
東雲結子:この1階店舗、トランクルームなら20区画×9,000円で月18万円です!
石井税理士:20区画全部埋まれば、ですね。
東雲結子:最近、電卓が満室前提ばかり出してきます。
石井税理士:電卓ではなく、入力している大家さんが楽観的なんです。
1階店舗が空いている物件では、通常の店舗募集を続けるか、トランクルームへ転用するかという選択肢があります。トランクルームは区画を細かく貸せるため満室売上は高く見えますが、初期工事、広告、セキュリティ、空室率がかかります。どの稼働率を超えれば普通の店舗貸しより儲かるのかを逆算します。
普通に店舗で貸すなら、年間約103万円
店舗賃料を月10万円、年間稼働率90%と仮定します。年間入金は108万円です。
管理コスト5%を差し引くと、比較用の残額は約102万6,000円です。
店舗貸しの良さは、一度決まれば運営の手間が少ないことです。一方、退去すると次のテナントが決まるまで長いことがあります。
トランクルーム満室なら年216万円。でも満室は計画ではなく願望
20区画、1区画月9,000円なら満室売上は月18万円、年間216万円です。
運営・広告・セキュリティ等を年間30万円、初期工事150万円を5年で回収する年30万円と置きます。
合計60万円の固定的な負担です。
満室なら156万円残りますが、稼働率70%なら売上151万2,000円。そこから60万円を引くと91万2,000円で、普通店舗貸しの約102万6,000円を下回ります。
普通店舗貸しに勝つには、稼働率約75%
トランクルームの年間満室売上216万円に対し、普通店舗貸しの残額102万6,000円とトランクルーム固有費60万円を合計すると162万6,000円です。
162万6,000円 ÷ 216万円 ≒ 75.3%。
この仮定では、トランクルームの稼働率が約75%を超えると、普通店舗貸しより比較用の残額が多くなります。
| トランクルーム稼働率 | 年間売上 | 固有費60万円控除後 |
| 70% | 151.2万円 | 91.2万円 |
| 約75.3% | 約162.6万円 | 約102.6万円 |
| 80% | 172.8万円 | 112.8万円 |
「家に収納がない地域」かを先に調べる
トランクルームは、どこでも75%埋まるわけではありません。
・小型マンションが多い
・ファミリーでも収納が少ない
・近隣に競合が少ない
・車で荷物を運びやすい
・1階で出入りしやすい
こうした地域ほど需要を期待できます。
「空いているからトランクルーム」ではなく、「収納需要があるからトランクルーム」の順番です。
出口も考える。撤去して店舗へ戻せるか
区画壁やセキュリティ設備へ大きな投資をすると、撤退するときにも費用がかかります。
私は開業前に「5年後にやめたらいくらで店舗へ戻せるか」まで見積りを取ることをお勧めします。
儲からなければ撤退できる投資は強いです。儲からないのに撤去費が高くてやめられない投資は弱い。
トランクルームは売上ではなく、稼働率の分岐点と撤退コストまで計算してから始めましょう。
参考資料































