東雲結子:高配当株を5社選びました。会社名が全部違うので、分散投資も完璧です!

税理士石井:うーん、5社とも銀行株ですね。

東雲結子:でも、ちゃんと別の会社ですよ?

税理士石井:同じ雨が降ったら、5人とも同じ傘を差す組み合わせです。

東雲結子:うーん、言われてみれば(汗)。銘柄数ではなく、儲かる理由を分けないといけないんですね。

税理士石井:そうです。ETFは分散を買いやすく、個別株は自分の調査力を活かせます。

東雲結子:えーっと、私の場合は大家業もあるので、全部の決算を追うのは少し大変です。

税理士石井:なら、ETFを土台にして、理解できる個別株だけ上へ乗せる方法が合うかもしれません。

 

毎年の配当を増やしたい大家さんにとって、高配当ETFと個別の高配当株は魅力的です。ETFは複数銘柄へまとめて投資でき、個別株は会社を選べば増配と株価上昇の両方を狙えます。ただ、どちらが優れているかではなく、自分がどこまで調査と管理に時間を使えるかで選ぶべきです。

不動産でいえば、ETFは複数物件をまとめたファンド、個別株は自分で選ぶ一棟物件に近いところがあります。平均的な収益でよいから手間を抑えるのか、自分の目利きで上振れを狙うのか。役割が違います。

ETFは、銘柄選定と入替えを仕組みに任せる商品

高配当ETFは、あらかじめ決められた指数やルールに従って複数銘柄へ投資します。一社が減配しても、他社の配当が支える可能性があります。大家業や本業で忙しく、何十社もの決算を追えない方には大きな利点です。

一方、ETFにも信託報酬があり、指数のルールによって景気敏感株へ偏る場合があります。組入上位業種を見ずに「ETFだから安全」と考えると、同じ景気要因で一斉に下がることがあります。

個別株は、自分で管理する一棟物件に似ている

個別株では、会社の業績、財務、配当方針、競争力を自分で確認します。良い会社を割安に買えれば、ETFを上回る増配や株価上昇も期待できます。反対に、一社の不祥事や減配が直接資産へ響きます。

現物アパートを選び、管理会社や修繕計画を確認するのと同じです。会社を理解し続ける手間を引き受けられる人ほど、個別株の強みを活かせます。

5銘柄あっても、利益の源泉が同じなら分散ではない

銀行5社、商社5社、通信5社のように同じ業種だけを持つと、金利、資源価格、規制など同じ要因で動きます。会社名の数ではなく、利益が生まれる理由を分けます。金融、通信、医薬、生活必需品、インフラなど、景気への反応が異なる業種を組み合わせると、配当の安定性は高まりやすくなります。

大家さんは不動産という大きな景気敏感資産をすでに持っています。株まで不動産・建設・銀行へ集中すると、金利や景気の影響が重なります。

配当4%は、株価20%下落を埋めてくれない

配当利回り4%は魅力的ですが、株価が20%下がれば、1年分の配当では埋まりません。配当だけを見ず、利益が減ったときも配当を維持できるか、借入金が多すぎないか、過去にどのような減配をしたかを確認します。

ETFの分配金も固定ではありません。組入企業の減配や運用状況で変わります。過去の分配金推移と信託報酬を見て、表示利回りが一時的なものではないかを考えます。

迷うなら、ETFを土台に個別株を少し乗せる

例えば株式資金1,000万円のうち700万円を高配当ETF、300万円を自分が理解できる個別株へ分けます。ETFで業種分散を確保し、個別株で自分の調査力と現場感覚を活かします。

年に一度、配分を元へ戻します。個別株が大きく上がり比率が高くなったら一部をETFへ戻す。相場が良いときほど、分散が崩れていないかを見ることが大切です。

比較 高配当ETF 個別高配当株
分散 しやすい 自分で設計
調査の手間 比較的少ない 大きい
減配の影響 分散される 直接受ける
上昇余地 平均化されやすい 選定次第で大きい
費用 信託報酬あり 売買手数料等

 

参考資料

日本取引所グループ ETFの概要