません。ELSは課税子会社(REITの税の特例を受けない子会社)のRSIを通じて工場製住宅の売買や賃貸も行い、SUIはMHの区画の中に11,856戸の賃貸住宅を持っています(2025年9月末)。

区画の貸し方は4つ。SUIではMH部門の利益率がRV部門より高い

ここからは、MHの区画、RVの年間契約、季節契約、一時滞在の4つを分けて見ていきます。MHの区画は月ぎめの賃料で、ELSのMHの平均月額賃料は858ドル(2024年)でした。2024年のELSの総収入1,526.2百万ドルのうち、MHの基本賃料710.1百万ドルが46.5%、RVとマリーナの基本賃料438.4百万ドルが28.7%を占めます。そのRV・マリーナの基本賃料のうち、一時滞在は73.5百万ドルで16.8%です(割合は当ブログ計算)。

部門ごとの利益率は、SUIの開示から読めます。

SUIの部門(2024年) 収入 NOI NOIマージン 収入のうち一時滞在の割合
MH 957.4 643.3 67.2% 0.1%
RV 568.5 292.9 51.5% 43.9%
マリーナ 460.3 290.1 63.0% 6.0%
英国 177.2 79.1 44.6% 25.4%
合計 2,163.4 1,305.4 60.3% 15.0%

※単位:百万ドル。収入は不動産の運営による収入(住宅の販売などは含まない)。NOIマージン=NOI÷収入、一時滞在の割合とあわせて当ブログ計算。

用語メモ:NOI(Net Operating Income)=物件の収入から運営にかかった費用を引いた純収益。減価償却費や支払利息を引く前の数字で、大家さんの「家賃収入−管理費・修繕費・固定資産税」に近いものです。

MH部門は、収入100ドルのうち67.2ドルがNOIとして残ります。RV部門は51.5ドルで、差は15.7ポイントです。そのRV部門は、収入の43.9%が一時滞在です。2025年1〜9月も、MH部門のNOIマージンは68.0%、RV部門は51.4%(当ブログ計算)で、差はほとんど変わっていません。

1泊ごとのお客さまには、受付、清掃、予約の対応、集客の手間がかかります。年単位の契約なら、その手間はずっと少なくて済みます。利益率の差は、この手間の差を映していると私は見ています(当ブログの見方)。もっとも、英国部門は一時滞在の割合が25.4%なのに利益率は44.6%と4部門で最も低く、一時滞在の割合だけで利益率が決まるわけではありません。

土地の賃料は伸び、1泊単位のRV収入は減っている

この記事でいちばんお伝えしたいのが、この図です。

図は、ELSとSUIの部門ごとの収入の伸びを、2024年(前年比)と2025年1〜9月(前年同期比)で並べたものです。左のELS(既存物件ベースの会社公表値)は、MH区画の基本賃料が+6.1%→+5.5%、年間契約のRVが+6.5%→+3.9%と伸びた一方で、一時滞在のRVは−4.3%→−8.4%と、減り幅が広がりました。右のSUI(部門の収入から当ブログが計算)も、MH部門の不動産収入が+5.5%→+5.0%、RV部門の一時滞在以外(年間契約など)が+11.0%→+5.5%と伸び、RVの一時滞在は−10.0%→−8.6%です。2社は収入の区分も集計の範囲も違うので、会社どうしの数字は比べられません。それでも、向きはそろっています。

ELSの連結の数字を、もう少し長い期間で見てみます。

ELSの収入(暦年) MHの基本賃料 RV年間契約 RV季節契約 RV一時滞在
2019年 547.6 169.0 41.5 59.4
2020年 572.7 192.2 39.9 55.7
2021年 603.1 237.2 41.7 83.9
2022年 634.0 266.1 58.9 84.6
2023年 669.1 291.5 58.6 75.6
2024年 710.1 308.0 56.9 73.5

※単位:百万ドル。連結の数字で、期中に買収した物件を含む。一部は翌年以降の決算発表に載った比較数値。

MHの基本賃料は5年で547.6百万ドルから710.1百万ドルへ、年平均+5.3%で伸びました。年間契約のRVは年平均+12.8%と伸びが大きいのですが、これは買収した物件を含む数字です。一方、一時滞在のRVは2022年の84.6百万ドルをピークに、2024年には73.5百万ドルへ13.1%減りました(いずれも当ブログ計算)。

