東雲結子:管理料5%って、家賃のたびに引かれると大きく見えますね。

副業大家・佐藤:年間24万円なので、自分で管理しようかと思っています。

税理士石井:一年で何時間くらい使う見込みですか?

副業大家・佐藤:入金確認、修理、更新、退去で……80時間くらいでしょうか。

東雲結子:24万円を80時間なら、1時間3,000円ですね。

副業大家・佐藤:うーん、休日の時給3,000円。高いような、安いような。

税理士石井:深夜の漏水対応や、本業への影響まで含めて考えましょう。

東雲結子:管理料は家賃の5%ではなく、大家さんの時間を買う料金なんですね。

 

サラリーマン副業大家にとって、管理料5%は悩ましい金額です。年間家賃480万円なら24万円。自分で管理すれば、その分が残るように見えます。実際、自主管理が向く物件もあります。ただ、本業を持つ人の管理コストは、交通費や電話代だけではありません。休日、夜間、仕事中の集中力、家族との時間を使います。管理料が高いか安いかは、家賃に対する率ではなく、自分の時間をいくらで買い戻せるかで判断します。

年間24万円、80時間なら1時間3,000円

年間家賃480万円、管理料5%なら24万円です。自主管理に年80時間使うなら、単純な時間単価は3,000円。自分の時間を3,000円で売り、24万円を残す計算です。

ただし、実際には交通費、郵送、システム、募集広告、鍵交換手配などがかかります。また、平日昼間に入居者や業者へ連絡できないことで、修理が遅れ、家賃減額や退去につながることもあります。節約した24万円だけでなく、自主管理で増える損失も考えます。

仮定 金額・時間
年間家賃 480万円
管理料5% 24万円
自主管理時間 年間80時間
単純な時間単価 1時間3,000円

 

本業の時給より、限界時間の価値を見る

年収600万円を労働時間で割って、時給3,000円だから同じ、と単純には決められません。平日の余裕時間ではなく、家族と過ごす休日、資格勉強、睡眠を削る時間です。疲れた状態で本業の成果が落ちれば、昇給や評価へ影響します。

副業大家にとって、本業は最大の融資源です。本業を守ること自体が、不動産経営の資金調達です。管理料を節約して本業の信用を落とすなら、安い節約ではありません。

全部委託か、全部自主管理かの二択ではない

入金管理と24時間緊急対応は管理会社へ任せ、軽微な修繕の判断や募集条件は自分で行う。退去立会いは外注し、月次報告だけ自分で確認する。管理を分解すれば、コストを抑えながら重要な判断は手元に残せます。

特に、管理会社の修繕発注へ一定額以上の事前承認を付ける方法は有効です。3万円以下は任せ、3万円超は見積り確認、10万円超は相見積り。すべて自分で動かなくても、支出の統制はできます。

管理会社は、家賃回収会社ではなく利益改善の相手

管理料を払うなら、入金確認だけで終わらせてはいけません。問い合わせ件数、内見数、断られた理由、空室日数、修繕履歴、滞納日数を定期的に出してもらいます。

良い管理会社は、家賃を下げる前に、写真、募集媒体、設備、入居条件を提案します。管理料を値切るより、空室を一か月短くしてもらうほうが利益は大きいことがあります。管理会社を費用としてだけ見ると、関係も提案も細くなります。

自主管理を選ぶなら、仕組みを作ってから

自主管理は、物件が近い、戸数が少ない、勤務時間に融通が利く、修繕業者がいる、契約実務を理解している人には向きます。反対に、遠方、夜勤、家族の介護、繁忙期がある人には負担が大きくなります。

始めるなら、緊急連絡先、修繕業者、督促手順、退去手続き、契約書の保管を先に整えます。管理料を節約するために自分が24時間待機するのではなく、自分が不在でも回る小さな管理会社を作る感覚が必要です。