東雲結子:先生、確定申告の相談会の受付票ができました。「配当控除が使えます」の欄には、日本株にも外国株にも、ぜんぶ丸をつけておきました!

税理士石井:うーん、その丸、半分は消しゴムの出番ですね。配当控除が使えるのは、日本の会社の配当を総合課税で申告したときだけです。国税庁も、外国法人から受ける配当は対象にならないとしています。

東雲結子:あっ……マイクロンもサムスン電子も、受付で門前払いでした。じゃあ日本のメモリーの代表、キオクシアの配当で使いましょう!

税理士石井:ははは、気持ちはわかります。ただ、キオクシアの普通株は2026年1月31日の時点で無配です。控除しようにも、配当がまだありません。

東雲結子:控除の欄だけ立派で、中身は空っぽ……。福袋を開けたら、袋しか入っていなかった気分です。

税理士石井:ふふ、それは悲しい福袋ですね。キオクシアの株主が税金を考えるのは、今のところ主に売ったときで、税率は20.315%です。株価のほうを見ると、PBR(株価が1株あたり純資産の何倍か)は14.07倍で、海外のメモリー大手7社の中央値5.94倍の2倍以上あります。

東雲結子:2倍以上! さすが日本代表、体格から違いますね。

税理士石井:そこが落とし穴なんです。PBRが高いのは、今の高い利益が続き、さらに伸びることまで株価が見込んでいるから。大家業でいえば、再開発が決まった駅前の土地に、今の家賃ではなく将来の家賃で値段がついているようなものです。

東雲結子:なるほど。値札の理由と、税金の通り道。両方わからないと、受付票は書けませんね。

税理士石井:そのとおりです。この回は、キオクシアを海外の大手と同じ物差しで並べ、後半で日本株と外国株の配当・売却益の税金を整理しましょう。

連載の最終回となる第6回は、キオクシアホールディングス(以下キオクシア)を、海外のメモリー大手7社と比較します。並べるのは、韓国のサムスン電子とSKハイニックス、米国のマイクロン・テクノロジー(以下マイクロン)とサンディスク、台湾の南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)、華邦電子(ウィンボンド)、旺宏電子(マクロニクス)です。海外7社の数字は、海外のメモリーメーカーを読む当ブログのシリーズで、2026年1月31日までの公表資料と1月30日の終値から計算した値をそのまま使います。

見るのは、利益率と資本の効率、利益の振れ、株価指標、株主に戻すお金です。比べた数字を株式投資の銘柄選びにどうつなげるかも、アナリストの目線で整理します。

後半は税理士として、日本株の配当や売却益の税金を、外国株と比べながら整理します。日本の会社の配当にだけある配当控除、外国株の配当にかかる外国の税と外国税額控除、NISA(少額投資非課税制度)での違いが中心で、税制は2026年1月31日時点の法令によります。

この記事の要点 根拠となる数字
キオクシアの利益率と資本の効率は、最新通期で海外7社の中央値を大きく上回る 営業利益率26.5%(中央値7.9%)、ROE45.9%(同3.9%)、いずれも2025年3月期
財務は8社で最も借入金寄りで、利益の振れも中央値より大きい ネットキャッシュ÷時価総額−7.57%(中央値1.10%)、年次の営業利益率の振れ幅49.9ポイント(同37.0ポイント)
日本株の配当は総合課税なら配当控除が使え、外国株の配当は外国の税を外国税額控除で調整する 配当控除は所得税で配当所得の10%(課税総所得金額等1,000万円以下の部分)、配当100の手取り(申告不要)は日本株79.685、米国株71.72
銘柄選びの目線:PERとPBRはどの物差しでも中央値を上回り、株価は高い利益が続き、さらに伸びることを前提にしている 実績PER73.0倍(中央値31.9倍)、会社予想×4で38.9倍(同11.9倍)、PBR14.07倍(同5.94倍)

キオクシアを比較する前に、決算期と物差しのずれを確かめる

キオクシアはIFRS(国際会計基準)、3月期の会社で、比較に使う最新通期は2025年3月期(2024年4月〜2025年3月)です。海外7社の最新通期は、サムスン電子、SKハイニックス、南亜科技、旺宏電子が2025年12月期、マイクロンが2025年8月期(2024年8月30日〜2025年8月28日)、サンディスクが2025年6月期(2024年6月29日〜2025年6月27日)、華邦電子が2024年12月期です。

つまりキオクシアの「最新通期」は、12月期の4社より9か月古い1年です。キオクシアの最新四半期も2025年7〜9月で、10〜12月の決算をすでに出した会社とは一つずれています。通期の比較は、この時期のずれを前提に読んでください。

1株あたり利益(EPS)も、キオクシアはIFRSの基本的EPS、米国の2社は米国会計基準の希薄化EPS、韓国・台湾の5社は基本EPSと定義が違います。円換算は2026年1月30日の仲値(TTM)で、1ドル153.66円、100ウォン10.72円、1台湾ドル4.88円です。中央値はキオクシアを含まない海外7社の値で、値のある会社の数を添えます。

業界の中の位置も確かめておきます。調査会社TrendForceの推計では、2025年7〜9月のNAND(保存用のメモリー)の売上は、サムスンが60.0億ドルで1位、SKグループが約35.3億ドルで2位、キオクシアは28.4億ドル超で3位でした。前の四半期比の伸び+33.1%は、主要5社で最も大きい値です(第三者の推計で、会社の決算とは一致しません)。

用語メモ:IFRS=国際会計基準。EPS=1株あたり利益。基本的EPSは期中の平均株数で、希薄化EPSは将来増えうる株も含めて計算した値。仲値(TTM)=銀行が外貨を売る相場と買う相場の真ん中の相場。中央値=値を小さい順に並べたときの真ん中の値(数が偶数なら真ん中の2つの平均)。