既存物件で−8.4%、全体では−2.4%。物差しで印象が変わる

2025年1〜9月の一時滞在の数字には、注意したい点があります。

ELSの2025年1〜9月 既存物件(コア)の伸び 連結 2025年1〜9月 連結 2024年1〜9月 連結の伸び
MHの基本賃料 +5.5% 559.2 530.1 +5.5%
RV年間契約 +3.9% 239.4 229.6 +4.3%
RV季節契約 −7.1% 42.8 44.9 −4.7%
RV一時滞在 −8.4% 60.9 62.4 −2.4%

※単位:百万ドル。コアの伸びは会社の公表値、連結の伸びは当ブログ計算。

用語メモ:既存物件(コア)ベース=比べる2つの期間を通じて持っている物件だけで比べた数字。米国のREITでは「同一物件(same property)」とも呼ばれます。

一時滞在のRVは、既存物件だけで見ると−8.4%ですが、比較期間の途中で加わった物件なども含む連結では−2.4%にとどまります。大家さんでいえば、前から持っている部屋の家賃収入が8%以上減っていても、新しく買った物件の分を足すと全体では「微減」に見える、という形です。物件そのものの力を見るなら既存物件の数字、会社の規模の変化を見るなら連結の数字。どちらの物差しで語られているのかを、いつも確かめてください。

会社の見通しも、1年のあいだに動きました。2025年1月27日にELSが示したコアのRV・マリーナの基本賃料の伸びは+2.7〜3.7%でしたが、10月22日には−0.2〜+0.8%へ下がり、季節契約と一時滞在を合わせた伸びは−8.3〜−9.3%とされました。コアMHの基本賃料の見通しも+5.2〜6.2%から+5.0〜6.0%へ小幅に下がりましたが、会社全体のコアNOIの伸びの見通しは+4.4〜5.4%のまま、1株あたりのNormalized FFOの見通しも3.01〜3.11ドルのままです。RVの1泊の売上が崩れても、MHの賃料が会社全体を支えている、と私は読んでいます(当ブログの見方)。

SUIでも、RVの一時滞在は2年続けて減った

SUIの同一物件NOIの伸び MH RV マリーナ 英国 RV部門の一時滞在収入(百万ドル、同一物件ではなく部門全体)
2022年 +3.3% +10.3% +7.7% ― ―
2023年 +6.8% +4.8% +11.7% ― 277.3
2024年 +6.7% −2.8% +5.4% +9.0% 249.7
2025年1〜9月 +8.9% −2.8% ―(売却) +5.2% 197.7(前年同期216.3)

※2024年以降のMHとRVは北米の数字。2025年1〜9月はマリーナを除く継続事業ベース。

SUIのRV部門の一時滞在収入は、2024年に前年比−10.0%、2025年1〜9月に前年同期比−8.6%と、2年続けて減りました(当ブログ計算)。同一物件のNOIでも、MHの伸びは+3.3%(2022年)から+8.9%(2025年1〜9月)へ高まり、RVは+10.3%から−2.8%へ落ちています。

SUIの2025年の見通し(同一物件NOIの伸び) 北米MH 北米RV 北米合計
2025年2月26日 +5.9〜6.9% +0.5〜2.5% +4.3〜5.6%
2025年7月30日 +7.2〜7.8% −3.5〜+0.5% +3.9〜5.6%
2025年10月29日 +7.7〜7.9% −2.5〜+0.5% +4.6〜5.6%

1年のうちに、MHの見通しは上がり、RVの見通しは下がりました。RVの見通しが下がった点は、ELSと同じです。

1泊単位の需要は、景気や天候、ガソリンの値段などに左右されやすいと考えられます(当ブログの見方)。ただ、2025年に減った理由を各社がどう説明しているかは、今回の資料では確かめられていません。ここは推測で埋めず、「長く貸す賃料は伸び、1泊の売上は減った」という事実だけを押さえておきます。

Equity LifeStyleの6年分の決算は、MHの賃料が毎年4.6〜6.8%伸びた記録

ELS(暦年) 総収入(百万ドル) Normalized FFO/株(ドル) コアMH基本賃料の伸び コアRV基本賃料の伸び コアNOIの伸び 総負債÷調整後EBITDAre 配当/株(ドル)
2019年 1,037.3 2.09 5.3% 4.5% 5.0% 4.8倍 ―
2020年 1,091.4 2.17 4.6% 1.1% 2.9% 5.2倍 1.37
2021年 1,271.7 2.53 4.7% 12.9% 8.8% 5.6倍 1.45
2022年 1,447.1 2.72(新定義2.63) 5.8% 9.1% 約5.7% 5.3倍 1.64
2023年 1,489.4 2.75 6.8% 3.5% 5.0% 5.3倍 1.79
2024年 1,526.2 2.91 6.1% 3.0% 6.5% 4.5倍 1.91
2025年1〜9月 1,157.5(前年同期1,153.8) 2.27(同2.16) 5.5% 0.2% 5.1% 4.5倍(9月末) 四半期0.515

