東雲結子:先生、IHGの株価を調べてきました! ロンドンで「9,738」。ドルで決算を出す会社だから9,738ドル……えっ、1株150万円!? 私の貯金だと、1株の角っこしか買えません!

税理士石井:うーん、落ち着いてください。その数字の単位はペンスです。100ペンスで1ポンドなので97.38ポンド、1ポンド201.15円で換算すると1株約1万9,600円です。

東雲結子:ペンス……。150万円の値札が、2万円弱に縮みました。決算はドル、株価はポンドでしかも表示はペンス、私のお財布は円。頭の中の両替所に、行列ができています。

税理士石井:そうなんです。しかも同じ株なのに、2024年末から11月7日までの値動きは、ロンドンでは−2.2%、ニューヨークのADRでは+4.2%でした。

東雲結子:同じ会社なのに成績表が2枚! 子どものころの私なら、いいほうだけ親に見せていました。

税理士石井:ははは。残念ながら、差の正体は会社の実力ではなく、ポンドとドルの為替です。会社の中身はひとつ。その中身がなかなかで、手数料ビジネスの利益率「フィー・マージン」は、2025年上半期に64.7%でした。

東雲結子:64.7%! じゃあ売上高の6割以上が利益ですね。ホテルって、そんなにもうかるんですか?

税理士石井:おっと、そこが落とし穴です。64.7%は手数料ビジネスだけの話。2024年の売上高全体を見ると、53%はシステムファンドの収入と立て替えた費用の回収で、利益はほとんど生みません。大家さんでいえば、管理会社の口座を通り過ぎていくだけのお金です。

東雲結子:あっ、通帳を通り過ぎるだけのお金……。それ、私のお給料のことですか?

税理士石井:えーっと、それは家計の連載で扱いましょう。今日は、英国に上場してドルで稼ぐ「看板貸し」の会社を、ポンドとドルを行き来しながら決算書で読んでいきます。

連載の第5回は、IHG(インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ)です。「ホリデイ・イン」などの看板の会社ですが、ここまでの米国3社とは決算書の勝手がずいぶん違います。ロンドン上場の英国の会社で、ニューヨークにはADR(米国預託証券)。決算は米ドル建てで、会計基準はIFRS(国際財務報告基準)。3か月ごとの損益計算書はなく、7〜9月は10月23日の「トレーディング・アップデート」(営業状況の報告)だけです。

大家業にたとえると、IHGは「物件をほとんど持たずに、看板と管理の仕組みを貸している会社」です。だから利益率は高くなりやすく、借入を使った株主還元にも積極的。この両面を、数字で確かめていきましょう。

IHGは、ロンドンに上場しドルで決算を組む「20ブランドの看板会社」

正式な社名はInterContinental Hotels Group PLC。普通株はロンドン証券取引所(LSE)、ADS(米国預託株式)はニューヨーク証券取引所(NYSE)に、どちらも「IHG」で上場し、1 ADSは普通株1株に当たります。決算期は12月、報告通貨は米ドル。米国に外国企業向けの年次報告書「Form 20-F」を出していますが、米国会計基準への調整表は付いていません。

用語メモ:ADR=American Depositary Receipt(米国預託証券)。外国株を米国の市場でドルで売買できるようにした証券で、ADSはその1口。この記事のADRは預託証券のことで、平均客室単価(Average Daily Rate)ではありません。IFRS=国際財務報告基準で、米国会計基準(US GAAP)とはリースの扱いなどが違います。

ブランドは、2025年2月にRubyを買収して20になりました。

ティア(価格帯) ブランド
ラグジュアリー&ライフスタイル Six Senses、Regent、InterContinental、Vignette Collection、Kimpton、Hotel Indigo
プレミアム voco、HUALUXE、Crowne Plaza、EVEN Hotels、Ruby
エッセンシャルズ Holiday Inn、Holiday Inn Express、Garner、avid
スイーツ Atwell Suites、Staybridge Suites、Holiday Inn Club Vacations、Candlewood Suites
独占パートナー Iberostar Beachfront Resorts

※IHG Annual Report 2024の分類による。Rubyは2025年2月に買収した20番目のブランド。

2025年9月末の規模は6,845軒・1,010,756室。会員プログラム「IHG One Rewards」の会員は2024年末で1億4,500万人を超え、2024年の客室売上の81%はIHG自身の販売チャネル経由でした。大家が管理会社選びで重視する「客付けの力」の、ホテル版です。看板の下にあるホテル全体の売上は2024年に334億ドルですが、その大半は他人が持つホテルの売上です。

客室の72.7%はフランチャイズ。自分で持つのは0.4%だけ

契約の形(2025年9月末) 軒数 客室数 客室の構成比
フランチャイズ 5,782 734,598 72.7%
運営受託 1,046 271,967 26.9%
保有・リース 17 4,191 0.4%
合計 6,845 1,010,756 100%

※保有・リースにはマネージド・リースを含む。構成比は当ブログ計算。出典はIHGの2025年7〜9月期の補足資料。

フランチャイズは「看板貸し」です。ホテルを持って運営するのはオーナーで、IHGはブランドと予約・会員の仕組みを貸して手数料を受け取ります。運営受託は「管理会社」、保有・リースは「大家」。IHGが自分で持つ(または借りる)ホテルは17軒・4,191室、全体の0.4%にすぎません。