最新通期の営業利益率26.5%とROE45.9%は、海外7社の中央値を大きく上回る

会社(最新通期) 営業利益率 ROE 研究開発費÷売上 自己資本比率 FCFマージン 設備投資÷売上
キオクシア(2025年3月期) 26.5% 45.9% 10.4%※ 25.3% 14.8% 13.1%
サムスン電子(2025年12月期) 13.1% 10.8% 11.3% 77.0% 11.3% 14.2%
SKハイニックス(2025年12月期) 48.6% 44.1% 7.2%※ 68.5% 26.8% 28.3%
マイクロン(2025年8月期) 26.1% 17.2% 10.2% 65.4% 4.5% 42.4%
サンディスク(2025年6月期) −18.7% −16.2% 15.4% 71.0% −1.6% 2.8%
南亜科技(2025年12月期) 7.9% 3.9% 10.6% 77.7%※ 7.2% 20.2%
華邦電子(2024年12月期) 0.6% 0.7% 20.1% 51.6% −7.3% 20.9%
旺宏電子(2025年12月期) −12.8% −7.4% 19.9%※ 58.4% 10.3% 6.4%
海外7社の中央値 7.9% 3.9% 11.3% 68.5% 7.2% 20.2%

※当ブログの計算。キオクシアの研究開発費÷売上は有価証券報告書の直近2年平均、SKハイニックスと旺宏電子は2025年1〜9月の値。キオクシアの自己資本比率は親会社所有者帰属持分比率(2025年3月31日)、南亜科技は2025年9月30日の値。FCF=営業CF−有形固定資産の取得、FCFマージン=FCF÷売上。設備投資は有形固定資産の取得。サンディスクの2025年6月期は、のれんの減損を含む四半期(2024年12月28日〜2025年3月28日)を含む。

キオクシアの営業利益率26.5%は、SKハイニックスの48.6%に次ぐ8社で2番目の高さで、マイクロンの26.1%とほぼ並びます。ROE45.9%は8社で最も高く、中央値3.9%を大きく上回ります。

ただ、ROEの高さには財務の形も効いています。キオクシアの自己資本比率は25.3%で、中央値68.5%の半分以下です。自己資本が薄いぶん、同じ利益でもROEは高く出ます。大家業でいえば、自己資金を少なくしてローンを多く使った物件ほど、自己資金に対する利回りが高く見えるのと同じです(当ブログの見方)。

その裏側が、借入金の重さです。キオクシアのネットキャッシュ÷総資産は、2025年3月31日に優先株式を含めて−31.9%で、値のある6社の中央値−3.0%を大きく下回ります。優先株式は2025年7月に償還されましたが、2025年9月30日の純有利子負債は8,746億円(リースを除く)です。

設備投資÷売上13.1%は中央値20.2%を下回り、FCFマージン14.8%は中央値7.2%の約2倍でした。ただ、キオクシアの有形固定資産の取得は2024年3月期には売上の28.3%で、年によって大きく動きます。会社は設備投資を売上収益の「20%以内(周期的市況における平均)」とする長期の目標を掲げています。

用語メモ:ROE(自己資本利益率)=純利益÷自己資本。FCF(フリー・キャッシュ・フロー)=営業CFから設備投資を引いた、会社に残るお金の目安。のれん=会社や事業を買ったときに、純資産を上回って払った分。減損=資産の価値が下がったときに帳簿の金額を下げ、損失にする処理。

利益の振れ幅は49.9ポイント。2023年1〜3月にはSKハイニックスと並ぶ深い谷を通った

会社 年次の営業利益率の最高(期) 最低(期) 振れ幅 四半期の最低(期間)
南亜科技 31.8%(2021年12月期) −48.4%(2023年12月期) 80.1ポイント −46.5%(2023年10〜12月)
SKハイニックス 48.6%(2025年12月期) −23.6%(2023年12月期) 72.2ポイント −66.9%(2023年1〜3月)
マイクロン 31.5%(2022年9月期) −37.0%(2023年8月期) 68.5ポイント 3.3%(2023年12月1日〜2024年2月29日)※
キオクシア 26.5%(2025年3月期) −23.5%(2024年3月期) 49.9ポイント −69.9%(2023年1〜3月)
旺宏電子 21.9%(2021年12月期) −15.2%(2024年12月期) 37.0ポイント −29.6%(2024年10〜12月)
サンディスク −7.0%(2024年6月期) −33.4%(2023年6月期) 26.4ポイント −111.0%(2024年12月28日〜2025年3月28日)※
華邦電子 18.5%(2021年12月期) −2.2%(2023年12月期) 20.7ポイント −6.2%(2025年4〜6月)
サムスン電子 18.5%(2021年12月期) 2.5%(2023年12月期) 15.9ポイント 6.3%(2025年4〜6月)※
海外7社の中央値 — — 37.0ポイント —

※年次は最長5年(キオクシアは2021年3月期〜2025年3月期、サンディスクは2023〜2025年6月期の3年、華邦電子は2021〜2024年12月期の4年)。四半期は当ブログが集めた範囲の値で、キオクシアは2022年4〜6月〜2025年7〜9月。※印の3社は2023年の底の四半期を含まない。サンディスクの最低は、のれんの減損を含む値。

キオクシアの年次の営業利益率は、2024年3月期の−23.5%から2025年3月期の26.5%へ、49.9ポイント動きました。中央値37.0ポイントを上回り、南亜科技、SKハイニックス、マイクロンに次ぐ8社で4番目の大きさです。

目を引くのは、四半期の底です。キオクシアは2023年1〜3月に営業利益率−69.9%、SKハイニックスは同じ2023年1〜3月に−66.9%でした。NANDの会社とDRAM(計算中のデータを一時的に置くメモリー)の大手が、同じ時期に同じくらい深い谷を通っています。

