東雲結子:「大分、お金が貯まって来たなぁ。法人預金が3,000万円。しめしめ、2,000万円くらい株へ回してみるか!」
税理士石井:「おっと、固定資産税、修繕、次の物件の自己資金は?」
東雲結子:「預金残高が急に他人のお金に見えてきました」
家賃がたまり、資産管理法人の預金が増えると、株式投資で運用したくなることがあります。しかし、法人の預金には納税、修繕、借入返済、次の物件購入という仕事があります。まず必要資金を引き、長期間使わない余剰だけを投資します。
3,000万円から先に2,200万円を引く
仮に、今後2年の修繕・納税・返済予備資金1,200万円、次の物件自己資金1,000万円を確保すると、株へ回せる候補は800万円です。
法人にNISAはない
NISAは個人向け制度で、法人は利用できません。法人の株式売却益や配当は法人所得の計算へ入ります。個人のNISAと同じ感覚で非課税運用できるわけではありません。
銀行が見るのは「余剰運用」か「本業資金の流用」か
融資を受けて不動産賃貸を行う法人が、多額の株式を持つと、金融機関から資金使途や本業との関係を確認される場合があります。決算書の現預金が株式へ変わるため、流動性と価格変動も説明できるようにします。
相場下落時に売らなくて済む金額だけ
法人税納付や大規模修繕の直前に株価が下がっても、売らずに持てる金額が上限です。期間5年以上使わない資金かを確認します。
運用ルールを議事録に残す
投資上限、対象商品、損失許容、決裁者を決め、会社のお金と個人の投機を混ぜないようにします。役員が自由に売買するのではなく、法人の資金管理方針として整理します。
株価が30%下がっても事業が止まらないか
800万円を投資し、240万円下落しても、納税・修繕・返済ができることが必要です。損失許容額ではなく、事業継続可能性で投資上限を決めます。
東雲さんの実行メモ
四半期ごとに法人の12か月資金繰りを更新し、余剰資金が増えたときだけ追加投資します。株価上昇を理由に投資額を増やしません。
| 法人預金3,000万円の役割 | 金額 |
| 修繕・納税・返済予備 | 1,200万円 |
| 次の物件自己資金 | 1,000万円 |
| 長期余剰資金候補 | 800万円 |
参考資料