※株あたりの数字は、2019年10月15日に1株を2株にした株式分割の後のベース。コアRVは2021年以降マリーナを含む(2019年はリゾートの基本賃料)。2021年の総収入は、後の決算発表で1,316.4百万ドルに組み替えられている。2019年の配当は今回の資料で確認できていない。

用語メモ:FFO(Funds From Operations)=純利益に不動産の減価償却費を足し戻し、不動産の売却損益を除いた、REITの稼ぐ力の物差し。Normalized FFO=ELSが、一時的とみなす項目をさらに調整した会社独自の数字。EBITDAre=REIT向けに定義された、利息・税金・減価償却費などを引く前の利益。

まず、物差しの注意からです。ELSは2024年1月にNormalized FFOの定義を変え、会員権のアップグレード販売に関する調整を含めない形にしました。2022年は2.72ドルから2.63ドルに修正され、2019〜2021年は旧い定義のままです。表の上から下へ、そのまま伸び率を計算するのは避けてください。

2024年の1株あたりの数字を並べると、純利益1.96ドル、FFO 3.03ドル、Normalized FFO 2.91ドルでした。FFOは、純利益に不動産の減価償却費などを足し戻して計算します。帳簿の上では建物や設備が毎年目減りしていても、現金は出ていかない。大家さんが確定申告で減価償却費を計上しても、通帳のお金は減らないのと同じ理屈です。ただ、FFOが使われる理由はそれだけではありません。帳簿の上の減価償却は建物の価値が毎年決まった額だけ減る前提ですが、実際の不動産の値段は市場で上下します。そこで米国のREITでは、純利益とあわせてFFOを稼ぐ力の物差しにしています。もっとも、FFOは修繕や設備の更新に実際にかかるお金を引く前の数字で、手元に残る現金そのものではありません。

そのうえで、表の中でいちばん目を引くのは、コアMH基本賃料の伸びの列です。2019〜2024年は、毎年+4.6〜6.8%の伸びで、2020年も+4.6%でした。隣のコアRVの列が、+1.1%(2020年)、+12.9%(2021年)、+0.2%(2025年1〜9月)と大きく揺れるのとは対照的です。正直に言うと、ここまで差がはっきり出るとは思っていませんでした。

2026年の賃料についても、ELSは2025年10月に、MHは約半数の居住者への通知で平均+5.1%、RVの年間契約は95%超の区画で+5.1%と示しています。賃料を上げる力が、来年分まで見えている形です。

ただし、コアMHの稼働率は、2019年の95.4%(年平均)から2024年10〜12月期の94.9%、2025年1〜9月の94.4%(前年同期94.9%)へと、少しずつ下がっています。賃料の伸びが、稼働率の小さな低下を上回っているのがいまの姿です。2025年9月末の利払いに対する利益の倍率(インタレストカバレッジ)は5.8倍、2025年の配当は年2.06ドル(前年比+7.9%)でした。

Sun Communitiesはマリーナを56.5億ドルで売り、MHとRVの会社に絞った

SUI(暦年) 総収入(百万ドル) Core FFO/株(ドル) 一時滞在収入・全部門(百万ドル) 純有利子負債÷Recurring EBITDA 配当/株(ドル)
2019年 1,264.0 4.92 121.5 ― ―
2020年 1,398.3 5.09 134.7 6.9倍 3.16
2021年 2,272.6 6.51 281.4 ― 年率3.32
2022年 2,969.7 7.35 353.3 6.0倍 3.52
2023年 3,224.6 7.10 345.6 6.1倍 3.72
2024年 3,221.1 6.81 323.6 6.0倍 3.76
2025年1〜9月 1,790.9(前年同期1,745.9) 5.28(同5.41) 245.4(同257.2) 3.3倍(9月末) 0.94、1.04、1.04(ほかに特別分配4.00)