大家業でいえば、立地も間取りも違う物件が、同じ年にそろって空室を抱えたようなものです。メモリーの利益は会社ごとの事情より業界の値段の波で大きく動き、キオクシアも海外大手と同じ波に乗っていると私は見ています(当ブログの見方)。

株価指標は、実績・直近四半期×4・会社予想×4のどの物差しでも中央値を上回る

会社 時価総額(円換算) 実績PER 直近四半期×4のPER 会社予想×4のPER PBR EPS÷BPS
キオクシア 11.55兆円 73.0倍 70.9倍 38.9倍(IFRS) 14.07倍 19.3%
サムスン電子 110.37兆円 24.3倍 13.8倍 — 2.65倍 10.9%
SKハイニックス 68.34兆円 14.7倍 10.4倍 — 5.28倍 36.0%
マイクロン 71.75兆円 39.4倍 22.5倍 12.7倍(GAAP) 7.94倍 20.1%
サンディスク 13.07兆円 赤字 28.0倍 11.1倍(non-GAAP) 8.33倍 −11.0%
南亜科技 4.94兆円 153.3倍 22.8倍 — 5.94倍 3.9%
華邦電子 2.82兆円 赤字 49.4倍 — 6.10倍 −0.1%
旺宏電子 8,736億円 赤字 赤字 — 3.91倍 −7.5%
海外7社の中央値(社数) — 31.9倍(4社) 22.7倍(6社) 11.9倍(2社) 5.94倍(7社) 3.9%(7社)

※2026年1月30日の終値(二次資料)で当ブログが計算。実績PER=終値÷直近4四半期のEPS(キオクシアと華邦電子は2024年10月〜2025年9月、マイクロンは2024年11月29日〜2025年11月27日、サンディスクは2024年12月28日〜2026年1月2日、ほかは2025年1〜12月)。直近四半期×4と会社予想×4は年換算の参考値で、会社の年間の予想ではない。会社予想×4は次の四半期のEPS予想の中央値×4で、数値の予想を出しているのはキオクシアと米国の2社だけ。—は数値の予想がないもの。EPS÷BPS=実績EPS÷1株あたり純資産で、PBR÷実績PERと同じ。

時価総額11.55兆円は8社の中で5番目で、NANDの工場を合弁で分け合うサンディスクの13.07兆円と近い大きさです。その中で、実績PER73.0倍は計算できる5社のうち南亜科技の153.3倍に次ぐ2番目、直近四半期×4の70.9倍は計算できる7社で最も高い値でした。

会社予想×4の38.9倍は、マイクロンの12.7倍、サンディスクの11.1倍を大きく上回ります。ただし予想の時点はそろっていません。キオクシアは2025年11月13日公表の2025年10〜12月分、マイクロンは2025年12月17日公表の2025年11月28日〜2026年2月26日分、サンディスクは2026年1月29日公表の2026年1月3日〜4月3日分です。キオクシアの予想は、いちばん早い時期の四半期が土台です(当ブログの見方)。

PBR14.07倍は8社で最も高く、中央値5.94倍の約2.4倍です。実績EPS÷BPSの19.3%は、SKハイニックスの36.0%、マイクロンの20.1%に次ぐ3番目でした。EPS÷BPSが近いマイクロンのPBRは7.94倍なので、キオクシアのPBRは、資本の効率がさらに上がることまで前提にしていると読めます(当ブログの見方)。

用語メモ:PER(株価収益率)=株価÷EPS。PBR(株価純資産倍率)=株価÷BPS(1株あたり純資産)。GAAP=ここでは米国の会計基準。non-GAAP=会社が一時的な費用などを除いて示す独自の利益。

株主に戻すお金は8社とも少なく、無配のキオクシア株は2025年に536.3%上がった

会社 配当利回り FCF利回り 株主還元利回り ネットキャッシュ÷時価総額 2025年の株価 2026年1月の株価
キオクシア 0.00% 2.19% 0.00% −7.57% +536.3% +104.7%
サムスン電子 1.04% 3.67% 1.76% 9.77% +125.4% +33.9%
SKハイニックス 0.33% 4.09% 0.26% 1.99% +274.4% +39.6%
マイクロン 0.11% 0.36% 0.11% 0.06% +239.1% +45.4%
サンディスク 0.00% −0.14% 0.00% 1.10% +388.4% +142.8%
南亜科技 0.00% 0.47% 0.00% 3.81% +559.8% +69.2%
華邦電子 — −1.03% 0.00% −5.55% +458.1% +55.6%
旺宏電子 0.00% 1.66% 0.00% −5.20% +99.2% +135.2%
海外7社の中央値(社数) 0.06%(6社) 0.47%(7社) 0.00%(7社) 1.10%(7社) +274.4%(7社) +55.6%(7社)

※当ブログの計算。FCF利回りと株主還元利回りは最新通期の実額÷時価総額。ネットキャッシュは最新の貸借対照表の日付で、キオクシアは2025年9月30日(リースを除く)。キオクシアの2025年の株価は2024年12月30日→2025年12月30日、サンディスクは上場初日(2025年2月24日)からの騰落率。華邦電子の配当はデータなし。サンディスク・華邦電子・旺宏電子の株主還元利回りは配当支払だけで計算。

配当利回りが1%を超えるのはサムスン電子の1.04%だけで、中央値は0.06%です。キオクシアの普通株は無配で、会社は2025年6月5日の経営方針説明会で「ネット・キャッシュ・ポジションの実現を優先」すると説明し、配当などの株主還元はその後に位置付けています。

キオクシアのFCF利回り2.19%は中央値0.47%を上回り、8社で3番目です。一方、ネットキャッシュ÷時価総額−7.57%は8社で最も低い値です。現金は生んでいても、株主に戻す前に借入金を減らす段階にある、という組み合わせだと私は見ています(当ブログの見方)。