地域(2025年9月末) 客室数 構成比 うちフランチャイズ うち運営受託 パイプライン(客室)
米州 523,625 51.8% 487,213 35,075 109,145
EMEAA 280,380 27.7% 165,345 112,181 115,228
グレーターチャイナ 206,751 20.5% 82,040 124,711 117,385

※米州・EMEAAの残りは保有・リース(米州1,337室、EMEAA 2,854室)。パイプラインは契約済みで未開業の客室。

地域で分けると、顔つきがはっきり違います。米州は客室の約93%がフランチャイズで(当ブログ計算)ほぼ看板貸しの世界、グレーターチャイナは約60%が運営受託です。その違いは手数料にも表れ、2024年のインセンティブ・フィー(運営受託で、ホテルの業績に応じて受け取る成功報酬)178百万ドルのうち、EMEAAが118百万ドル、グレーターチャイナが39百万ドルで、米州は21百万ドルだけでした。

用語メモ:EMEAA=Europe, Middle East, Asia and Africa(欧州・中東・アジア・アフリカ)の頭文字。IHGはグレーターチャイナ(中華圏)を別の地域として集計しています。

売上高49億ドルの53%は、利益をほぼ生まない「通り過ぎるお金」

2024年12月期の売上高 百万ドル 構成比
フィー事業収入(手数料ビジネス) 1,774 36.0%
うちフランチャイズ+基本運営受託フィー 1,357 ―
うちインセンティブ運営受託フィー 178 ―
うちセントラル収入(提携クレジットカードなど) 239 ―
保有・リース等のホテル売上 515 10.5%
保険事業 23 0.5%
システムファンド収入 1,611 32.7%
費用償還収入 1,000 20.3%
売上高合計(IFRS) 4,923 100%

※構成比は当ブログ計算。フランチャイズ・フィーと基本運営受託フィーは分けて開示されていない。セントラル収入には提携クレジットカードの手数料やポイント販売の取り分などが含まれる。

2024年12月期の売上高は4,923百万ドル(1ドル154.04円で換算して約7,583億円)。そのうちシステムファンド収入1,611百万ドルと費用償還収入1,000百万ドルの割合は53.0%。費用償還収入はホテルのために立て替えた費用の回収で、同額の費用が載るので利益はゼロです。システムファンドは、会社が「長期的に黒字も赤字も出さない」方針で運営する基金。第1回で見た「立替収入」のIHG版です。

ただ、ファンドの損益は2022年−105百万ドル、2023年+19百万ドル、2024年−83百万ドル、2025年1〜6月+31百万ドルと振れます。IHGはこれを本業の物差しである「報告セグメント」と調整後EPS(1株あたり利益)から外しているので、ファンドが赤字の年は調整後EPSが基本EPSより大きく(2024年:432.4セント対389.6セント)、黒字の年は小さく(2023年:375.7セント対443.8セント)なります。

大家さんの共益費に近い感覚です。共用部の電気代や清掃で使い切るのが前提で、少し余った年があっても本業のもうけとは呼びませんよね。見るべきは、フィー事業収入1,774百万ドル(約2,733億円)と、保有・リースと保険を加えた「報告セグメント売上」2,312百万ドルです。

用語メモ:システムファンド(System Fund)=IHGが長期的に収支トントンをめざして運営する基金。収入は売上高に入り、損益は報告セグメントと調整後EPSから除かれます。

成長のエンジンは客室の純増。9月末は前年比4.4%、ベネチアンを除けば5.2%

手数料ビジネスの成長は、客室の数(NUG)と1室あたりの売上(RevPAR)の2本柱で見ます。まずは客室の数から。

年・時点 純客室増加率(NUG) 補足
2019年 5.6% 開業65,220室、退出18,198室
2020年 0.3% SVC(ホテルのオーナー企業)の物件群との契約終了を除くと2.2%
2021年 −0.6% 総増加率は5.0%
2022年 4.3% ロシア撤退分を調整した値
2023年 3.8% Iberostarを除くと3.2%
2024年 4.3% 総増加率6.2%、退出率1.9%
2025年9月末(前年同月比) 4.4% The Venetianを除くと5.2%、総増加率7.2%

※出典は各年の決算発表と2025年7〜9月期のトレーディング・アップデート。

2025年は、ラスベガスのThe Venetian Resort(7,092室)が1月にシステムから抜け、報告ベースの伸びを約0.8ポイント押し下げました。会社はこれを除いた5.2%も公表しています。通期のNUGに正式な見通しはなく、10月の電話会議では、市場予想(The Venetianを除き約4.5%)の達成に問題はないとの認識でした。

これから開業する客室の「予約リスト」であるパイプラインは、9月末で2,316軒・341,758室(前年比+4.7%)。既存客室の33.8%に当たり、6月末時点で40%超が着工済みです。地域別にはほぼ3等分で、グレーターチャイナでは既存客室の約57%に相当します(当ブログ計算)。2025年上半期の開業の57%は、既存ホテルの看板替え(転換)でした。新築を待つより、入居者のいる物件の管理を丸ごと引き受けるほうが立ち上がりは早い。成長の舞台も伸ばし方も、少しずつ変わってきています。