※2020年10月30日に買収したマリーナ会社Safe Harbor Marinasの収入を、2020年は買収後の約2か月分、2021年以降は通年で含む。2020年の6.9倍は、Safe Harborの負債を全額含む一方、EBITDAは2か月分だけ。2025年1〜9月の総収入と一時滞在収入はマリーナを除く継続事業ベースで、前年同期も組み替えた値。Core FFOの定義は時期によって見直されているため、各年の公表値のまま載せた。「―」は今回の資料で確認できていない数字。

用語メモ:Core FFO=SUIが、一時的とみなす項目を調整した会社独自のFFO。Recurring EBITDA=SUIが定義する、一時的な項目を除いたEBITDA。

SUIの1株あたりCore FFOは、2022年の7.35ドルをピークに、2024年には6.81ドルまで下がりました。純有利子負債は稼ぎ(Recurring EBITDA)の約6倍。マリーナという、RVとも住宅とも性格の違う事業を抱え、借入も重い。2025年の大きな決断は、この状態から出発しました。

日付 出来事
2025年2月24日 Safe Harbor Marinas(2024年末で138か所)の全持分を、投資会社Blackstoneのインフラ投資の関連会社に56.5億ドル(全額現金、2024年の推計FFOの約21倍)で売ることで合意。MHとRVに特化した会社になり(NOIの約9割が北米のMHとRVになる)、純有利子負債÷EBITDAは約6.0倍から2.5〜3.0倍へ下がる見込みと発表
2025年4月30日 最初のクロージング。税引前の純手取りは約52.5億ドル、帳簿の上の売却益は約14億ドル
2025年4〜6月期 銀行の借入枠(クレジットファシリティ)16億ドル、担保付きの借入7億3,770万ドル、無担保社債9億5,650万ドルを返済。1株(OPユニットは1口)あたり4.00ドルの特別分配(OPユニット分を含む総額5億2,130万ドル)
2025年6月30日〜8月31日 同意待ちだった残り9社の売却が完了。手取りは合計約55億ドル
2025年7月30日 CEO(最高経営責任者)の交代を発表
2025年10月1日 Charles D. Young氏がCEOに就任。40年勤めたGary A. Shiffman氏の引退に伴うもの
2025年10月29日まで 年初からの自社株買いは400万株、5億30万ドル(平均125.74ドル)

用語メモ:クロージング=売買契約のあと、代金の支払いと持分の引き渡しが実際に終わること。特別分配=ふだんの配当とは別に、一度だけ出す分配金。

売却価格は推計FFOの約21倍で、逆数にすると約4.8%(当ブログ計算)。持っている事業を、その事業が生む稼ぎの約21年分で売ったことになります。返済した借入は、表の3つを足すと約33億ドル(当ブログ計算)。純有利子負債÷Recurring EBITDAは、2024年9月末の6.0倍から2025年6月末に2.9倍まで下がり、9月末は3.3倍でした。

大家さんの言葉でいえば、安定したアパート群と、毛色の違う大きな一棟を持っていた大家が、その一棟を売り、借入を返し、出資者に特別な分配をして、さらに共同オーナーの持分を買い戻した、という順番です。その途中で、40年勤めた経営者からバトンも渡りました。

2025年のCore FFOの見通しは、10月29日の時点で6.59〜6.67ドルです。2月に示した4.81〜5.05ドルは、マリーナを除き売却の効果も入れていない数字で、範囲が違うため比べられません。英国の事業は保有を続け、土地の所有権を買い戻す取引を28件(3億2,360万ドル、10月29日まで)進めています。

なお、ELSの借入の倍率は現金を差し引かない「総負債÷調整後EBITDAre」、SUIは現金を差し引いた「純有利子負債÷Recurring EBITDA」です。4.5倍と3.3倍を並べて「SUIのほうが軽い」とは言えません。

キャンピングカー株は、景気の波をまともに受ける

土地を貸す側から、箱をつくる側へ目を移します。

左はRVIAが集計したRVの卸出荷台数です。2019年40.6万台、2020年43.0万台から、2021年に60.0万台と過去最高を記録し、2022年49.3万台、2023年31.3万台へ。2021年から2年で47.8%減り、ほぼ半分になりました(当ブログ計算)。2024年は33.4万台(業界メディアRV PROの報道による)、2025年1〜10月は29.7万台で前年同期比+3.6%と、持ち直しは小幅です。右はRVメーカー2社の純利益で、THOは2022年度の1,137.8百万ドル、WGOは390.6百万ドルを山に、2025年度はそれぞれ258.6百万ドル、25.7百万ドルまで落ちています。