株価では、キオクシアの2025年の上昇率536.3%は、南亜科技の559.8%に次ぐ2番目でした。2026年1月の104.7%も、サンディスクの142.8%、旺宏電子の135.2%に次ぐ3番目です。無配で借入金の多い会社の株が、8社の中でも上位の上がり方をしたことになります。

株式投資の目線では、キオクシアは「NANDに集中し、借入金を抱えたまま波に乗る株」

ここからは、比べた数字を株式投資の銘柄選びにつなげます。目的は順位づけではなく、キオクシアの株価が何を前提にしているかを、海外大手の中で確かめることです。

キオクシアはメモリ事業の単一セグメントで、NANDに集中した会社です。海外ではNANDのサンディスクが近い型で、DRAMの大手でもあるSKハイニックスやマイクロン、スマホ・家電まで抱えるサムスン電子とは、株価が映すものが違います。私はキオクシア株を、NANDの値段とデータセンター向けの需要に、借入金の減り方が重なる株だと見ています(当ブログの見方)。

同じNANDのサンディスクと並べると、違いがよく見えます。時価総額はキオクシア11.55兆円、サンディスク13.07兆円と近いのに、PBRは14.07倍と8.33倍です。自己資本比率はサンディスクが71.0%(2025年6月期)、キオクシアが25.3%(2025年3月期)で、自己資本が薄いぶんPBRは高く出やすい面があると私は見ています(当ブログの見方)。

最新四半期の営業利益率は、サンディスクが35.2%(2025年10月4日〜2026年1月2日)、キオクシアが19.2%(2025年7〜9月)でした。期間が一つずれているので、キオクシアの次の決算で、この差がどう動くかを確かめたいところです。

株価と利益の向きは、キオクシアでは2025年にずれていました。株価は2025年に536.3%上がりましたが、2025年1〜9月の営業利益は合計1,680億円で、前の年の同じ時期の3,357億円のほぼ半分です(当ブログの計算)。騰落率は暦年、利益は四半期の合計で期間はそろいませんが、株価は過去の利益より値段の先行きを見ていたと私は読んでいます(当ブログの見方)。

8社を並べても、株価の上がり方は利益率の順になっていません。2025年の上昇率が最も大きかったのは、最新通期の営業利益率が7.9%の南亜科技(559.8%)で、営業利益率48.6%のSKハイニックスは274.4%と中央値ちょうどでした。値上がりの大きさを決めたのは、利益率の水準より、低い利益からの戻りの勢いだったように見えます(当ブログの見方)。

先行きの手がかりとして、TrendForceは2026年1〜3月のNANDの契約価格を前の四半期比+33〜+38%と予想しています(2026年1月5日)。株価は、こうした値上がりが利益に表れることを先に織り込んだ形だと私は見ています(当ブログの見方)。

今の株価が前提にしていることを並べると、実績PER73.0倍は中央値31.9倍の約2.3倍、益回り1.37%は中央値3.33%の半分以下です。会社予想×4でも38.9倍で、2社の中央値11.9倍を上回ります。PBR14.07倍は8社で最も高く、EPS÷BPS19.3%に対して、高い資本の効率とその先の伸びの両方が前提だと読めます(当ブログの見方)。

利益の振れは、年次の営業利益率で49.9ポイントと中央値37.0ポイントより大きく、四半期の底は−69.9%でした。株価が動くきっかけは、まず次の決算での2025年10〜12月の実績と次の四半期の会社予想です。数値の予想を出すのはキオクシアと米国の2社だけで、韓国・台湾の5社は定性的な見通しにとどまります。NANDの契約価格と、サンディスクとの合弁の動きも材料です。

キオクシアには、株の需給という材料もあります。東芝とベイン系4ファンドは、報告日の違う値を合わせた参考値で発行済み株式の約66.1%を持ち、2025年秋には両者が売却しました。大株主の動きは業績と別に株価を動かしうるので、変更報告書も追っておきたいところです(当ブログの見方)。

下振れのリスクは、値段の波の反転です。キオクシアは自己資本比率が8社で最も低く、ネットキャッシュ÷時価総額も最も低いので、波が下を向いたときに財務の余裕が小さい側にいます。PBRが最も高い株であることも、前提が崩れたときの値動きを大きくしうると私は考えます(当ブログの見方)。

銘柄選びで確かめる点 この会社の数字(時点) 当ブログの見方
利益率と資本の効率 営業利益率26.5%・ROE45.9%(2025年3月期。7社の中央値7.9%・3.9%) 上位だが、比べる1年が12月期の4社より9か月古い
利益に対する株価の水準 実績PER73.0倍・益回り1.37%(4社の中央値31.9倍・3.33%)、会社予想×4で38.9倍(2社の中央値11.9倍)(2026年1月30日) どの物差しでも中央値を上回る
PBRと資本の効率 PBR14.07倍(7社の中央値5.94倍、8社で最高)、EPS÷BPS19.3%(中央値3.9%) 資本の効率がさらに上がることまで前提
財務と株主還元 ネットキャッシュ÷時価総額−7.57%(8社で最も低い)、配当利回り0.00%、FCF利回り2.19% 還元より借入金の返済が先の段階
利益の振れ 年次の営業利益率の振れ幅49.9ポイント(中央値37.0ポイント、8社で4番目)、四半期の底−69.9% 海外大手と同じ波に乗る株
日本の個人にとっての持ち方 東証プライム上場の円建ての株、普通株は無配(2026年1月31日時点) 為替と外国の源泉税はかからず、税金は当面、売却益が中心

この株の性格が合うかどうかは、投資の目的で分かれます。配当で収入を得たい人には、8社の中ではサムスン電子の配当利回り1.04%が目立ち、キオクシアは無配です。値動きの大きさを受け止め、四半期ごとの会社予想とNANDの値段を追い続けられるかが、キオクシア株を選ぶかどうかの分かれ目になると思います(当ブログの見方)。