用語メモ:NUG=Net Unit Growth(純客室増加率)。開業から退出を差し引いた客室の純増を、1年前の客室数で割った率。パイプライン=契約済みで未開業のホテル(建設中を含む)。

RevPARは米国が重荷。7〜9月の米国は前年比−1.6%

既存店RevPAR(前年比) 2024年 2025年1〜6月 2025年7〜9月 2025年1〜9月
全社 +3.0% +1.8% +0.1% +1.4%
米州 +2.5% +1.4% −0.9% +0.8%
うち米国 +1.7% +1.2% −1.6% +0.4%
EMEAA +6.6% +4.1% +2.8% +3.8%
グレーターチャイナ −4.8% −3.2% −1.8% −2.6%

※比較可能な既存ホテル、為替一定(恒常米ドル)ベース。出典はIHGの決算発表とトレーディング・アップデート。

もう1本の柱、RevPARは2025年に入って鈍っています。7〜9月の全社RevPARは91.71ドルで前年比+0.1%。平均客室単価は128.66ドルで−0.4%、稼働率は71.3%で+0.4ポイントと、家賃を少し下げて空室を埋めたような形です。米国は−1.6%と、4〜6月の−0.9%からさらに悪化しました。米国の需要別(既存店の客室売上)は、ビジネス+2%に対し、レジャー−5%、団体−7%です。

米国が重いのは、そこが利益の重心だからです。2024年の地域別の営業利益(報告セグメントベース、会社定義。IFRSの営業利益とは別)は米州828百万ドル、EMEAA 270百万ドル、グレーターチャイナ98百万ドルで、3地域合計の約69%を米州が稼ぎました(当ブログ計算)。会社は10〜12月のRevPARを「7〜9月と同程度で、いくらか良い方向」と説明し、エリー・マルーフCEOは8月に、RevPARが予想より1ポイント上下しても着地は変わらないと思う、という趣旨の発言をしています。それでも、米国の客室単価が株価を左右しやすい構図は変わらないと私は見ています(当ブログの見方)。

用語メモ:RevPAR(レヴパー)=Revenue Per Available Room(販売可能な客室1室あたりの売上)。平均客室単価×稼働率で計算します。

フィー・マージンは上半期64.7%。ただし改善の一部は「計上の箱」の変更

フィー・マージンはフィー事業の営業利益÷フィー事業収入(会社定義)で、2024年は1,085÷1,774で61.2%。図のとおり、2019年の54.1%からコロナ禍の2020年に34.1%へ落ち、その後は毎年上昇して、2025年上半期は64.7%と前年同期の60.8%から3.9ポイント改善しました(2021年・2022年・2024年上半期は組替後の値)。なお、上半期を単純に割ると590÷908で65.0%。差は多額の違約金などを除く会社定義によるとみられますが、調整表は未確認です。

ただし中身には注意が要ります。会社は2025年の改善のうち約1.3ポイント(130bp)を付随的な収入によるものとし、米国の提携クレジットカードの新契約で約0.8ポイント、ポイント販売の収入を報告セグメントに計上する割合を50%(2024年)から100%(2025年)に上げたことで約0.5ポイント、と説明しています。提携カードの手数料は2025年に約4,000万ドル上乗せされ、2023年の3,900万ドルの2倍の水準になる見込みです。ここは、ぜひ立ち止まってほしいところです。ポイント販売の0.5ポイントは、同じお金をどの箱に入れるかの変更で、客室が増えたわけでも単価が上がったわけでもありません。前年と比べるときはこの分を差し引いて見る、というのが私の考えです(当ブログの見方)。

それでも「てこ」は本物に見えます。上半期はフィー事業収入+6.8%に対して、フィー事業の営業利益は+14.1%。会社は2025年のフィー事業の間接費を1〜2%減らす計画で、中長期にはフィー・マージンを年100〜150bp上げる目安です。管理戸数が増えても、管理会社の事務所の家賃は同じペースでは増えませんよね。

用語メモ:フィー・マージンは、保有・リース、保険、システムファンド、費用償還、多額の違約金、特別項目を除いて計算します(会社定義)。bp(ベーシスポイント)=0.01%。100bpで1ポイントです。

損益は「報告セグメント」で読む。調整後EPSは5年で42.6%増

IHGは、フィー事業・保有リース・保険を合わせた「報告セグメント」の売上と営業利益を、本業の成績として示しています。

項目(百万ドル、EPSは米セント) 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
売上高合計(IFRS) 4,627 2,394 2,907 3,892 4,624 4,923
フィー事業収入 1,510 823 1,153 1,434 1,672 1,774
報告セグメント売上 2,083 992 1,390 1,843 2,164 2,312
報告セグメント営業利益 865 219 534 828 1,019 1,124
フィー・マージン 54.1% 34.1% 49.5% 55.9% 59.3% 61.2%
営業利益(IFRS) 630 −153 494 628 1,066 1,041
親会社株主に帰属する利益 385 −260 266 375 750 628
調整後EBITDA 未取得 329 632 896 1,086 1,189
基本EPS 210.4 −142.9 145.4 207.2 443.8 389.6
調整後EPS 303.3 31.3 147.0 282.3 375.7 432.4
基本株数(加重平均、百万株) 183.0 182 183 181.0 169.0 161.2