用語メモ:卸出荷台数=メーカーからディーラーへ出荷した台数(据え置いて使う「パークモデル」と呼ばれるRVは別集計)。消費者が買った台数とは一致しません。トーアブル=車で引いて走るトレーラー型のRV。モーターホーム=それ自体が走る自走式のRV。

年度 THO売上 THO純利益 WGO売上 WGO純利益
2019年度 7,864.8 133.3 1,985.7 111.8
2020年度 8,167.9 223.0 2,355.5 61.4
2021年度 12,317.4 659.9 3,629.8 281.9
2022年度 16,312.5 1,137.8 4,957.7 390.6
2023年度 11,121.6 374.3 3,490.7 215.9
2024年度 10,043.4 265.3 2,973.5 13.0
2025年度 9,579.5 258.6 2,798.2 25.7
2022→2025年度 −41.3% −77.3% −43.6% −93.4%

※単位:百万ドル。THOは7月期(2025年度=2024年8月〜2025年7月)で、純利益は親会社株主に帰属する額。WGOは8月の最終土曜日が期末(2025年度は2025年8月30日まで)。THOの2019年度は2019年2月に買収した欧州のErwin Hymer Groupを約6か月分含む。増減率は当ブログ計算。

この表で見てほしいのは、売上と純利益の落ち方の違いです。2022年度から2025年度に、売上はTHOが41.3%、WGOが43.6%減りましたが、純利益はそれぞれ77.3%、93.4%減りました。売上に対する純利益の割合は、THOが約7.0%から約2.7%へ、WGOが約7.9%から約0.9%へ(当ブログ計算)。売上が4割減ると、純利益は8〜9割減る。工場や人員といった固定費を抱えるメーカーの宿命だと私は見ています(当ブログの見方)。

2025年度のTHOは、北米のトーアブルの出荷が+6.2%(119,790台)と増えた一方、北米のモーターホームは−8.6%、欧州は−19.7%でした。2026年度(2026年7月期)の見通しは売上90億〜95億ドル、1株利益3.75〜4.25ドルで、北米の小売は「一桁前半から半ばの減少」を想定しています。WGOは2025年度の粗利率が13.0%(前期14.6%)、2026年度の見通しは売上27.5億〜29.5億ドル、1株利益1.25〜1.95ドル(調整後2.00〜2.70ドル)です。

では、メーカーの落ち込みは「動く宿」の需要が消えたことを意味するのでしょうか。私はそうは読みません(当ブログの見方)。メーカーの売上は、その年に新しく出荷される箱の数で決まります。一方、REITの年間契約やMHの賃料は、すでにある箱を置く場所の対価です。出荷が2年で半分になった時期にも、ELSのMHと年間契約RVの賃料は伸び続けました。揺れたのは、1泊単位の一時滞在と、新しい箱の売れ行き。どちらも、その年の財布の紐に直結する部分です。

販売店のCamping Worldは、7〜9月期に1.75億ドルの税金費用を計上した

CWH(暦年) 売上 純利益(CWH帰属) 調整後EBITDA 新車の販売台数 中古車の販売台数
2019年 4,892.0 −60.6 166.0 66,111 36,213
2020年 5,446.6 122.3 565.0 77,827 37,760
2021年 6,913.8 278.5 942.1 77,777 48,938
2022年 6,967.0 136.9 653.4 70,429 51,325
2023年 6,226.5 33.4 286.2 58,731 56,823
2024年 6,100.0 −38.6 178.8 70,484 51,032
2025年1〜9月 5,195.6(前年同期4,895.5) −22.5(同−7.0) 269.1(同181.3) 63,708(同58,909) 51,539(同40,459)

※単位:百万ドル(台数を除く)。CWHは12月決算。調整後EBITDAは会社の定義。

販売店のCWHは、2025年1〜9月に売上が前年同期比+6.1%、調整後EBITDAが+48.4%、新車の販売台数が+8.1%、中古車が+27.4%と、商売の数字は前年より良くなっています(当ブログ計算)。それなのに、CWHに帰属する純利益は−22.5百万ドルの赤字で、前年同期の−7.0百万ドルより悪化しました。7〜9月期だけでは−40.4百万ドルです。店舗数は2024年末の206から2025年9月末の197へ減っています。

7〜9月期に、繰延税金資産の全額に評価性引当額を計上し、175.4百万ドルの税金費用が出ました。あわせて、TRA(税金の節約分の一部を上場前からの株主に払う契約)の負債を149.2百万ドル調整しています。