海外のメモリー株と組み合わせることも考えられますが、2023年1〜3月のように同じ時期に谷が来る業界です。国や会社を分けて持っても、メモリーの値段の波そのものは分散しにくいと私は考えています(当ブログの見方)。

日本に住む個人にとって、キオクシアは円建ての日本株です。外国株のように為替の動きが損益に入ることはなく、配当が出れば外国の源泉税もかかりません。その違いを、ここから税金の面で確かめていきます。

税理士から:日本株の配当は20.315%の源泉徴収で、課税方式を3つから選ぶ

ここからは税理士として、日本に住む個人が日本の証券会社で上場株式を持つときの、配当と売却益の税金を整理します。2026年1月31日時点の法令にもとづく内容です。

図は、上場株式の配当と売却益を受け取ったときの税金の流れです。最初の分かれ道はNISA口座かどうかで、NISAなら日本の税は配当・売却益とも0%です。ただし外国株の配当には外国の税がかかり、外国税額控除も使えません。NISAでない特定口座・一般口座では、左に配当、右に売却益の流れを描いています。

左の配当は、受け取るときに20.315%が源泉徴収され、確定申告で申告不要・申告分離課税・総合課税のどれにするかを、日本株と外国株に分けて表にしています。青く塗った「日本株を総合課税にしたとき」だけに配当控除があり、外国株は申告分離課税か総合課税で申告すれば外国税額控除を受けられます。

右の売却益は申告分離課税で、税率は配当と同じ20.315%です。源泉徴収ありの特定口座なら申告不要にでき、損失が残ったときは確定申告で、申告分離課税を選んだ配当との損益通算と、翌年以後3年間の繰越控除を使う流れです。

上場株式の配当は、支払いのときに20.315%が源泉徴収されます。内訳は所得税15%、復興特別所得税0.315%(所得税の2.1%)、住民税5%で、国税庁は「15.315パーセント(他に地方税5パーセント)の税率により所得税および復興特別所得税」が源泉徴収されると説明しています。復興特別所得税は、2026年1月31日時点の法律では2037年(令和19年)分までです。

配当の課税方式は、申告不要、総合課税、申告分離課税の3つから選べます。上場株式の配当は「支払を受けるべき配当等の金額にかかわらず、確定申告を要しません。」とされ、源泉徴収だけで終えることができます。申告する場合も、「上場株式等の配当等については確定申告において、総合課税によらず、申告分離課税を選択することができます」。

ただし、大口株主は別です。国税庁は「この大口株主等とは、内国法人の発行済株式の総数等の3パーセント以上に相当する数または金額の株式等を有する個人をいいます。」とし、大口株主等の配当は総合課税の対象です。2023年10月以後に支払われる配当では、本人が判定の基礎となる株主である同族会社(資産管理会社など)の持ち株と合わせて3%以上になる場合も含まれます。キオクシアなら、2025年11月13日の株数で約1,622万株が3%にあたります(当ブログの計算)。

もう一つ、住民税の扱いにも注意が要ります。「令和6年度(令和5年分)以降、上場株式等の所得について、所得税と個人住民税(市民税・県民税)とで異なる課税方式を選択することはできなくなり」ました(鹿児島市のFAQ)。所得税で配当を申告すると住民税でも同じ扱いになり、国民健康保険料などに響くことがあります。

ケース(配当100あたり) 外国の税 日本の税(20.315%) 手取り(特定口座・申告不要) NISA口座の手取り
日本株 なし 20.315 79.685 100
米国株(日米租税条約の上限10%) 10.00 18.28 71.72 90
韓国株(日韓租税条約の上限15%) 15.00 17.27 67.73 85
台湾株(日台民間租税取決めの上限10%) 10.00 18.28 71.72 90

※当ブログの計算。外国株は、外国の税を引いた後の金額に日本の20.315%がかかる。確定申告で外国税額控除を使わない場合の手取り。韓国で実際に15%で源泉徴収されるか、地方の税が上乗せされて16.5%になるか、台湾で取決めの10%が実際に適用されるかは未確認。NISAで配当を非課税にするには、受取方法を株式数比例配分方式にする必要がある。

用語メモ:源泉徴収=支払いのときに税金を差し引いて納める仕組み。申告不要=源泉徴収で課税を終え、確定申告に含めない方式。総合課税=給与や不動産所得など、ほかの所得と合わせて税額を計算する方式。申告分離課税=ほかの所得と分けて計算する方式。

配当控除は「日本の会社の配当」を「総合課税」で申告したときだけ使える

日本株と外国株の配当のいちばんの違いが、配当控除です。国税庁は対象を「日本国内に本店のある法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、金銭の分配、証券投資信託の収益の分配などで、確定申告において総合課税の適用を受けた配当所得に限られます。」とし、「外国法人から受ける配当等は、配当控除の対象となりません。」と続けています。

控除の額は、所得税では配当所得の金額の10%で、課税総所得金額等が1,000万円を超える部分に対応する配当所得は5%です。「配当控除の金額は算出税額を限度とします。」とされ、申告不要や申告分離課税を選んだ配当は対象外です。投資法人の配当も対象外なので、大家さんに身近なJ-REIT(不動産投資信託)の分配金にも配当控除はありません。

具体的な会社で見てみます。キオクシアの普通株は無配で、2026年3月期の予想配当も0円です(2025年11月13日時点)。2026年1月31日の時点では、キオクシアの株主に配当控除の出番はありません。

一方、メモリーを買う側の会社としてこの連載で読むバッファロー(旧メルコホールディングス)は、2026年3月期の配当を1株120円(中間60円・期末予想60円)としています(2025年11月12日)。総合課税を選び、課税総所得金額等が1,000万円以下なら、所得税の配当控除は10%で、1株あたり12円の計算です(当ブログの計算)。