※報告セグメント、フィー・マージン、調整後EBITDA、調整後EPSは会社定義でIFRSにない指標。2022年はIFRS第17号(保険契約)による組替後(フィー事業収入の当初発表は1,449、フィー・マージンは56.2%)、2021年のフィー・マージンは年次報告書2024の値(当初49.6%)。2019年の基本株数は純利益÷基本EPSの逆算(当ブログ計算)。

2019年から2024年の5年間で、報告セグメント営業利益は865百万ドルから1,124百万ドルへ29.9%増、フィー事業収入は17.5%増。これに対して調整後EPSは303.3セントから432.4セントへ42.6%増(年平均7.4%)と、利益の伸びを大きく上回りました。大きな要因は株数で、基本株数は183.0百万株から161.2百万株へ約12%減っています(当ブログ計算)。パイが同じでも、切り分ける人数が減れば1切れは大きくなる。コロナ禍の2020年も、IFRSの営業利益は−153百万ドルでしたが、報告セグメント営業利益は219百万ドルの黒字を保ちました。

IHGが損益計算書とキャッシュフロー計算書を出すのは、通期と上半期の年2回だけです。1〜3月と7〜9月はトレーディング・アップデートで、RevPARや客室数、自社株買いの進み具合などを報告するにとどまります。米国勢のような「1〜9月の損益」はなく、IHGの直近12か月が2025年6月末までなのはそのためです。通帳を年2回しか記帳しない大家さんのようなものですね。

2025年上半期 2024年1〜6月 2025年1〜6月 増減
売上高合計(IFRS) 2,322 2,519 +8.5%
フィー事業収入 850 908 +6.8%
フィー事業の営業利益 517 590 +14.1%
フィー・マージン 60.8% 64.7% +3.9ポイント
報告セグメント営業利益 535 604 +12.9%
営業利益(IFRS) 525 623 +18.7%
当期利益 347 469 +35.2%
調整後EBITDA 567 637 +12.3%
基本EPS(米セント) 212.5 300.1 +41.2%
調整後EPS(米セント) 203.9 242.5 +18.9%
基本株数(加重平均、百万株) 163.3 156.3 −4.3%
中間配当(米セント) 53.2 58.6 +10%

※金額は百万ドル。2024年1〜6月のフィー・マージンは組替後(当初60.6%)。増減率の一部は当ブログ計算。

上半期は、売上の伸び以上に利益が伸びる手数料ビジネスらしい形で、調整後EPSは+18.9%。会社が中長期の目安とする「調整後EPSの年平均+12〜15%」を上回り、株数の4.3%減も効いています。当期利益の+35.2%には、システムファンドの損益が−10百万ドルから+31百万ドルに振れたことなども効いており、本業とは分けて見たいところです。

見通しの出し方も違います。IHGは利益の数値ガイダンスを出さず、「通期の利益とEPSの市場予想(コンセンサス)の達成に向けて順調」と言うだけ。10月23日の電話会議で引用された市場予想(会社の予想ではありません)は、報告セグメント営業利益12.59億ドル(+12%)、調整後EPS 499セント(+15%)でした。

用語メモ:報告セグメント営業利益=システムファンドと費用償還の損益、特別項目を除いた会社定義の利益。調整後EPSはこれをもとにした1株あたり利益(基本株数、米セント)。EBITDA=利息・税金・減価償却費などを引く前の利益。

キャッシュは「キーマネー支払後」で見る。2024年はキーマネーが倍増

項目(百万ドル) 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年1〜6月
営業CF(キーマネー支払後) 653 137 636 646 893 724 312
設備投資(有形+無形資産の取得) 179 76 52 99 82 78 未取得
FCF(営業CF−設備投資) 474 61 584 547 811 646 未取得
キーマネー(返済控除後) 未取得 64 42 64 101 206 86
調整後FCF(会社定義、最新の値) 509 125 589 615 837 655 302
調整後EBITDA 未取得 329 632 896 1,086 1,189 637

※FCFは当ブログ計算で、キーマネーは営業CFの内側で差し引き済み。調整後FCFは年次報告書2024で過去分も組み替えられたため最新の値(当初発表は2020年29、2021年571、2022年565、2023年819)。2019年は組替前の旧定義。2024年1〜6月は営業CF162、調整後FCF131。

2024年の営業CFは724百万ドルで、2023年の893百万ドルから減りました。目立つのはキーマネーで、101百万ドルから206百万ドルへほぼ倍増しています。営業CFから設備投資を引いたFCFは646百万ドル。調整後EBITDAに対するFCFの比率は、2023年の約75%から2024年は約54%に下がりました(当ブログ計算)。

キーマネーは、管理会社が良い物件の管理契約を取るためにオーナーへ出す協力金のようなものです。IHGはこれを「契約資産」として資産に載せ(2023年末459百万ドル→2024年末650百万ドル)、少しずつ売上高から差し引きます。先払いを何年もかけて費用にする点は建物の減価償却に似ていますが、行き先は売上高の減額です。会社はキーマネーと維持投資で年2〜2.5億ドル、総設備投資は年最大3.5億ドルを目安にしています。2025年1〜6月の営業CFは312百万ドル(前年同期162百万ドル)、キーマネーは86百万ドルでした。

用語メモ:キーマネー(key money)=オーナーと契約するときにIHGが払う協力金。調整後FCF=IHGが独自に定義したフリー・キャッシュフロー(FCF)で、当ブログのFCF(営業CF−設備投資)とは別の指標です。

