東雲結子:「先生、最近、通帳の残高が増えてきて、とっても嬉しいです!喜びいっぱいです!」

税理士石井:「それは良かった。未払修繕、滞納、借入残高は?」

東雲結子:「えーっと、それは。。。通帳が教えてくれない情報ばかり……」

税理士石井:「だから、毎月7つだけ別に見るのです」

大家業では、決算書を年1回見るだけでは対応が遅れます。反対に、毎月100項目を見ると続きません。私は、空室、回収、収益、返済、修繕、現金、株式の7つに絞ったダッシュボードを勧めます。問題を早く見つけ、次の行動へつなげるための数字です。

入居率より「家賃金額の稼働率」

戸数入居率だけでなく、実際の家賃額÷満室想定家賃を見ます。高家賃の1室が空いている場合、戸数入居率より収入への影響が大きくなります。

滞納は残高ではなく経過日数

未収家賃の総額と、30日、60日、90日超の区分を見ます。長期化するほど回収可能性が下がるため、次の行動日を決めます。

NOIと返済後CFを分ける

NOIは家賃から運営費を引いた返済前収益。返済後CFは実際に手元へ残る現金です。物件の稼ぐ力と、融資条件の影響を分けられます。

DSCRで返済余力を見る

NOI÷年間返済額を確認し、1倍を下回る物件は本業収益だけで返済できません。1.2倍、1.3倍など自分の安全基準を決めます。

修繕積立残高と5年予定

現金残高だけでなく、5年以内の大規模修繕予定を引いた後の余裕を見ます。通帳にあるから使える、とは限りません。

株式比率を上げすぎない

株価上昇で資産の中の株比率が上がった場合、修繕・物件購入に必要な現金まで相場へさらしていないか確認します。

数字の隣に「次の行動」を書く

空室60日なら写真変更、滞納30日なら保証会社、DSCR1.1倍なら借換え検討など、数字だけでなく担当者と期限を書きます。ダッシュボードは眺める資料ではなく、行動を決める道具です。

数字は比較する期間を揃える

入居率は月末、家賃回収は当月分、NOIは直近12か月など、期間を決めます。異なる期間の数字を同じ表へ置くと誤判断になります。

東雲さんの実行メモ

毎月同じ日に更新し、赤・黄・緑の基準を決めます。赤になった項目は、翌月までの担当者と行動を必ず記録します。

毎月見る7項目 問題が出たときの行動例
家賃金額稼働率 募集条件・写真・設備を見直す
滞納日数 保証請求・書面・専門家相談
NOI 家賃・運営費を分析
返済後CF 借換え・返済条件を検討
DSCR 借入余力と危険物件を確認
修繕積立残高 工事時期と資金を調整
株式比率 利確・現金回帰・追加投資停止