総合課税にした配当は、給与や不動産所得などと合わせて税額を計算するので、得になるかどうかは人ごとの所得の大きさで変わります。不動産所得のある大家さんなら、所得全体がいくらになるかで、控除の率(10%か5%か)も、配当を加えたときの税額も変わります。住民税や国民健康保険料への響きまで含めて、申告の前に比べてみる価値があります(当ブログの見方)。

用語メモ:配当控除=日本の会社の配当を総合課税で申告したときに、所得税額などから差し引ける仕組み。課税総所得金額等=所得控除を差し引いた後の、税率をかける所得の金額。J-REIT=不動産に投資する投資法人で、証券取引所に上場しているもの。

外国株の配当は外国でも引かれ、二重課税の調整は外国税額控除で行う

外国株の配当には、まず現地の税がかかります。一般の投資家の上限は、米国が日米租税条約で10%、韓国が日韓租税条約で15%、台湾が日台民間租税取決めで10%です。日本では、租税特別措置法9条の2などにより、「当該国外株式の配当等の額から当該外国所得税の額に相当する金額を控除した後の金額」に20.315%が源泉徴収されます。

外国で引かれた税は、確定申告で外国税額控除を使えば、日本の税から差し引ける場合があります。ただ、証券会社の説明では「外国税額控除の適用は、確定申告をして総合課税または申告分離課税を選択した場合に限られます。」(マネックス証券、三菱UFJ eスマート証券)。申告不要を選ぶと二重課税はそのまま残ります。

控除できる額には上限があり、所得税では「所得税の控除限度額=その年分の所得税額×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)」です。住民税からも、所得税の控除限度額の30%を上限に差し引けます。控除しきれない額は3年間繰り越せ、申告には明細書と、外国の税を納めたことを示す書類を添えます。条約の上限を超えて外国で引かれた分は、控除の対象になりません(所得税法施行令222条の2)。

海外7社のうち、直近の年度に配当を出しているのはサムスン電子、SKハイニックス、マイクロンです(華邦電子はデータなし)。たとえばサムスン電子の配当利回り1.04%は、韓国で15%、日本で20.315%が引かれると、申告不要の手取りでは約0.70%まで下がります(当ブログの計算)。日本株のように配当控除で取り戻す道もありません。

なお、台湾の個別株は、当ブログが調べた範囲では、2026年1月31日の時点で主要なネット証券での取扱いが見当たりませんでした。韓国の実際の税率は、取引報告書や配当金の通知で確かめてください。

用語メモ:外国税額控除=外国で納めた税を、日本の所得税や住民税から差し引いて二重課税を調整する仕組み。租税条約=二重課税を防ぐために国どうしが結ぶ取決めで、配当にかける税の上限などを定める。

売却益は日本株も外国株も20.315%の申告分離課税。損益通算と3年の繰越控除

株を売った利益(譲渡益)は、日本株も外国株も同じ扱いです。国税庁の説明では、上場株式等の譲渡益は「他の所得の金額と区分して税金を計算する『申告分離課税』となります。」とされ、税率は配当と同じ20.315%です。国税庁は、上場株式等に「外国金融商品市場において売買されている株式等」も含めているので、日本株と外国株の損益は互いに通算できます。

たとえば、仮に公開価格1,455円で買ったキオクシア株を、2026年1月30日の終値21,360円で売ったとすると、1株あたりの譲渡益は19,905円で、20.315%なら税金は約4,044円です(手数料を除く単純計算、当ブログの計算)。無配の今、キオクシアの株主にとっての税金は、こちらが中心です。

損失が出たときは、上場株式等の配当とも通算できます。ただし国税庁は「上場株式等に係る配当所得については、申告分離課税を選択したものに限ります。」としています。通算しきれない損失は「その年分の翌年以後3年間にわたり」繰り越すことができ、「上場株式等の譲渡がなかった年も、譲渡損失を翌年へ繰り越すための申告が必要です。」と注意が添えられています。

ここに、日本株の配当ならではの選択があります。配当控除を使うなら総合課税、譲渡損失と通算するなら申告分離課税です。しかも「申告分離課税の選択は、確定申告する上場株式等の配当所得の全額についてしなければなりません。」とされています。配当控除か損益通算かを、その年の損益の形を見て選ぶことになります(当ブログの見方)。

源泉徴収ありの特定口座なら、口座の中の譲渡益は申告不要にできます。国税庁は「特定口座内で生じる所得に対して源泉徴収することを選択した場合には、その特定口座(以下『源泉徴収口座』といいます。)内の上場株式等の譲渡による所得を申告不要とすることができます。」としています。

配当を口座で受け入れる届出をしておけば、口座で受け取った配当は、口座内の譲渡損失と通算して源泉徴収されます。ほかの証券会社の口座と通算したり、損失を繰り越したりするには、確定申告が必要です。

外国株には、もう一つ違いがあります。買ったときと売ったときの値段をそれぞれ円に直すので、円で計算した譲渡益には、株価の動きに加えて為替の動きも入ります。円建てのキオクシア株には、この為替の要素がありません。

NISAなら日本株の配当も売却益も非課税。外国株は外国の税が残る

2024年からのNISAについて、国税庁は「年間投資上限額は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。」「非課税保有限度額は1,800万円(内数として成長投資枠のみの上限が1,200万円)です。」と説明しています。口座を開く年の1月1日に18歳以上の居住者等が対象で、非課税で持てる期間は無期限、制度は恒久化されています。売った翌年以降は、売った商品の簿価の分だけ枠が復活します。

成長投資枠の対象は上場株式で(整理銘柄・監理銘柄などは除かれる)、国内か外国かの区別はありません。東証プライムのキオクシアも対象で、実務では主要なネット証券が外国株もNISAで扱っています。配当の受け取り方には条件があり、金融庁は「NISA口座で買付けた株式の配当金を非課税にするには、受取方法を株式数比例配分方式にする必要があります。」と説明しています。