用語メモ:繰延税金資産=将来の税金を減らせる見込みの分を、前もって資産として計上したもの。評価性引当額=その見込みのうち、実際には使えないかもしれない分を資産から差し引くもの。日本の会社でいう「繰延税金資産の取り崩し」に近い処理です。

税理士として補足すると、評価性引当額による税金費用は、一般にその期に現金で税金を払ったものではありません。ただ、「将来の税金を減らせる」と見込んでいた資産を帳簿から外す判断そのものは軽くありません。その判断の背景は、今回の資料からは確かめられていません。本業の数字が戻り始めたところで、税金の判断が最終の利益を押し下げた。損益計算書は上から下まで読んで初めて意味がわかる、というよい例です。

ホテル大手も、移設できる宿に近づいている

上場企業ではありませんが、米国には、トレーラーや小さなキャビン、テントを使う宿の事業者もあります。第1回で見た「移設できる小屋・グランピング」に近い型です。ここは二次資料(報道や法律事務所のニュースなど)が多いので、出どころを書き添えて並べます。

事業者 形 規模 資本・提携
AutoCamp Airstreamのトレーラー、キャビン、テント。各拠点にクラブハウス 2024年2月時点で9拠点(開業予定の3拠点を含む) 2019年1月に1億1,500万ドルを調達、THO傘下のAirstreamと独占契約(2018年12月)〈いずれも報道〉。2024年2月にヒルトンと提携〈ヒルトンの発表〉
Postcard Cabins(旧Getaway) 大都市から約2時間圏の小さなキャビン 2024年12月に29拠点・1,200室超〈二次資料〉 累計8,180万ドルを調達。2024年12月19日にマリオットがブランドの買収を発表(価格は非公表)〈二次資料〉
Under Canvas 国立公園の近くの、サファリ型のテント 2025年3月時点で13か所〈会社発表〉 投資会社KSL Capitalが出資(2018年12月、条件は非公表)。2025年のシーズンに向けて、過去最大という5,000万ドルの設備投資を発表〈会社発表〉。ハイアットと提携〈報道。2025年5月より前〉

AutoCampは、THOの傘下にあるAirstreamのトレーラーを客室にした宿で、報道によると2019年には繁忙期の料金が1泊500ドル近くになることもありました。メーカーと宿が、箱を通じてつながっている例です。2019年より後の資本の構成や、2025年11月時点の拠点数は確認できていません。Postcard Cabinsも、マリオットが買ったのはブランドで、土地やキャビンを誰が持っているのかは、確認できた資料には書かれていません。

ヒルトンは自社の発表で、マリオットとハイアットは報道などの二次資料で、この分野の事業者との提携や買収が伝えられています。大手が求めているのは、土地や箱そのものより、予約の仕組みと会員に売れる「体験」のほうだと私は見ています(当ブログの見方)。土地を持つELSやSUIとは、同じ「動く宿」でも立ち位置がまるで違います。

株価は5社中4社が2019年末を下回る。土地の会社も値札は下がった

銘柄 2019年末 2024年末 2025年11月28日 2019年末からの騰落率 2025年の年初からの騰落率 時価総額(百万ドル)
ELS 70.39 66.60 62.87 −10.7% −5.6% 12,186
SUI 150.10 122.97 128.84 −14.2% +4.8% 15,933
THO 74.29 95.71 105.62 +42.2% +10.4% 5,559
WGO 52.98 47.78 36.19 −31.7% −24.3% 1,021
CWH 14.74 21.08 11.19 −24.1% −46.9% 703

※株価(ドル)は株価データサイトDigrinの月末終値(二次資料。株式分割などの調整をしていない値として扱った)。騰落率は当ブログ計算で、配当を含まない(SUIは2025年の4.00ドルの特別分配も含まない)。時価総額=2025年11月28日の株価×発行済株式数(ELS 193,828,480株〈2025年10月22日〉、SUI 123,668,389株〈10月23日〉、THO 52,633,210株〈9月16日〉、WGO 28,206,785株〈10月15日〉、CWH A株62,819,556株〈10月24日〉)。CWHは上場していないB株39,466,964株を含めると1,145百万ドル(B株と事業会社の持分が1対1で対応するという当ブログの前提によるもので、未確認)。

