東雲結子:冷蔵庫、洗濯機、ベッドを付けて、家賃1万円アップです!

管理担当:うーん、冷蔵庫は家賃を払いませんが、壊れると請求書を連れてきます。

東雲結子:また家電が経営会議へ参加してきました……。

管理担当:家具家電25万円を、家賃だけで回収するなら25か月です。

東雲結子:えーっと、2年より少し長いですね。

管理担当:でも空室が2か月短くなるなら、回収はかなり早くなります。

東雲結子:あれ? 家賃アップより、早く決まる効果のほうが大きい?

管理担当:そうです。買う前に、企業や仲介会社へ本当に必要な家具を聞きましょう。

 

外国人従業員を採用する企業では、来日直後から住める家具家電付き社宅に需要があります。大家さんにとっては空室期間を短くし、家賃を上げる機会です。一方、家具家電の購入、故障、交換、清掃、撤去が必要です。

家具付き賃貸の採算は、家賃上乗せだけでなく、空室が何か月短くなるかで大きく変わります。買う前に回収期間を計算します。

家賃1万円アップだけなら、単純回収は25か月

家具家電の初期費用25万円、家賃上乗せ月1万円なら、単純回収は25か月です。追加家賃にも管理料5%がかかるなら、回収は約26.3か月へ延びます。

2年以内に退去し、次の募集で家具交換や清掃が必要なら、家賃上乗せだけでは回収できない可能性があります。

空室2か月短縮なら、初年度で回収できる仮定

家賃7万円の部屋が、家具付きにより2か月早く決まれば14万円の効果です。さらに家賃上乗せ1万円を11か月受け取れば11万円。合計25万円となり、初年度で初期費用を回収できます。

重要なのは、家賃を1万円上げられるかより、家具付きが本当に募集期間を短くする地域かです。

法人契約と個人契約では、責任者が違う

会社が借主となる社宅契約、従業員が借主で会社が家賃を負担する契約、会社が保証だけする契約では、退職・帰国・入居者交代時の手続きが違います。

家具破損の連絡先、敷金返還先、鍵の返却、次の従業員への入替えを契約前に決めます。会社名があるだけで安心せず、誰が義務を負うのかを確認します。

家具は貸主設備か、残置物かを曖昧にしない

貸主設備なら、通常使用による故障を貸主が修理する場面があります。残置物扱いなら、故障時の対応が異なります。冷蔵庫、洗濯機、ベッド、電子レンジなどの一覧を契約書へ付けます。

写真、型番、購入日を残しておくと、退去時の破損確認と交換計画がしやすくなります。

家具を買うのは、需要を聞いてから

単身赴任者、技能実習・特定技能、留学生には家具付きが合う場合があります。一方、長期居住のファミリーは自分の家具を使いたいことがあります。

企業3社、仲介会社3社へ、必要な家具、家賃上限、契約期間、入居人数を聞きます。市場調査に数日使うことで、不要な25万円を防げます。

回収要素 金額
家具家電購入 ▲25万円
家賃上乗せ1万円×11か月 +11万円
空室2か月短縮 +14万円
初年度差額 0円(回収完了の仮定)

 

参考資料

国土交通省 外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居