日本株なら、NISAの配当も売却益も日本の税はかかりません。非課税なので、配当控除を考える必要もありません。

外国株は違い、証券会社の説明では「NISA口座で買付した外国株式の配当金は、外国税は課税されますが、国内の所得税・住民税は非課税になります。」(SBI証券)。さらに「非課税取引(NISA)については確定申告をすることができず、外国税額控除の適用を受けることができません。」(マネックス証券)。この2点は証券会社の説明で、当ブログは金融庁や国税庁の資料では確かめられていません。

配当100の手取りで比べると、NISAでは日本株が100、米国株は90、韓国株は85(条約の15%の場合)です。大家業でいえば、日本のNISAは日本の税を消す仕組みで、海外の物件にかかった現地の税までは消せません。配当を重視して日本株と外国株を組み合わせるなら、どちらをNISAに入れるかで手取りが変わってきます(当ブログの見方)。

令和8年度税制改正大綱は、上場株式の20.315%を変える方向ではない

2025年12月26日に閣議決定された令和8年度税制改正大綱は、2026年1月31日の時点ではまだ法律ではなく、方向性です。上場株式等の配当・譲渡益の20.315%の税率を変える項目は、金融・証券税制の章には見当たりません。ただし大綱の個人所得課税の章には、所得が極めて高い人に追加で課す税(特定の基準所得金額の課税の特例)の対象を基準所得金額1億6,500万円(現行:3億3,000万円)超に広げ、税率を30%(現行:22.5%)に上げる見直しがあり(2027年分以後)、株の売却益が大きい年には関係しえます。

税率に関係するのは、防衛特別所得税です。大綱は「防衛特別所得税額は、その年分の基準所得税額に1%の税率を乗じて計算した金額とする。」とし、2027年(令和9年)以後に設けるとしています。同時に「復興特別所得税の税率を1.1%(現行:2.1%)に引き下げる。」としています。上場株式に当てはめると、15%×(1+1%+1.1%)に住民税5%で、合計は20.315%のままです(当ブログの計算。大綱自体はこの合計に触れていません)。

NISAでは、口座を開ける年齢の下限をなくし、2027年以後、18歳未満の年に年60万円、累計600万円までの枠を設ける方向が示されています。いずれも、今後の法改正で決まる内容です。

キオクシアの比較で見えたのは「同じ波、違う立ち位置」。税金は通り道まで確かめたい

キオクシアを海外の大手7社と並べると、最新通期の営業利益率26.5%とROE45.9%は中央値を大きく上回りました。一方で、ネットキャッシュ÷時価総額は8社で最も低く、PBR14.07倍は8社で最も高い値です。利益の振れ幅49.9ポイントは中央値より大きく、2023年1〜3月には海外大手と同じ時期に深い谷を通っています。

株価は2025年に536.3%上がり、2025年1〜9月の営業利益は前年の同じ時期のほぼ半分でした。キオクシアの株価は、今の利益より、NANDの値上がりが利益に表れ、借入金が減っていく先を見ていると私は読んでいます(当ブログの見方)。

次に確かめたいのは、まず次の決算での2025年10〜12月の実績と、次の四半期の会社予想です。マイクロンとサンディスクの次の四半期の着地、NANDの契約価格、東芝とベイン系ファンドの持ち株の動きも、キオクシアの立ち位置を測る材料になります。税金では、令和8年度の改正が法律としてどう決まるかを見ておきたいところです。

税金の面では、日本株の配当は20.315%の源泉徴収で、総合課税なら配当控除、申告分離なら損益通算と、選び方で手取りが変わります。外国株の配当は外国の税が先に引かれ、二重課税の調整には確定申告と外国税額控除が要り、NISAでも外国の税は残ります。

大家業を長く続けていると、物件選びと同じくらい、家賃がどの経路で手元に届くかが大事だと実感します。株も同じで、銘柄の数字と、配当や売却益が手取りになるまでの税金の通り道を、あわせて確かめておきたいところです。キオクシアの決算・財務・株価を読む回、日本のメモリー工場の地図を描く回、メモリーを買う側のバッファローを読む回もあわせてどうぞ。

 

※本記事は公表資料をもとにした情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。業績や株価に関する記述は当ブログの見方や試算で、将来の業績や株価を予想・保証するものではありません。

※数値は各社の決算短信・決算説明資料・有価証券報告書などの公表資料をもとに当ブログが集計・計算したもので、四捨五入の関係で合計が合わない場合があります。数値は2026年1月31日までに公表されたもので、時点は本文・表に記載しています。海外企業の円換算は2026年1月30日の為替レートによる参考値です。税制は2026年1月31日時点の法令にもとづき、令和8年度税制改正大綱の内容は今後の法改正で決まります。