2019年末と比べて株価が上がっているのはTHOだけで、ほかの4社は下回っています。土地を貸すELSとSUIも、それぞれ−10.7%、−14.2%です。

REITの値札は、株価がFFOの何倍かで見ます(P/FFO)。ELSは株価62.87ドルを2025年のNormalized FFOの見通しの中央値3.06ドルで割って20.5倍、配当利回りは3.3%(年2.06ドル÷株価)。SUIは2025年のCore FFOの見通しの中央値6.63ドルで割って19.4倍、配当利回りは3.2%(四半期1.04ドル×4÷株価)です(いずれも当ブログ計算)。

参考までに、2019年末の株価を2019年のFFO(ELSは旧定義のNormalized FFO 2.09ドル、SUIはCore FFO 4.92ドル)で割ると、ELSは約33.7倍、SUIは約30.5倍でした(当ブログの単純計算。定義も、実績か見通しかも違うので、目安にとどめてください)。1株あたりのFFOは増えたのに、株価は下がった。値札の倍率が下がったということです。倍率を利回りに直すと、ELSは約3.0%から約4.9%へ。大家さんなら、家賃は上がったのに、買い手が求める利回りが上がって物件の値段が下がった、という経験に近いと思います。倍率が下がった理由は、今回の資料からは特定できません。

メーカーのPER(株価÷1株利益)は、THOが2025年度の実績4.84ドルに対して21.8倍、2026年度の見通しの中央値4.00ドルに対して26.4倍。WGOは2026年度の調整後の見通しの中央値2.35ドルに対して15.4倍です(当ブログ計算)。PERとP/FFOは物差しが違うので、REITの倍率と並べて比べることはできません。

THOの株価が2019年末より高いのは、起点の2019年度の純利益が133.3百万ドルと、2025年度の258.6百万ドルより少なかったことと無関係ではないでしょう(当ブログの見方)。逆にCWHは、2019年末から2024年末までは+43.0%だったのに、2025年に入って−46.9%です。波のある会社ほど、起点の取り方で景色が変わります。ここに挙げた数字は、どの銘柄が割安か割高かを示すものではありません。

大家が持ち帰れるのは、「動かない土地」と「お客さんが持ってくる建物」

米国の5社の決算を読み終えて、私の頭に残ったのは、少し皮肉な結論でした。「動く宿」の世界でいちばん安定して稼いでいたのは、動かない土地だったのです。

ELSのMHの賃料は、2019〜2024年に毎年+4.6〜6.8%伸び、2020年も止まりませんでした。一方、1泊単位の一時滞在は、ELSでもSUIでも2024年、2025年(1〜9月)と続けて減りました。長く貸す賃料は、1泊の売上より粘り強い。これは、第1回で見た日本の簡易宿所の稼働率の低さや、第4回で見た1泊単位で区画を貸すRVパークを考えるうえでも、覚えておきたい物差しです(当ブログの見方)。

もう一つは、「建物はお客さんが持ってくる」という形です。ELSやSUIのランドリースでは、家やRVはお客さんのもので、会社は区画と共用施設を持ちます。そして、家を動かすのに多額の費用と手間がかかることが、結果として賃料を支えています。日本の大家さんの身近なところでは、月極駐車場や底地が、同じ発想の商売だと言えるかもしれません(当ブログのたとえ)。

日本の「移動式ホテル」では、動かせることそのものが売り文句になりがちです。けれども米国のランドリースでは、動かしにくいことが賃料の強さを生んでいました。どちらがよいという話ではなく、「動かせる」と「動かない」のどちらに収益の根っこを置くかで、事業の性格が変わるということです(当ブログの見方)。そして日本では、どこまで動かせるかが法律上の扱いにもかかわってきます。

箱をつくる側と売る側は、景気の波をまともに受けていました。第3回で見た、トレーラーハウスの客室を1室ずつ買って借り上げてもらう投資は、言ってみれば箱を持つ側に立つ投資です。箱の値段や売れ行きが景気で大きく動きうることは、米国の数字が教えてくれています(当ブログの見方)。

そして値札の話。賃料が伸びても、ELSとSUIの株価は2019年末を下回りました。物件の価値は、家賃だけでなく、買い手が求める利回りでも決まる。大家さんが日々感じていることを、米国の上場REITも同じように経験しています。数字の向こうに自分の物件の姿が見えてくるところに、海外の決算を読む楽しさがあると私は思っています。

次回の第6回は日本に戻り、トレーラーハウスやコンテナは「建物」なのか「車」なのか、建築基準法・旅館業法・都市計画法の「ねじれ」を整理します。

 