株主還元は3年続けて調整後FCFを上回る。2025年は約11.7億ドル

図の黄色が配当と自社株買いの支払額、灰色が会社定義の調整後FCFです。2020〜2021年はコロナ禍で還元ゼロ(2019年の期末配当も取り下げ)。2022年に配当を再開して自社株買いを始め、そこから3年、還元は調整後FCFの1.2倍、1.2倍、1.6倍と稼いだ現金を上回ってきました。2019年の721百万ドルには、1株262.1セントの特別配当500百万ドルが含まれます。

年 1株配当(米セント) 配当の支払額 自社株買い(枠/支払額) 還元合計 調整後FCF 還元÷調整後FCF
2022年 138.4 233 5億ドル/482 715 615 1.2倍
2023年 152.3 245 7.5億ドル/790 1,035 837 1.2倍
2024年 167.6 259 8億ドル/804 1,063 655 1.6倍
2025年 中間58.6 1〜6月180(通期 約270) 9億ドル/1〜6月425 約1,170(計画) 1〜6月302 ―

※金額は百万ドル。1株配当はその年度に対する配当で、支払額は現金ベースのため年がずれる。自社株買いの支払額は英国の印紙税・手数料込み。還元÷調整後FCFは当ブログ計算。

2025年の9億ドルの自社株買いは、10月23日時点で7億ドル(78%)まで進み、610万株を買い戻しました。自己株式を除く株式数は年初から3.9%減って1億5,240万株で、残り約2億ドル(当ブログ計算)は年末までに終える予定です。配当は2023年から3回続けて10%の増配。方針は、事業投資、配当の持続的な増配、余った資本の還元という順番で、投資適格の格付と2.5〜3.0倍の借入倍率が前提です。

それでも、2019〜2024年の累計ではFCF(営業CF−設備投資)3,123百万ドルに対して還元3,534百万ドル(113.2%)。2025年の計画約1,170百万ドルは、直近12か月(2024年7月〜2025年6月)の調整後FCF 826百万ドルの約1.4倍で(当ブログ計算)、上半期にはRubyの買収に120百万ドルも払っています。足りない分は手元資金の取り崩しと借入の増加(純有利子負債の増加)で賄う計算です。区分所有者を減らして1人あたりの持分を増やす買い戻しの資金を、一部は借りてきている。借入の余力がある間は回る仕組みです。

純資産は−23億ドル。赤字ではなく「返した」結果

2024年末のIHGの純資産合計は−2,308百万ドル。総資産4,748百万ドルに対して負債が7,056百万ドルあり、2023年末の−1,946百万ドルからマイナス幅が広がりました。日本の感覚では「債務超過」と身構えるところですが、原因は赤字ではありません。2024年の当期利益628百万ドルに対して、還元は1,063百万ドル。利益より435百万ドル多く返した計算です(当ブログ計算)。IHGは2022年2月の決算資料で、2003年以降の株主への還元が約136億ドルにのぼると説明しています。

個人の大家さんの決算書でいえば、事業主貸(生活費などへの持ち出し)が利益を上回る年が続き、元入金がマイナスになった状態に近いでしょう。家賃収入が安定し、返済も滞りなく続くなら、それだけで行き詰まるわけではありません。赤字の積み重ねによる債務超過とは成り立ちが違うからこそ、IHGも純資産ではなく「借入が稼ぎの何年分か」で財務を管理しています。

負債で大きいのは、会員ポイントの繰延収益(まだ使われていないポイントに対応する、将来の提供義務)1,653百万ドル(2024年末)です。失効するポイントの見込み(ブレイケージ)は保険数理の手法で見積もられ、1ポイント変わると±86百万ドル動きます。

純有利子負債はEBITDAの2.7倍。目標2.5〜3.0倍の中ほどへ

IHGの純有利子負債は、借入金にIFRS第16号のリース負債と通貨スワップの元本を加え、現金を引いた会社定義の数字です。

時点 純有利子負債(百万ドル) ÷調整後EBITDA
2019年末 2,665 2.7倍
2020年末 2,529 7.7倍
2021年末 1,881 3.0倍
2022年末 1,851 2.1倍
2023年末 2,272 2.1倍
2024年末 2,782 2.3倍
2025年6月末 3,361 2.7倍

※倍率は会社公表値(2020年は2,529÷329の当ブログ計算)。2025年6月末は直近12か月(2024年7月〜2025年6月)の調整後EBITDA 1,259百万ドルで割った値(2.67倍)。

2025年6月末は3,361百万ドルで、半年で579百万ドル増えました(当ブログ計算)。それでも2.7倍で、目標の2.5〜3.0倍の範囲内。格付はS&PがBBB、ムーディーズがBaa2で、いずれも投資適格です。融資契約の条件(コベナンツ)は4.0倍未満で、13.5億ドルの融資枠は2024年末時点で未使用。ただ、2020年末の7.7倍は忘れずにいたい数字です。稼ぎが急に落ちると倍率は跳ね上がり、純資産がマイナスの会社は帳簿上の余力で受け止められないぶん、稼ぎと手元資金・融資枠が頼りになります(当ブログの見方)。