出典・参考

  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)(キオクシアホールディングス、2025年11月13日)https://www2.jpx.co.jp/disc/285A0/140120251113599856.pdf
  • 2026年3月期 半期報告書(キオクシアホールディングス、2025年11月13日)https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100X3DB.pdf
  • 2026年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(キオクシアホールディングス、2025年8月8日)https://www2.jpx.co.jp/disc/285A0/140120250808536248.pdf
  • 2025年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(キオクシアホールディングス、2025年5月15日)https://www2.jpx.co.jp/disc/285A0/140120250515552869.pdf
  • 2025年3月期 有価証券報告書(キオクシアホールディングス、2025年6月26日)https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100W440.pdf
  • 2023年3月期 連結決算概要(キオクシアホールディングス、2023年5月12日)https://www.kioxia-holdings.com/content/dam/kioxia-hd/shared/about/asset/Financial-Results-FY2022-4Q-ja.pdf
  • 長期財務モデルについて(キオクシアホールディングス、2024年11月22日)https://www.kioxia-holdings.com/ja-jp/news/2024/20241122-4.html
  • Kioxia Corporate Strategy Meeting 2025(経営方針説明会資料)(キオクシアホールディングス、2025年6月5日)https://www.kioxia-holdings.com/content/dam/kioxia-hd/shared/ir/event/asset/Kioxia-Corporate-Strategy-Meeting-2025-ja.pdf
  • 株価:Yahoo!ファイナンス「キオクシアホールディングス(285A)時系列」(2024年12月〜2026年1月の終値)https://finance.yahoo.co.jp/quote/285A.T/history
  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信(バッファロー、2025年11月12日)https://www2.jpx.co.jp/disc/66760/140120251110594451.pdf
  • 通期連結業績予想の修正並びに剰余金の配当(中間配当)及び期末配当予想の修正(増配)に関するお知らせ(バッファロー、2025年11月12日)https://www2.jpx.co.jp/disc/66760/140120251110594442.pdf
  • AI Infrastructure Continues to Strengthen NAND Flash Demand; Kioxia Posts Highest QoQ Growth of 33.1% in 3Q25(TrendForce、2025年12月3日)https://www.trendforce.com/presscenter/news/20251203-12813.html
  • Memory Makers Prioritize Server Applications, Driving Across-the-Board Price Increases in 1Q26(TrendForce、2026年1月5日)https://www.trendforce.com/presscenter/news/20260105-12860.html
  • Samsung Electronics Announces Fourth Quarter and FY 2025 Results(Samsung Electronics、2026年1月29日)https://news.samsung.com/global/samsung-electronics-announces-fourth-quarter-and-fy-2025-results
  • SK hynix Announces FY25 Financial Results(SK hynix、2026年1月28日)https://news.skhynix.com/en/sk-hynix-announces-fy25-financial-results/
  • Micron Technology, Inc. Reports Results for the First Quarter of Fiscal 2026(Micron Technology、2025年12月17日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000072312525000044/a2026q1ex991-pressrelease.htm
  • Form 10-K for the fiscal year ended August 28, 2025(Micron Technology、2025年10月)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/723125/000072312525000028/mu-20250828.htm
  • Sandisk Reports Fiscal Second Quarter 2026 Financial Results(Sandisk、2026年1月29日)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2023554/000162828026004121/sndkq2fy26ex991-pressrelea.htm
  • Form 10-K for the fiscal year ended June 27, 2025(Sandisk、2025年8月)https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2023554/000202355425000034/sndk-20250627.htm
  • Nanya Technology Q4 2025 Investor Conference(Nanya Technology、2026年1月19日)https://financialfilings.com/filings/ntc-2408/investor-presentation/2026/33767083/
  • 3Q25 Investor Conference(Winbond Electronics、2025年11月5日)https://www.winbond.com/export/sites/winbond/about-winbond/investor/investor-conference/3Q25-investor-conference_EN_final.pdf
  • Macronix Fourth Quarter 2025 Results(Macronix International、2026年1月27日)https://financialfilings.com/filings/macronix-2337/investor-presentation/2026/33654419/
  • 外国為替相場 2026年1月30日(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年1月30日)https://www.murc-kawasesouba.jp/fx/past/index.php?id=260130
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  • 株価:Yahoo Finance 005930.KS・KS・2408.TW・2344.TW・2337.TW 時系列(2026年1月30日までの終値)https://finance.yahoo.com/quote/005930.KS/history/
  • 株価:FinancialContent MU・SNDK historical prices(2026年1月30日までの終値)https://www.financialcontent.com/quote/NQ:MU/historical
  • タックスアンサー1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)(国税庁。2026年1月31日時点の法令と内容が同じ部分を引用)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1330.htm
  • タックスアンサー1250 配当所得があるとき(配当控除)(国税庁。同上)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1250.htm
  • タックスアンサー1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)(国税庁。同上。復興特別所得税の期間は令和8年度税制改正大綱の「現行」表記による)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
  • タックスアンサー1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除(国税庁。同上)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1474.htm
  • タックスアンサー1476 特定口座制度(国税庁。同上)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1476.htm
  • タックスアンサー1535 NISA制度(国税庁。同上)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1535.htm
  • タックスアンサー1240 居住者に係る外国税額控除(国税庁。同上)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1240.htm
  • 2024年からのNISA(金融庁 NISA特設ウェブサイト)https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html
  • NISAを利用する皆さまへ(金融庁、令和6年6月・令和7年9月改訂)https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/slide_202406.pdf
  • 租税特別措置法 第9条の2(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=332AC0000000026;article=9_2
  • 所得税法施行令 第222条の2(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=340CO0000000096;article=222_2
  • 日米租税条約(英文)(財務省、2003年11月6日署名)https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/press_release/sy151107a2.pdf
  • 日韓租税条約 統合条文(和文)(財務省)https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/200710kor_j.pdf
  • 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の取決め(交流協会、2015年11月26日署名)https://www.koryu.or.jp/Portals/0/images/news/20160615/sozei-J.pdf
  • 令和8年度税制改正の大綱(1/9)一 個人所得課税(財務省、2025年12月26日閣議決定)https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_01.htm
  • 令和8年度税制改正の大綱(6/9)六 防衛力強化に係る財源確保のための税制措置(財務省、2025年12月26日閣議決定)https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_06.htm
  • よくある質問(市民税)上場株式等の配当所得等の課税方式(鹿児島市、2025年10月1日更新)https://www.city.kagoshima.lg.jp/faq-kurashi/shiminzei/q75.html
  • 米国株の配当でかかる税金と二重課税(マネックス証券、日付の記載なし)https://info.monex.co.jp/us-stock/caution/tax_3.html
  • 米国株式 配当金について(三菱UFJ eスマート証券、2025年8月28日更新)https://kabu.com/item/foreign_stock/us_stock/dividend.html
  • 外国株式の配当金は、外国税額控除の適用を受けられますか?(SBI証券 FAQ、日付の記載なし)https://faq.sbisec.co.jp/answer/5ed9d6a550df500012206b8b/