東雲結子:7,000万円で利回り7%。年間490万円も家賃が入ります!

石井税理士:空室、経費、返済、大規模修繕の積立を引きましょう。

東雲結子:490万円、全員で分ける前の売上だったんですね。

石井税理士:大家さんの取り分は、最後に並んでいます。

 

表面利回り7%は、今の市場では検討対象になる方も多い水準でしょう。しかし、表面利回りは売上高のようなものです。大家さんの手元に残るお金とは違います。7,000万円の物件を8割融資で購入する仮定で、通常時と金利上昇・家賃下落時を計算してみます。

7%なら満室家賃は490万円

物件価格7,000万円、表面利回り7%なら、満室想定家賃は年間490万円です。

空室率5%なら実際の家賃入金は465万5,000円と仮定できます。

運営費を満室家賃の20%=98万円と置くと、NOI(純収益)は367万5,000円です。

ここから借入返済を払います。

8割融資、金利2%、30年なら返済は年約248万円

借入額を5,600万円、金利2%、返済期間30年、元利均等とすると、毎月返済は約20万7,000円、年間約248万4,000円です。

NOI367万5,000円-返済248万4,000円=返済後の現金は約119万1,000円です。

さらに将来の大規模修繕用として年間40万円を別口座へ確保すると、税引前で自由に使えるお金は約79万1,000円になります。

基本ケース 年間
満室家賃 490.0万円
空室5%後の家賃入金 465.5万円
運営費 ▲98.0万円
NOI 367.5万円
借入返済(金利2%・30年) ▲約248.4万円
返済後 約119.1万円
修繕用に確保 ▲40万円
残額 約79.1万円

 

自己資金1,750万円なら、現金利回りは約4.5%

自己資金を物件価格の20%=1,400万円、購入諸費用を物件価格の5%=350万円と仮定すると、当初現金は1,750万円です。

修繕用40万円を確保した後の79万1,000円を当初現金1,750万円で割ると、税引前のキャッシュ・オン・キャッシュは約4.5%です。

表面利回り7%が、そのまま自己資金利回り7%になるわけではありません。

金利3.5%+家賃5%下落で、残りは約7万円

今度は厳しいケースを見ます。

家賃が5%下がり、さらに空室5%。運営費は新しい満室家賃の20%と仮定します。NOIは約349万1,000円です。

借入金利が3.5%になると、5,600万円・30年の年間返済は約301万8,000円。

返済後は約47万4,000円。修繕用40万円を確保すると、残るのは約7万4,000円です。

少し条件が悪くなるだけで、手残りは79万円から7万円台まで減ります。

ケース 修繕用40万円確保後の残額
基本:金利2%・現行家賃 約79.1万円
金利3.5%+家賃5%下落 約7.4万円

 

物件を買う前に「儲かるケース」より「死なないケース」を見る

収支シミュレーションでは、仲介会社から提示された条件だけを見るのではなく、自分で悪いケースを作ってください。

・家賃5%下落
・空室10%
・金利1.5%上昇
・年間修繕50万円増加

この条件でも資金が回るなら、その物件は強いです。

不動産投資で最も重要なのは、最高の年にいくら儲かるかではありません。悪い年でも売らずに持ち続けられるかです。持ち続けられれば、家賃と元金返済が少しずつ資産を作ってくれます。

参考資料

住宅金融支援機構 元利均等返済の解説