※本記事は公表資料をもとにした情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買や特定の投資商品への投資を勧めるものではありません。税務・法律の取扱いは個別の事情によって変わるため、実行の前に税理士・建築士・行政の窓口などの専門家にご確認ください。 ※数値は各社・各機関の公表資料をもとに当ブログが集計・計算したもので、四捨五入の関係で合計が合わない場合があります。 ※株価は2025年11月28日の終値(配当を含まない)です。

出典・参考

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  • ELS Reports Fourth Quarter Results(2024年10〜12月期、Equity LifeStyle Properties、Stock Titan転載、2025年1月27日)https://stocktitan.net/news/ELS/els-reports-fourth-quarter-lgq9h4a049kn.html
  • Form 8-K Exhibit 99.1 Q4 2024 earnings release(SEC EDGAR/Equity LifeStyle Properties、2025年1月27日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/895417/000089541725000003/elsex9914q24.htm
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  • Form 10-K(2025年7月期、SEC EDGAR/THOR Industries、2025年9月)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/730263/000073026325000019/tho-20250731.htm
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  • October RV Shipments Down 1.2% YOY(RV PRO、2025年11月25日)https://rv-pro.com/news/october-rv-shipments-down-1-2-yoy/
  • 2022 RV Shipment Surpass 493,000 For Third Best Year On Record(RV Industry Association、2023年1月)https://www.rvia.org/reports-trends/rv-shipment-reports/2022-12/2022-rv-shipment-surpass-493000-third-best-year-record
  • RV Shipments Top 313,000 for 2023(RV Industry Association、2024年1月)https://www.rvia.org/reports-trends/rv-shipment-reports/2023-12/rv-shipments-top-313000-2023
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  • 2020 RV Shipments Surpass 2019 By 6% With December Shipments Best On Record(RV Industry Association、2021年1月)https://www.rvia.org/reports-trends/rv-shipment-reports/2020-12/2020-rv-shipments-surpass-2019-6-december-shipments-best-record
  • 株価:Equity LifeStyle Properties (ELS) – Price History(Digrin、2025年11月までの月末終値)https://www.digrin.com/stocks/detail/ELS/price
  • 株価:Sun Communities (SUI) – Price History(Digrin、2025年11月までの月末終値)https://www.digrin.com/stocks/detail/SUI/price
  • 株価:Thor Industries (THO) – Price History(Digrin、2025年11月までの月末終値)https://www.digrin.com/stocks/detail/THO/price
  • 株価:Winnebago Industries (WGO) – Price History(Digrin、2025年11月までの月末終値)https://www.digrin.com/stocks/detail/WGO/price
  • 株価:Camping World Holdings (CWH) – Price History(Digrin、2025年11月までの月末終値)https://www.digrin.com/stocks/detail/CWH/price
  • Hilton partners with AutoCamp(Hilton、Business Wire、2024年2月27日)https://www.businesswire.com/news/home/20240227103264/en
  • Airstream Hotel Chain Raises $115 Million in New Bet on Glamping(Bloomberg、com転載、2019年1月30日)https://www.wealthmanagement.com/wealth-management-industry-trends/airstream-hotel-chain-raises-115-million-in-new-bet-on-glamping
  • Getaway Announces $41.7M in Series C Funding by Certares(Certares、2021年2月8日)https://certares.com/news/getaway-announces-41-7m-in-series-c-funding-by-certares-accelerating-outpost-openings-across-the-u-s/
  • Postcard Cabins Acquired by Marriott International(Barack Ferrazzano、2024年12月19日)https://bfkn.com/newsroom/news/postcard-cabins-acquired-by-marriott-international
  • Marriott acquires Postcard Cabins(Globetrender、2025年1月27日)https://globetrender.com/2025/01/27/marriott-acquires-postcard-cabins/
  • Under Canvas Enters Next Phase of Growth with Investment by KSL Capital(KSL Capital Partners、2018年12月21日)https://www.kslcapital.com/news/under-canvas-enters-next-phase-of-growth-with-investment-by-ksl-capital
  • Under Canvas Announces Record $50 Million Capital Investment(Under Canvas、2025年3月18日)https://www.undercanvas.com/press-releases/under-canvas-announces-record-50-million-capital-investment-to-further-elevate-guest-experience-and-enhance-access-to-the-outdoors/
  • Hyatt partners with upscale outdoor hospitality provider Under Canvas(Hospitality Investor、掲載日の記載なし・2025年5月より前)https://www.hospitalityinvestor.com/brands/hyatt-partners-upscale-outdoor-hospitality-provider-under-canvas