2025年の見通しは、年の途中で動いています。

時点 年末の純有利子負債÷調整後EBITDAの見通し その他の主なコメント
2025年2月(2024年通期決算) 目標2.5〜3.0倍の下限付近 2025年の自社株買い9億ドルを発表
2025年8月(上半期決算) 目標レンジの中央付近 調整後の支払利息の見通しを195〜205百万ドルに絞り込み
2025年10月(7〜9月のアップデート) 目標レンジの中央付近 通期の利益・EPSの市場予想の達成に向けて順調、還元は約11.7億ドル

※出典はIHGの各決算発表、電話会議、トレーディング・アップデート。

「下限付近」から「中央付近」への変化には、Rubyの買収(上半期の支払い120百万ドル)などが効いているとみられます(当ブログの見方。会社の説明は未確認)。9月には8.5億ユーロの社債(利率3.375%、2030年満期)を発行し、通貨スワップで9.9億ドル・固定4.87%に置きかえました。外貨建てのローンを、借りるのと同時に円建ての固定金利に組み替えるような手当てです。10月時点の社債残高は約41億ドル(平均コスト約4.3%)で、2025年の調整後の支払利息は2024年の165百万ドルから195〜205百万ドルへ増える見通しです。

用語メモ:純有利子負債÷調整後EBITDA=現金を差し引いた借入が、年間の稼ぎの何年分かを示す倍率。通貨スワップ=ある通貨の借入の元本と利息を、別の通貨の支払いに交換する契約。

米国基準の3社と並べるときは、IFRSの違いを差し引く

IHGは米国会計基準への調整表を出していないので、マリオットやヒルトンと比べるときの線引きは読み手がそろえるしかありません。

論点 IHG(IFRS) 比べるときの注意
リース IFRS第16号で、リース費用は減価償却費と利息に分かれてEBITDAの外に出る。リース負債(2024年末414百万ドル)は純有利子負債に入る 米国基準の営業リース費用は営業費用に入るので、EBITDAも純有利子負債もそのままでは比べられない
本業の利益 報告セグメント営業利益と調整後EPSから、システムファンドの損益と特別項目を除く 「特別項目」はIFRSにない区分で、会社が独自に除いている
EPS 調整後EPSは基本株数(希薄化前)で計算し、米セントで表示 2024年の基本株数161.2百万株は希薄化後163.0百万株より少なく、1株あたりの数字は少し大きめに出る
売上高 システムファンドと費用償還で売上高の53%(2024年) 売上高や売上高利益率で他社と比べない
組替え 調整後FCF、2023年の会社定義の総設備投資(253→242)、2022年(IFRS第17号)、2024年上半期のフィー・マージンを後から修正 時系列は最新の組替後の値でそろえる
開示の頻度 損益・CFは年2回(通期・上半期) 直近12か月は6月末まで。米国勢(9月末まで)と3か月ずれる

※出典はIHG Annual Report 2024・Form 20-F、2025年上半期決算。

ある費用を「管理費」に入れるか「ローンの利息」に入れるかの線引きが違う2物件を、同じ利回りで比べないのと同じことです。線をそろえてから比べる。それだけで判断の誤りはずいぶん減ります。

株価の値札はEV/EBITDA 18.2倍、PER 27.2倍。ただし物差しの期間が違う

指標(2025年11月7日終値) IHG 計算の中身
株価(ロンドン) 9,738ペンス 97.38ポンド。ドル換算128.21ドル(1ポンド1.3166ドル、11月7日のロンドン株式市場終了時点)
株価(NYSEのADR) 130.18ドル 1 ADS=普通株1株
時価総額 14,841百万ポンド 97.38ポンド×自己株式を除く株式数152.4百万株(10月23日ごろ)。ドル換算19,540百万ドル、円換算約3.0兆円
EV(企業価値) 22,901百万ドル 時価総額(ドル換算)+純有利子負債3,361百万ドル(2025年6月末、リース・スワップ込み)
EV/EBITDA 18.2倍 ÷直近12か月(2025年6月まで)の調整後EBITDA 1,259百万ドル
PER(株価収益率) 27.2倍 128.21ドル÷直近12か月の調整後EPS 471.0セント(2024年通期−2024年上半期+2025年上半期)
FCF利回り 3.3% 2024年のFCF 646百万ドル÷時価総額(ドル換算)
株主還元利回り 6.0% 2025年の還元計画 約1,170百万ドル÷時価総額(ドル換算)
配当利回り 1.3% 2024年期末114.4セント+2025年中間58.6セント÷ドル換算株価
純有利子負債÷EBITDA 2.7倍 2025年6月末

※円換算は1ポンド201.15円。倍率・利回りは当ブログの計算。

同じ日の米国勢は、マリオットがEV/EBITDA 17.4倍・PER 29.1倍、ヒルトンが20.0倍・34.1倍(当ブログ計算、第2回・第3回参照)。ただし両社は2025年の会社見通し(EBITDAと調整後EPSの中央値)で割り、IHGは数値の見通しがないため6月までの実績12か月で割っています。利益が伸びている会社では、実績で割るほうが倍率は高く出ます。参考に、10月の電話会議で引用された市場予想の調整後EPS 499セント(会社の予想ではありません)で割ると、PERは約25.7倍です(当ブログ計算)。EV/EBITDAは、リースの扱いで分子(純有利子負債)と分母(EBITDA)の両方が変わるので、どちらに傾くかは一概に言えません。数字の並びだけで割高・割安を決めつけないことです。

