東雲結子:見守りサービスが月5,000円です。毎月払うと思うと、うーん、高い気がします。

管理担当:その部屋、今どのくらい空いていましたっけ?

東雲結子:2か月です。あっ……。

管理担当:家賃6万5,000円なら、空室は13万円です。

東雲結子:うわぁ、そう考えると(汗)。空室は見守りもしてくれないのに、ずいぶん高いですね。

管理担当:そうですね。支援費だけでなく、空室短縮と長期入居を合わせて見ましょう。

東雲結子:私が毎日電話するのは、やっぱり続かないでしょうか?

管理担当:東雲さんの旅行が全部、安否確認ツアーになってしまいます。外部の仕組みを使いましょう。

 

高齢者入居の見守り費を月5,000円と聞くと、毎月の固定費が増えるため高く感じます。しかし、受け入れを断り空室が長引けば、見守り費より大きな家賃を失うことがあります。費用単体ではなく、空室損、長期入居、事故の早期発見を含めて判断します。

2025年10月から居住サポート住宅の認定制度も始まり、大家と居住支援法人等が連携して安否確認や見守りを行う選択肢が増えました。大家さん自身が24時間対応するのではなく、役割を外部へ分けることが大切です。

空室2か月は13万円、見守り1年は6万円

家賃6万5,000円なら、2か月空室で13万円の機会損失です。見守り費月5,000円、年6万円と仮定し、高齢者受け入れで空室が2か月短くなれば、単純比較では初年度に7万円残ります。

必ず入居が決まるわけではありませんが、「毎月5,000円は高い」という感覚を、失う家賃と同じ単位で比べられます。

見守りの価値は、死亡を防ぐことだけではない

見守りは、異変を早く発見する仕組みです。発見が遅れると、特殊清掃、消臭、内装交換、長期空室の負担が大きくなります。安否確認が早ければ、損失を小さくできる可能性があります。

日常の生活相談、福祉サービスへのつなぎ、緊急連絡先の更新も、本人が住み続けるうえで価値があります。長期入居につながれば、募集費や原状回復費も減ります。

大家さんが自分で見守るのは、仕組みではない

善意で毎週電話する大家さんもいます。しかし旅行、病気、物件増加で続かなくなると、入居者も困ります。管理会社、見守り事業者、居住支援法人、家族の役割を決めます。

誰が何時に連絡し、反応がなければ誰が現地へ行き、費用は誰が払うのか。契約と連絡網へ落とし込みます。

支援費を家賃へ全額上乗せできるとは限らない

地域相場を超えれば入居は決まりません。支援費の一部を大家側が負担しても、空室短縮と長期入居で回収できるなら意味があります。

家賃、見守り費、保証料、保険料、設備改修を入れ、何か月早く決まれば採算が合うかを逆算します。

高齢者市場は、仕組みを作った人だけが参加できる

高齢者を一律に断る競合が多い地域では、受入れ体制を整えた物件が選ばれる可能性があります。無条件に受け入れるのではなく、保証、見守り、緊急連絡、残置物契約を整えた人を受け入れます。

高齢化は止められません。リスクをゼロにするより、管理できる大きさへ小さくすることが、大家業の現実的な解決策です。

仮定 金額
月額家賃 6万5,000円
空室2か月の機会損失 13万円
見守り費年間 6万円
単純差額 7万円

 

参考資料

国土交通省 居住サポート住宅

国土交通省 残置物の処理等に関するモデル契約