売却とは、いつの時をもって売却と判定するのか?

売却時点で判定するのか、それとも所有権移転時で判定するのか

これは状況によっては判断に大きな影響を及ぼすことになる大事な論点になります

今日は、この「いつの時をもって売却と判定するのか?」についてをめぐる裁決事例をご紹介します

 

【経緯】平成8年6月14日の裁決事例となっています(裁判ではありません)

田中さん(仮名)は、奥さんと離婚するにあたって、住んでいたマンションを引き渡すことにしました

田中さんは、その時点では別のマンションを借り、荷物も移して引っ越ししています

ですが、近所の目を意識して、物件の登記は変更せず、子供が成人するまで、名義は田中さんのままにしておきました

奥さんへ引き渡したマンションの固定資産税や修繕積立金は、それ以降、奥さんが支払っていました

その後、子供が成人したため、所有権移転の登記を実行し、それに伴い、田中さんは確定申告を行いました

その際、田中さんは「譲渡所得の3000万特別控除」を使うこととしました

確定申告書には、所有権の移転登記の時期にマンションを売却した旨、記載しました

田中さんは、奥さんへマンションを引き渡した後も、週に2~3回は子供に会いに行くため、マンションへ通っていたそうです

しばらくすると、税務署から問い合わせが来て、「3000万の特別控除に必要な要件として、住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までの譲渡という要件を満たしていないため、3000万控除は使えない」との連絡を受け、田中さんは更正処分と過少申告加算税の処分を受けました

しかし、税務署の判断に納得がいかなかった田中さんは、国税不服審判所に訴え、争うことにしました

 

【田中さんの主張】

田中さんは、奥さんへの譲渡についての確定申告のタイミングとしては、本来は、引き渡した時点で行うべきだったと認めつつも、マンションの実質的な所有権の移転時期としては、離婚が成立した時もしくは、マンションから荷物をすべて運び出した時であると主張しました

 

【税務署側の主張】

一方、税務署側としては、確定申告書には、所有権の移転登記の時期にマンションを売却した旨の記載があると主張し、両社の意見は分かれました

 

【国税不服審判所の判断】

最終的に国税不服審判所の判断としては、田中さんの主張を認め、3000控除の適用要件は満たしているとの判断を下しました

この国税不服審判所の判断における大きな要因となったのが、離婚成立後のマンションの固定資産税や修繕積立金の支払いは、奥さんが行っていたことが挙げられます

故に実質的なマンションの所有権は、その時点で奥さんへ移行したものと判断したわけです

 

【今回のポイント】

所得税も法人税も形式的な面よりも、実質的な部分でどうだったのか?というところで判断されることとされています

今回もそれに従い判断されたわけですが、やはり一番のポイントは、引き渡し後の固定資産税と修繕積立金の支払いは誰が行っていたのか?という点だと思います

もし、これが田中さんの支払いだった場合、国税不服審判所の判断としては、3000万控除の適用要件は満たしていないとなったものと思われます

田中さんとしては、奥さんへ引き渡したその年に確定申告書を出さなかったという点と、確定申告書に所有権移転登記時に引き渡した旨を記載してしまったという点に落ち度はあるものの、第三者から見て、この時点(引き渡し後の固定資産税と修繕積立金の支払い)で明らかに実質的な所有権は移っていたよね、と思ってもらえるような行為があった点が救いだったと思います

納税者が勝利した珍しい事例になっています

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