東雲結子:「LEDにすれば電気代が半分! 月4万円が2万円ですね」

管理担当:「その4万円、全部照明ですか?」

東雲結子:「……エレベーターもポンプも入ってます」

管理担当:「LED、エレベーターまでは光らせられません」

東雲結子:「節電前に、請求書を分解します!」

 

共用部の電気代が高い。そこで「LEDにすれば半分」と考える大家さんは多いのですが、建物全体の電気代が半分になるわけではありません。LEDで減るのは、照明に使っている電気です。まず共用電気の中身を分け、それから投資回収年数を計算しましょう。

LEDは蛍光灯よりかなり省エネ。でも請求書全部ではない

環境省は、LED照明は同程度の明るさの蛍光灯と比べ、消費電力がおよそ2分の1と説明しています。

ただし、アパートの共用電気には照明以外もあります。

エレベーター、給水ポンプ、防犯カメラ、宅配ボックス、オートロック、浄化槽設備などです。

照明を半分にしても、建物全体の電気代は半分にはなりません。

月4万円のうち照明が2万4,000円なら?

月4万円の共用電気代のうち、照明相当が2万4,000円、その他が1万6,000円と仮定します。

照明部分をLED化して消費電力が半分になれば、照明は月1万2,000円。建物全体の電気代は4万円から2万8,000円へ下がる計算です。

年間削減額は14万4,000円です。

区分 月額
照明 2万4,000円
その他設備 1万6,000円
LED化後の照明 1万2,000円
削減後の合計 2万8,000円
年間削減額 14万4,000円

工事30万円なら、単純回収は約2.1年

LED交換工事が30万円なら、30万円 ÷ 14万4,000円 ≒ 2.1年です。

この条件なら、かなり検討しやすい投資です。

ところが、実際の照明割合が共用電気の30%しかなければ、削減額はもっと小さくなり、回収期間は延びます。

「LEDは50%省エネ」という数字を、そのまま「電気料金50%削減」に変換しないことが大切です。

工事ゼロ円で減る電気代も先に探す

設備投資の前に、次の点を確認してみてください。

・昼間も点灯している照明はないか
・タイマー設定が季節とずれていないか
・人感センサーの範囲は適切か
・契約電力や料金プランは建物に合っているか
・古いポンプや換気設備が長時間稼働していないか

電気代削減で一番利回りが高いのは、0円で直せる設定ミスです。30万円の工事見積りを開く前に、タイマーの蓋を開けてみる価値があります。

削減した14万円は、売却時にも働く可能性がある

年間の運営費が14万円下がれば、その分だけ物件のNOI、つまり純収益が改善します。

収益還元で評価される物件では、継続的な運営費削減が売却時の説明材料になることがあります。

単に「電球代が安くなった」で終わらず、変更前後の電気使用量と請求額を保存しておく。そうすると、次の買主にも数字で説明できます。

共用部の節電は、毎月の請求書と出口価格の両方に効く可能性がある、小さいけれど侮れない改善です。

参考資料

環境省 LED照明の消費電力について