
東雲結子:「30年家賃保証。これなら私、30年安心して眠れますね」
管理担当:「家賃の見直し条項、読まれました?」
東雲結子:「……睡眠時間が急に短くなりました」
管理担当:「保証期間と保証額は、同じ意味ではありません」
東雲結子:「契約書、枕より先に読みます!」
サブリースは、空室リスクや管理の手間を抑えられる便利な仕組みです。一方で、「30年保証」という言葉だけを見てしまうと、30年間同じ金額が振り込まれるように感じてしまいます。大家さんが見るべきなのは、保証期間よりも「賃料が何%下がると自分の収支が赤字になるか」です。
月90万円入るなら、余裕は13万円
満室想定賃料が月100万円の物件を、サブリースで月90万円受け取る契約と仮定します。
毎月の借入返済が65万円、固定資産税・保険・修繕等の月平均が12万円なら、残るのは13万円です。
この13万円だけを見ると、「空室を気にせず13万円残るなら悪くない」と感じるかもしれません。
| 月額 | 金額 |
| サブリース賃料 | 90万円 |
| 借入返済 | ▲65万円 |
| 税・保険・修繕等 | ▲12万円 |
| 手残り | 13万円 |
家賃10%減額で、手残りは約7割消える
サブリース賃料が10%下がり、90万円から81万円になったとします。
返済65万円と経費12万円が変わらなければ、手残りは4万円。13万円から4万円ですから、約69%減少します。
賃料は10%しか下がっていないのに、大家さんの手残りは約7割消える。これがレバレッジを使った不動産経営の怖さです。
| サブリース賃料 | 手残り |
| 90万円 | 13万円 |
| 81万円(10%減) | 4万円 |
| 76万5,000円(15%減) | ▲5,000円 |
この物件は、約14.4%の減額で赤字になる
この例の損益分岐点は、返済65万円+経費12万円=77万円です。
当初の90万円から77万円まで下がると、手残りはゼロ。減額率で見ると約14.4%です。
「30年間保証されるか」より、「14%下がったら赤字になる物件を30年持てるか」と考えたほうが、投資判断としては具体的です。
「家賃保証」の横に、小さい文字がないか見る
賃貸住宅管理業法のサブリース規制では、広告で「家賃保証」「空室保証」と表示する場合、定期的な家賃見直しがあるときや、借地借家法32条によって賃料が減額される可能性があるときは、その旨を明確に表示することが求められています。
つまり、「保証」という言葉だけで金額が固定されるわけではありません。
契約前には、賃料改定の時期、改定方法、免責期間、修繕費の負担、解約条件を必ず一覧にしてください。
サブリースは悪者ではない。高い家賃で買い過ぎるのが危ない
サブリース自体が悪いわけではありません。空室変動を抑えたい人や、遠隔地の物件を手間少なく持ちたい人にはメリットがあります。
問題は、サブリース賃料を「絶対に下がらない数字」として物件価格を決めてしまうことです。
購入時の収支表には、少なくとも「現状」「賃料10%減」「賃料15%減」の3本を並べてください。15%下がっても返済と税金を払えるなら、その物件はかなり粘り強い。逆に5%で赤字なら、契約書より先に購入価格を見直したほうがよいかもしれません。
参考資料