PER 27.2倍は、利益÷株価に直すと約3.7%。実質利回り3.7%の物件を買う感覚に近いでしょう。そして、還元利回り6.0%が2024年のFCFで計算したFCF利回り3.3%を大きく上回っている。この差は、借入や手元資金で上乗せしている還元の表れです(当ブログの見方)。

日本から持つなら、ロンドンのペンスかNYのドルか。今年は通貨で成績が分かれた

日本からIHGを持つ方法は、ロンドンの普通株(ペンス建て)と、NYSEのADR(ドル建て、1 ADS=普通株1株)の2つです。11月7日の終値は、ロンドンが9,738.0ペンス(ドル換算128.21ドル)、ADRが130.18ドル。1.5%の差(当ブログ計算)は、ドル換算の為替がロンドン市場終了時点のもので、ニューヨークの取引はその後も続くことによる時間差とみられます(当ブログの見方)。2024年末から11月7日までの値動きは、ロンドンが9,954ペンスから9,738ペンスへ−2.2%、ADRが124.92ドルから130.18ドルへ+4.2%。同じ株なのにプラスとマイナスが入れかわったのは、この間にポンドがドルに対して上がったためです。

ADRには預託銀行(J.P.モルガン)の手数料がかかります。現金配当1回につき1 ADSあたり0.05ドル以下、年1回までのサービス料が0.05ドル、株式の預け入れ・引き出しは100 ADSあたり5ドル。上限で計算すると、2024年度の期末配当114.4セントの4.4%、中間配当53.2セントの9.4%、年2回の配当手数料だけで配当167.6セントの最大6.0%です(年1回のサービス料は含まない。当ブログ計算。実際の差引額は未確認)。

IHGは10月23日、ロンドンの株価の表示通貨を2026年1月をめどにポンドからドルへ切り替える方針も示しました(額面の通貨はポンドのまま、NYSEのADRには影響なし)。家賃はドルで入り、物件の値札はポンドで付き、生活費は円で払う大家さんのようなもので、為替は何層にも効いてきます。配当や売買にかかる税金の扱い(ロンドン株とADRの違いを含む)は、第9回でまとめてお話しします。

次の決算までに確かめたいのは、米国の単価、純増の勢い、そして借入の余白

まず確かめたいのは米国のRevPARです。7〜9月は−1.6%で、米州の平均客室単価も−0.5%でした。利益の7割近くを米州が稼ぐ以上、10〜12月が会社の言う「いくらか良い方向」になるかが最初の確認点です。次に客室の純増。市場予想の約4.5%(The Venetianを除く)に届くかに加えて、パイプラインの開業が進むか。年次報告書2024は「オーナーがIHGのブランドに投資する意欲や余力」を主要なリスクに挙げ、資金の調達コストもその要因に含めています。金利が高いと、ホテルを建てる側の財布が先に細ります。

フィー・マージンは、上半期の64.7%が通期でどう着地するかを、計上区分の変更による約0.5ポイントを差し引いて見てください。財務では、年末の借入倍率が見通しどおり目標レンジの中央付近に収まるか。還元が調整後FCFを上回る状態は2025年も続く計画なので、借入の余白が来年以降の自社株買いの大きさを左右します。調整後の数字はすべて会社定義で、後から組み替えられることがある点もお忘れなく。IHGの通期決算は、ここ数年は2月に発表されています(2024年通期は2025年2月18日)。

IHGの強さは「持たない」規律と看板の力。弱点は米国の重さと、借りて返す還元

IHGは、客室の72.7%がフランチャイズで、自分で持つのは0.4%だけという徹底した看板貸しの会社です。フィー・マージンは上半期に64.7%まで上がり、調整後EPSは5年で42.6%増えました。一方で、売上高の53%は利益をほとんど生まないお金で、稼ぎの7割近くは米州頼み。還元は3年続けて調整後FCFを上回り、その結果が−23億ドルの純資産と、目標レンジの中ほどへ上がる借入の倍率です。

大家業を長く続けていると、物件を持たずに管理と客付けで稼ぐ会社の身軽さが、少しうらやましくなります。ただ、身軽な会社ほど、借りて返す余地も大きい。IHGの決算書は、その強さと危うさを正直に映していました。通貨が入りまじる会社だからこそ、まず会社の通貨であるドルで中身を確かめ、そのあとで自分の通貨で値札を見る。この順番を大切にしてください。

明日の第6回は、フランスのアコー(Accor)です。株主還元利回り7.7%、地域分散とラグジュアリーを武器にする欧州勢を、ユーロ建ての決算書から読み解きます。

 

※本記事は公表資料をもとにした情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。投資の判断はご自身の責任で行ってください。 ※数値は各社の決算資料(年次報告書・四半期報告書・決算発表資料)をもとに当ブログが集計・計算したもので、四捨五入の関係で合計が合わない場合があります。株価は2025年11月7日の終値、円換算は三菱UFJ銀行の2025年11月6日の仲値(1ドル154.04円)を使っています。

出典・参考

  • IHG Annual Report and Form 20-F 2024(InterContinental Hotels Group PLC、2025年2月27日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/858446/000119312525037543/d867363d20f.htm
  • IHG Form 20-F 2024 財務データ(xlsx)(InterContinental Hotels Group PLC、2025年2月27日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/858446/000119312525037543/Financial_Report.xlsx
  • IHG Annual Report 2024 – CFO review and performance(InterContinental Hotels Group PLC、2025年2月27日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/investors/annual-report/2024/cfo-review-performance_p81108.pdf
  • IHG Annual Report 2024 – KPIs and stakeholders(InterContinental Hotels Group PLC、2025年2月27日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/investors/annual-report/2024/kpis-stakeholders_p3841.pdf
  • IHG Annual Report 2024 – Risk management and principal risks(InterContinental Hotels Group PLC、2025年2月27日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/investors/annual-report/2024/risk-management-prus_p4451.pdf
  • IHG Annual Report 2024 – Additional information(InterContinental Hotels Group PLC、2025年2月27日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/investors/annual-report/2024/downloads/additional-information_p265317.pdf
  • IHG Annual Report 2024 – Group Financial Statements(InterContinental Hotels Group PLC、2025年2月27日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/investors/annual-report/2024/downloads/group-financial-statements_p178256.pdf
  • IHG Annual Report 2024 – Directors’ Remuneration Report(InterContinental Hotels Group PLC、2025年2月27日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/investors/annual-report/2024/directors-remuneration-report_p138166.pdf
  • Full Year Results to 31 December 2024(InterContinental Hotels Group PLC、2025年2月18日)https://ihgplc.com/en/news-and-media/news-releases/2025/full-year-results-for-the-year-to-31-dec-2024
  • IHG Full Year Results to 31 December 2024(決算資料PDF、Hospitality Inside掲載の写し、2025年2月18日)https://static.hospitalityinside.com/image/convert/hos/2025/02/20/ihg-results-fy-2024-67b7621261916811406203.pdf
  • IHG Half Year Results to 30 June 2025(InterContinental Hotels Group PLC、2025年8月7日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/results/2025/2025-half-year/half-year-results-to-30-june-2025.pdf
  • Form 6-K Half-Year Report 2025(InterContinental Hotels Group PLC、2025年8月7日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/858446/000165495425009150/a3165u.htm
  • IHG 2025 Half Year results call transcript(InterContinental Hotels Group PLC、2025年8月7日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/results/2025/2025-half-year/2025-hy-results-transcript.pdf
  • Third Quarter Trading Update to 30 September 2025(InterContinental Hotels Group PLC、2025年10月23日)https://www.ihgplc.com/en/news-and-media/news-releases/2025/third-quarter-trading-update-to-30-september-2025
  • Form 6-K Exhibit 99.1: 2025 Third Quarter Trading Update(InterContinental Hotels Group PLC、2025年10月23日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/858446/000165495425012087/a4730e.htm
  • IHG Q3 2025 Supplementary Information(InterContinental Hotels Group PLC、2025年10月23日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/results/2025/q3-trading-update/supplementary-information.pdf
  • IHG Q3 2025 trading update call transcript(InterContinental Hotels Group PLC、2025年10月23日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/results/2025/q3-trading-update/ihg-q3-2025-trading-update-transcript.pdf
  • IHG Full Year Results to 31 December 2023(InterContinental Hotels Group PLC、2024年2月20日)https://investegate.co.uk/announcement/rns/intercontinental-hotels-group–ihg/final-results/8045488
  • Full Year Results to 31 December 2022(InterContinental Hotels Group PLC、2023年2月21日)https://www.ihgplc.com/en/news-and-media/news-releases/2023/full-year-results-for-the-year-to-31-dec-2022
  • IHG Preliminary Results for the year to 31 December 2021(InterContinental Hotels Group PLC、2022年2月22日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/results/2022/prelims-2021/stock-exchange-announcement-prelim-2021.pdf
  • IHG Annual Report 2021 – Group Financial Statements(InterContinental Hotels Group PLC、2022年3月)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/investors/annual-report-2021/group-financial-statements-2021.pdf
  • IHG Full Year Results to 31 December 2020(InterContinental Hotels Group PLC、2021年2月23日)https://www.ihgplc.com/~/media/Files/I/Ihg-Plc/investors/2-ihg-plc-sea-23-feb-2021.pdf
  • Form 6-K Exhibit 99.1: IHG Full Year Results to 31 December 2019(InterContinental Hotels Group PLC、2020年2月18日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/858446/000165495420001670/a2825d.htm
  • ADR holders(InterContinental Hotels Group PLC、掲載日の記載なし)https://www.ihgplc.com/en/investors/shareholder-centre/adr-holders
  • FTSE 100 held back by hefty Rightmove and IAG falls(Alliance News/Yahoo Finance UK、2025年11月7日)https://uk.finance.yahoo.com/news/ftse-100-held-back-hefty-171456818.html
  • InterContinental Hotels Group PLC (IHG) Stock Historical Prices & Data(Yahoo Finance)https://finance.yahoo.com/quote/IHG/history/
  • InterContinental Hotels Group PLC (IHG) – Price History(digrin)https://www.digrin.com/stocks/detail/IHG/price
  • 外国為替相場情報 2025年11月6日の為替相場(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2025年11月6日)https://www.murc-kawasesouba.jp/fx/past/index.php?id=251106